2016年入試 不易流行の不易流行
☆今までと言っても戦後以降の話ですが、社会の変化といっても、20世紀政治経済社会の枠組みの中で変わるという意味ではリフォームはされてきました。
☆ですから、明治維新以降生まれた私立学校は、近大の光と影の、影の部分から子どもの未来を守り、近大の光を全面的に未来に投じようとしてきた「不易」の部分は保守しつつ、新しい技術は取り入れるという「不易流行」を行ってきたのです。
☆しかし、その際、油断すると技術は本質も変質させますから、常に「不易」を言語化した各学校の建学の精神に照らし合わせて、「不易」を保守してきました。
☆この段階で、学内は喧々諤々になるし、あるいは無言の抵抗勢力をかかえながら不易流行改革を進めることになります。不易流行改革が上手くいっていたかなあと思うと揺り戻しが起こってしまう学校もあります。
☆しかし、今回の学校改革は、今までと違います。もちろん、今沸き起こっている学校の改革の中には、不易流行の流行を変える不易流行改革がほとんどかもしれません。
☆ところが、そうではない学校改革が起きているところがあります。それは三田国際、工学院、かえつ有明、順天、桜丘、聖学院、東京女子学園です。
☆この7つの学校当事者は、他の学校と同じように、不易流行改革に懸命になっていると思います。
☆しかし、実際は「不易流行の不易流行」改革を行っているのだと思います。イノベーションは、その拠って立つ政治経済社会の価値観が同じでも生まれます。たとえば、1995年以降のITイノベーションは凄まじいものがありますが、20世紀近代政治経済社会の根本を揺るがしたわけではなく、むしろ強化しました。新自由主義というかたちでずいぶん格差社会を広げてくれました。
☆結果的に、20世紀近代政治経済社会の影の部分を拡大鏡で映し出してくれた形になったので、子どもたちの未来は、その問題解決によって開けることになりました。だったら、貢献しているのではないかというと、それは違います。犠牲が大きすぎるからです。
☆sれおゆえ、今度は、20世紀近代政治社会の光と影の矛盾そのものを解決するには、もぐらたたきをおこなっていても対処療法にすぎないので、根本的につまりパラダイムそのものをチェンジさせるという動きがでてきます。それが歴史の動き、時代の精神と呼ばれていることでしょう。
☆ですから、7つの学校がその歴史や時代をつくったというわけではなく、その必然性に遭遇してしまったというのが正しい言い方かもしれません。
☆21世紀型教育というのは、20世紀型近代政治経済社会の不易を保守しつつそのために流行を受け入れ生み出していくというものでは、実はなく、20世紀型近代政治経済社会のパラダイムそのものを変更する「不易流行」そのものを「不易流行」する学校改革ではないでしょうか。
☆おそらくその学校で学ぶ生徒は、自分の未来を見つめながらも結果的にかもしれませんが、世界を変える人材として巣立つでしょう。
☆学校改革が21世紀近代政治経済社会を創る大きな契機になる時代。それが2016年中学入試の根底に響いている、かつてない大音量の通奏低音です。
☆では、その「不易流行の不易流行」改革によるコペルニクス的転回としてのパラダイムチェンジが映し出す21世紀型近代政治経済社会とは何でしょう。それは、自然と社会と精神が循環する世界エコシステム社会です。この発想自体は新しくはありませんが、未だに実現されていないパラダイムでなのです。
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