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入試問題で創造的思考力(01)

☆中学受験生は、いよいよ過去問を本格的に解く時期がやってきましたね。5年生はまだ過去問を解く段階ではないでしょうが、この時期から少し意識していきましょう。小学校低学年も、実は大いに意識しましょう。

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(2016年、共立女子は2月4日のC日程入試を改革。合科型論述テストと算数と面接の思考力重視のテストを行う。算数も思考過程を記述する問題が出題される。すでにサンプル問題が公開されている)

☆ちょっと何を言っているのですか?と思われるかもしれません。実はここで言っている中学受験生とは、6年生になって、たとえば麻布や筑駒、桜蔭などを志望しているのだけれど、偏差値が50~55を行ったり来たりしている生徒の話なのです。

☆この偏差値レンジにいて、受験生自身が上記のような学校に行きたいと意志があれば、このレンジを抜け出すことが出来る可能性があるということを、本シリーズでは考えたいと思います。もちろん、偏差値レンジ50までにいて、50を脱したいという受験生も同じです。

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☆首都圏私立中学学受験生数は、日本全国の小学校6年生の3.8%に相当します。全国私立中学受験生数でも、シェアはこの倍にしかなりません。

☆ですから、中学入試の偏差値は、この小規模な母集団の中でのベルカーブのポジショニングに過ぎません。

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☆だから、この母集団の中で勝ち組負け組を受験生が無意識のうちに抱いてしまってはもったいないのです。思考力というのは、学び方によっては、序・破・急・急々というべき数のカーブ、つまりホッケースティックカーブを描くものです。

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☆ですから、この母集団の中で、現状のポジショニングは受け入れて、そこからホッケースティックカーブを描く学びの方法をいっしょに考えましょう。そして実は、この学びの方法は、小学校1年生から、いやもっと前から意識しておく必要があるのです。早期天才教育とかいう愚かしいお話しではなくては、人間は生まれたときから、すでに環境が違いますから、その「差異」の中で人とは違う「才能」があるのです。

☆その子どもの「才能」を子ども自身が意識できるようになる小学校1年生のころからいっしょに意識することがポイントです。もちろん、その前から周りの人は意識しなければなりません。できればコミュニティぐるみで。

☆それがいつの間にかベルカーブの中でポジショニングを上げることばかり気にするようになって、その大切なポイントを忘れてしまうことがあります。多くの場合、偏差値レンジ55までが壁の受験生はそういう状態です。

☆たとえば、上記の共立のC日程のサンプル問題ですが、式の組み立てやその計算は小学校1年生にはできませんし、グラフの理解も難しいでしょう。小学校3年生にはグラフの理解は可能になるでしょう。

☆しかし、小学校1年生はこのA、B、Cの3人の物語は理解できます。小学校1年生から3年生を集めてこの問題を読んでもあまりおもしろくないかもしれませんから、星新一さんや小松左京さんのように、ショートショートに変換する必要はありますし、数字は取ってしまう必要があるでしょうが、そのショートショートを読んで、マインドマップで登場人物の関係を解き明かしていったり、状況を絵に変換すると、、何が共通で何が違うのかわかってきます。

☆彼らと対話するときは、物語としての事実と書かれていないことを想像してみる対話の両方が必要ですね。

☆上記の問題は、書かれていないことを想像する問題ではなく、書かれていることの事実を数式に変換するという作業ですから、かなり限定的です。

☆しかし、基本は事実と想像の両方の視角をもって、使い分けられるという基本的(根本的な)な考え方を学ぶことは大切です。今までの入試問題というのは事実を正確に理解するものばかりが多いのですが、一方に存在する想像というパラレルワールドも意識しておくことは必要です。

☆あらゆるものは、常に1対以上でできているからですね。集合論では空集合というのも設定しますよね。目の前にある要素だけを気にしていては、そこから脱することはできません。要素がある集合と空集合は両方存在するとマインドセットすることですね。

☆数字の「1」も「1×1」という2つの世界がある想像力は必要でしょう。ここで、さらに重要なことは、小学校1年生でも一般化できます。つまりそれを2020年からの新学習指導要領では、「メタ認知」と呼んでいるのですが、事実と想像のような「共通点」と「相違点」の関係は、登場人物同士にもあります。これをコンペア・コントラスト」という思考のスキルとして「メタ認知」を発動できるようにしているのが、かえつ有明や工学院、聖学院のアクティブラーニングです。

☆このような学校には、ベルカーブから脱してホッケースティックカーブを描く生徒がたくさん輩出されます。入学当時の偏差値を卒業時には序・破・急・急々という曲線を描きながら脱して、飛躍していくのですね。

☆それは、中学入学時には、この文章からグラフやグラフから文章へ、文章から絵へ、絵から文章へなどの「変換」という意識がなかったり、「変換」するときに、「比較・対象」という「メタ認知」を作動する意識がされていなかったりするのを復元するからですね。

☆だから、このような学びの視点を意識するのは、気づいたらそのときからトレーニングすればよいのですが、ベルカーブでポジショニングがなかなか上がらないのは、まだその意識が高くないということでしょう。そのことに気づいたら、まだ間に合うのです。

もし小学校1年生から4年生ぐらいまでにそのトレーニングがされてこなかった場合は、小学校5年生からそのトレーニングを開始したらよいと思います。6年生もまだ間に合います。10月25日(日)の21会カンファレンスでは、そのトレーニングをプログラム化した授業を5時間やります。小学校の一日の授業ですから、そんな大変ではありません。いやすべての教科がアクティブラーニングで「変換「「比較・対照」そしてそれ以上にまだあるのですが、考え方を学ぶ思考力ワークショップです。小学校6年生はこの授業でベルカーブを脱し、ホッケースティックカーブに乗って飛躍するきっかけをつくって欲しいし、小学校5年生はこれからの学びがワクワク楽しくなるきっかけをつくってほしいものです

☆考え方を学ぶと「知識」を暗記するのも、創意工夫によっては実は「思考力」が働くということになります。「知識」と「思考」は対になったパラレルワールドどうしなのですね。「知識」を憶えるのではなく「思考」することが大事なのだは、間違いではないですけれど、正しくもありません。そんな通説を鵜呑みにしていると自分の「才能」を見つける目にわざわざマスクをかけるようなものですよ。

☆すべての子どもたちは「才能者」ですよ。ただ、その1人ひとりの「才能」に対応できる環境があるとは限らないのですね。ですからそこにチャレンジしてくれる学校を選択することも大切な「思考力」です。

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