2020年大学入試改革や次期学習指導要領の肝
☆2020年大学入試改革や次期学習指導要領の話題は尽きない昨今ですが、大枠はどうもイギリスの入試制度に似ていたり、ルーブリックはOECD/PISAや米国をベースとする21世紀型スキルから由来していたりとなかなか捉えにくいわけですが、京大の西岡加名恵准教授の提案がもっともしっくりするなあと。
☆2020年以降の教育は、アイクティブラーニングを中核として行っていく予定が組まれているわけだが、そうなるとパフォーマンス評価が必要になる。そしてその評価にはルーブリックがという流れはもはや当たり前のようになっています。
☆そこまでは、よいとして、結局ルーブリックというマトリックスという階層構造を刻むのは、問いの立て方如何によるわけです。
☆知識の確認だけを従来型の問いだと、パフォーマンス評価の必要はないのです。
☆正解が1つでない問いを立てると、解そのものより、そのプロセスで思考の質の差がつきますから、高次思考の状況を評価しようと思えば、「本質的な問い」を立てることが必要です。
☆ところが、文科省に提案された資料だけではわからなかったのですが、eduviewというサイトに西岡氏へのインタビュー記事が載っていて、それによると、本質的な問いは、たとえば「エネルギーとは何か?」とか「時代によって社会はどう変わってきたのか?」だというのです。
☆これって、結局「知識」を問うているわけで、本質的な問いとは違います。「チョロQが動くエネルギーとは何か?」であれば、知識ではなく、エネルギーの本質に迫れます。なぜなら、存在そのものから本質は生まれてくるからです。
☆「ターナーは絵の描き方を晩年変えることになるが、時代の変化は関係があるのか?」と問うと本質的になります。問いは存在の背景にある本質に気づくかどうかなのですから。
☆がしかし、存在の背景に本質は存在しないという考え方もあるわけで、その価値観をもって本質的というとき、それは本質的な問いではなく、道徳的な問いとなります。
☆道徳的な問いは、思考停止の問いでもあります。2020年の新学習指導要領や大学入試改革は、制度的なフレームワークは斬新ですが、その内容は実は変わっていないというトラップがありますね。
☆つまり、本当の意味でパラダイムが変わらないわけですよ。
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