う2016年中学入試【学校選択】のヒント(13) 白梅学園清修 産官学プロジェクト
☆白梅学園清修は、農林水産省と企業と連携して「農業女子プロジェクト」をスタートした。(株)三越伊勢丹が、農業女子プロジェクトメンバーと連携して、中学生向けの食育活動を行うもののようだ。
☆第1回目の授業は同社が学校制服を製造・販売している白梅学園清修(東京都小平市)の中等部約40名のクラスのホームルーム活動で開催された。野菜栽培について種まきから収穫・調理に至るまでの一連の工程を女子中学生に学んでもらい、食を支える農業の重要性を理解してもらうのが狙いだということだ。
☆農業という「自然」と「社会及び経済」、そして「文化的な精神」が結びつくエコシステムは、人間の身体の健康、精神の育成、文化の形成、自然との循環など総合的なエコシステム社会であって、清修のイギリス研修旅行やEU研修旅行の教育活動とも連動している。
☆同校の教育理念は、ヒューマニズムであるが、これは自然状態と社会契約をどのように統合するかという、イギリス、フランス、EUの一連の市民革命の根本問題であった。
☆そして欧米の近代国家に仲間入りした日本もその歴史の中に包摂されている。すでに明治維新以降、このような根本問題を解く理想的な社会建設に向けて、日本の庭園国家観は、ジャパノロジーとして19世紀末から欧米に影響を与え、その理想と現実の一致を達成するべく牧野英一をはじめとする啓蒙思想家が同校設立に尽力している。
☆このプロジェクトは、土木建築業への女性の進出を促進するプロジェクトのように、日本の経済復権のために労働力を確保することも大きな目的であるが、ハンナ・アレントの人間の条件にあるように、「労働」や「仕事」と言うより、新しい「活動」として、2030年以降の日本の経済社会の変化に備えるものになるだろう。
☆2020年大学入試改革は、実はこの2030年の激動の経済社会の変化をOECDと協力して想定した動きであるから、白梅学園清修も、未来を見据えた動きをしているといえよう。
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