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2016中学入試 どうなる私立中学【04】法政グループ人気のわけ

首都圏模試センターWebサイトに掲載されている9月度の各校志望者数(前年比と成績分布)のデータ「度数分布表」によると、男子女子ともに、法政第二は人気が高い。来春から共学校になるから当然であるが、法政大中高は男子志望者の人気が高い。

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☆これは、2013年に、東京六大学で初となる女性総長田中優子氏を選出したということもあるだろう。田中氏は、尾木ママと同じくらいテレビでも有名だから。。。

☆意外にも、志望者のモチベーションは、人気にも左右されるものだ。人気の条件は、タレント性、新校舎、共学校化、名称変更というもの。ファンダメンタルで本質的な教育内容や教師のソフトパワーは、二の次というのが、株価を美人投票論でたとえたケインズの理論にも通じる。

☆しかし、ケインズは投機と事業は違うという。短期的利益と長期的展望は違うということだろう。法政グループの人気は、もちろん、短期的な人気投票的要素もあるけれど、受験生/保護者の中には長期的展望を持ったグループが選択している可能性もある。

☆法政大学は、スーパーグローバル大学(SGU)に選ばれている。それゆえ、MARCHという枠組みを脱して、グローバル大学と肩を並べられるような改革を行う環境を整えている。

☆リセマム9月15日によると、

世界大学評価機関の英国クアクアレリ・シモンズ(Quacquarelli Symonds、以下QS)は2015-2016の世界大学ランキングを発表した。首位は昨年同様マサチューセッツ工科大学(MIT)、日本の最高順位は京都大学が38位で、東京大学は39位だった。

☆QSランキングの指標が絶対ではないが、東大が京大に僅差であろうがなかろうが、席を譲るということが起きているのが日本の教育界の事件である。

☆しかも、世界大学ランキングトップ20にシンガポールの大学2つが入っている。完全にアジアにおける東大・京大の影響力は落ちているということである。そんな中でSGUは互いに椅子取りゲームをするのだろうか。

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☆長期展望に立てば、それが無意味であることは火を見るよりも明らかである。2020年大学入試改革の前提にSGUが世界大学ランキング入りし、トップ100を狙うというのは、よしあしは別として確かにある。

☆現状、東大ピラミッドは崩れている。これは、グローバリゼーションのフラット、フリー、フェアという3Fの流れに適合していて、実は日本が先行しているのかもしれない。トップ10入りは果たせなくても、50大学くらいが、世界大学ランキング200位くらいに入れば、多くのアジアの留学生が日本にやってくる。

☆将来へのネットワークができるから、政治経済的にも成熟安定する。観光客というより、住みたい国でトップ5に入るかもしれない。

☆知識基盤社会にあって、優れた大学が50あれば相当なものである。しかし、すぐにはそうはならないから、まずはSGUならどこでもよいし、法政大学だと立地も悪くないし、タレント性も強化している。明治大学は、ちょっとネガティブイメージの事件を起こした先生もいるし。。。青山と中央はSGUではないし、立教大学はどこかエスタブリッシュなオールド権威を感じるしとか、いろいろ比較考慮すると、やはり法政大学だとなるのではないだろうか。

☆実際、法政グループの卒業論文指導は、グローバル教育に欠かせないプログラムで、多くの学校でこの指導が行われず、グローバル教育において画竜点睛を欠いているという実情もある。人気投票とファンだメンタルな教育ソフトパワーの両方に取り組んでいる法政グループに、従来のくくりであるMARCHにおいて、軍配があがるかもしれない。

☆ともあれ、教育のクオリティを無視できない学校選択の時代であることだけは確かである。

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