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工学院 教師のダイアローグ【02】 正答率30%問題を突破する

☆工学院と言えば、今やオールイングリッシュ授業!PIL×PBL型アクティブラーニング!ICT!システム思考×デザイン思考!留学アクション!という大学入学準備教育で注目されています。

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(工学院のイノベーションチームミーティング。システム思考×デザイン思考についてシェアしている在りし日のシーン)

☆このようなシステムの開発実践は、言うは易く行うは難しです。それなのに、スタイルだけ真似しているところもたくさんあります。

☆エッ!スタイルを真似する以外に何があるのですか?といわれるかもしれません。それはきちんとテスト測定学を先生方が学んでいるかどうかまで必要なのですよ。もっとも、そんな難しいことをやらなくても、アクティブラーニングはできるのではないかと語る人もたくさんいます。

☆そういう方が、いくら工学院のアクティブラーニングなどを見学しても、うちではもっと前からやっているなどと曇った目で見ることになりかねませんね。

☆2020年大学入試改革は結局そういうことを考えていないから、実行不可能だという人もいます。しかし、CBTでIRTを導入するということを文科省は表明している以上、その背景にテスト測定学を導入していることは明らかですね。

☆これは、ルーブリックとかエンパワーメント評価とは違って、さらにそのメタ次元での「コーディング」のお話しなのですが、そこを理解しようとしている学校は今のところ、工学院とかえつ有明、そして首都圏模試センターです。

☆中でも、工学院の先生方は、イノベーションチームというプロジェクトで、その研究を進めています。理論的考察というより、正答率30%、つまり反応率30%の問いとはどのようなものか、テストに反映し、データをつくりながら検証しています。

☆そんなことをいくら言ったって、保護者には伝わらないのだから、生徒募集には効果はないという人もいますね。しかし、それはドイツ車の某社や建材会社の某社がやったデータ改ざんの発想と同じです。

☆見えない部分は努力しても意味がない。

☆逆ですね。見えない部分だからこそ大切にしなければならないのです。

☆さて、正答率(反応率)30%問題とは、何を意味するかというと、偏差値のベルカーブ曲線で見ると、偏差値55以上の31%の層ができる問題ということです。

図1

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☆この層の生徒が解ける方法は、いつの間にかという生徒と学び方を意識して体得したという生徒に、ざっくり分かれます。前者を地頭のよい生徒、後者を才能者と呼びます。

☆エッ!前者が才能者ということでは?いいえ、地頭がいいだけでは、高次の問題にぶつかったとき、停滞してしまう時があるのです。ところが才能者は、考え方やものの見方、学び方を自らリフレクションして改善していく才能があるという意味なのです。

☆ですから、30%問題を突破できる視点に気づけば、あとはトレーニングです。これに気づかなければ、30%問題は闇雲トレーニングでは突破できないんですね。そして30%問題が解ける視点を見出して、問題解決できたときの、反応率曲線は、次のようになります。

図2

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☆偏差値55以上の問題が解けたときの気分は、こんな感じです。ところが、30%問題を考える視点が明快になっても、トレーニング不足で、解けないこともあります。

☆さて、工学院の先生方は、もしその考える視点を持っているが、まだトレーニング不足だという生徒を発掘して、入学させたら、どうなるだろうと考えたわけです。

☆中学受験勉強を始めるのが遅かったり、やってこなっかたりした生徒は明らかにトレーニング量は少ないですね。でも30%問題を解決する考える視点に気づく資質があるという生徒を発掘するテストを開発できたら、その生徒を迎え入れることができるはず。そこで「思考力テスト」が開発されたのです。

図3

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☆さて、図1と図2を重ね合わせましょう。すると、30%問題を突破できる考え方や考える視点を自覚できた(メタ認知)場合、ベルカーブの枠を突き破る気分が生まれるのです。これが自己肯定感やモチベーションアップにつながるのは容易に予想できるでしょう。

☆工学院のイノベーションチームの先生方は、これをデータ化するために「思考コード」を開発しています。そしてそのコードに合わせて、定期テストをSP表にして問いのクオリティを分析し、授業改善、生徒の学びの改善に活用する教師の教師による教師のためのコーチングシステムを開発している最中です。

☆ところで、図2の曲線をロジスティック曲線と呼ぶわけですが、これがIRTの基本的な考え方の表象です。

☆脱偏差値と言われる時代ですが、偏差値、反応率、IRTなどは、全部関連しています。従来は偏差値の使い方が間違っていただけで、正しく読み解けば、子どもの未来が開けるのです。偏差値は枠の中に子どもを閉じるのではなく、ロジスティック曲線と関係させながら、枠を開いていくときのモノサシになるのです。

☆これでも、まだ似非評価を振り回してアクティブラーニングは、そんなことを考えなくてもできるんだとアクティブラーニングフェイクを行っていくのでしょうか。

☆工学院の授業現場に教育学の理論を根付かせる先生方の取り組みこそ、学者にはできないオーセンティックな(真正な)取組だったのです。

☆受験生の保護者も難しいなんていわずに、根源的教育を見抜くことができる見識をいっしょに考えていきましょう。そうすれば、子どもの未来は開きます。

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