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2016中学入試 どうなる私立中学【05】桐朋 御三家のおわり招く

☆桐朋が、来春から2月2日2回目入試を行うことについて、私は、すでに「2016中学入試動向ウオッチ【001】 桐朋複数入試へ」で語っている。御三家、駒東、聖光、海城、攻玉社、本郷、世田谷学園、巣鴨などの生徒獲得競争に桐朋が参戦することで、そのグループでの下剋上が激しくなると予想した

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(写真は、首都模試サイトで取り上げれrている記事のページから)

☆しかし、どうやらそれ以上の状況を生み出すという雰囲気がでてきた。

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☆1回目の志望者数は前年対比78%。人気があるわけではない。しかし、2回目の平均偏差値は56.9。これは御三家の併願校になるには最適である。東京エリアから聖光にいかなくても、教育クオリティ的には聖光よりもある意味良質である桐朋を併願にした方がよいと判断するグループが存在している結果になっているではないか。

☆これによって、SAPIXの御三家組が、偏差値の高いメンバーが開成―聖光を受験し、その次の偏差値集団が麻布―桐朋という併願を組むことになろう。

☆これによって、攻玉社や本郷、世田谷学園、巣鴨には今まで受験していたSAPIXの層が減る。SAPIX以外の塾生は、グローバル教育への時代の動きにもアンテナを張っているから、これ幸いとそこに流れ込むわけでもない。成城や成蹊がすでに人気があり、聖学院など21会校を選択判断する指標がすでにある受験生/保護者の価値観は動揺しないだろう。

☆海城は、グローバル教育で独自の高次教育を打ち立てたから、聖光か海城かという選択はだんだんなくなる。両方合格した場合、おそらく海城に軍配が上がる日は近い。

☆しかしながら、SAPIXの分厚い併願ラインナップは御三家-桐朋か聖光-海城となろう。

☆そして、海城はSAPIX以外からも帰国生や新しい感性をもった受験生を他の塾からも吸収できるから、まったく問題ないが、御三家-桐朋か聖光は高偏差値のダンジョンを造り出す。

☆生徒募集としては安定しているが、今回のQS世界大学ランキングで東大と京大の入れ替わりが起こっている背景にある東大神話の崩壊を察知することができず、日本の教育界で高偏差値ゲットーができあがる。これを「御三家のおわり」という。

☆それを確定し、加速させる動きが桐朋の2回入試の動きである。サバイブできるが、新しいマーケットから忘れ去られる。「結界」の中で循ただ環するダンジョン世界に閉じこもろることになる。。。

☆攻玉社や本郷、世田谷学園、巣鴨などもそのダンジョンになんとか入り込む戦略を考案するのだろうか、それとも新しい路線に舵をきるのだろうか。もし後者だとすれば、御三家のおわりはさらに加速するだろう。

☆そうでなければ、その小さな5000人のダンジョン世界の中で御三家ピラミッドで椅子取りゲームを行うことになろう。そこでは御三家のトップの座は永遠に続く。勝ち組負け組という20世紀近代社会の影の部分をそこに封印するのが21世紀型教育市場の動きとなろう。

☆もちろん、高偏差値という呪縛を解けば、大丈夫だが、そのときには名実ともに御三家的ピラミッドは崩壊している。さて、この過去の幻想への郷愁をどうするのか、御三家も意思決定をしなければならない時代がやってきた。

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