なぜ正答率30%の問題なのか?
☆10月25日(日)第5回21会カンファレンスで行われる「思考力ワークショップ」で「思考力」を身につけたら、正答率30%の問題を解決する糸口を発見できるようになりますと書いたら、こんな質問がありました。
思考力ワークショップでは、正答率30%ぐらいの難しい問題を扱うのですか?
(富士見丘の中1のLHRではアクティブラーニングが行われていました。この時はロボットと人間の関係についてディスカッションしていました。)
☆もちろん、そんなことはまったくありません。素材は難しくなくても正答率30%の入試問題を解決する糸口を発見できる視点を身につけられるます。心配しなくても大丈夫ですと回答し、理解していただきました。
☆しかしなながら、お母さんがどうしてワークショップなのに難しい問題なのと思ってしまったのは、私が正答率30%の問題と書いてしまったからです。正答率30%の問題(以降「30%問題」)は難しいというイメージなのです。ですから不安になるのも当然です。質問されたお母さんは高感度のアンテナを持っているといえます。
☆さて、ではなぜ30%問題は、難しいのでしょう?仮に首都圏の受験生数を5万人だとしましょう。するとその30%というと15000人ですね。
☆この人数は、いわゆる男女御三家階層構造をなしている群に合格する人数とだいたい重なります。御三家に合格する生徒にとっては、30%問題は、実はそう難しくありません。正答率が10%くらいの問題は相当難しいでしょうが、30%問題は、御三家の合格者にとっては100%問題になってしまいます。
☆ですから、30%問題は難しいからといって避けていたのでは、いつまでも御三家階層構造から抜けることができません。
☆ところが、30%問題を解決する視点を発見する思考力を身につける生徒が増えると、この御三家階層構造は崩れはじめます。
☆思考力を身に着けた生徒は、自分の才能に気づき始めますから、その才能を自ら伸ばすモチベーションは燃え上がります。それが学力をアップさせる大きなきっかけになるのです。
☆今までは講義形式の授業ですから、思考力を養うことは難しく、思考できる才能がある生徒とそうでない生徒という間違った境界線がありました。少し考えればわかるように、人間は考える葦です。すべての生徒が思考力を身につけることができるのは当たり前なのです。
☆ただ、それには講義形式では身につきません。講義形式は、思考力がすでに育っている生徒にとっては有効ですが、思考力がまだこれから育つという生徒にとっては、なかなか大変です。
☆ところが、アクティブラーニングで、思考力がいったん身につくと、その差はあっという間に縮まります、。それどころか、地頭があることを見える化しないでいるかつて天才だった生徒が、思考力を意識してリフレクションしながらパワフルになっていく生徒に追い抜かれることはしばしばあります。
☆そんなケースは、実はお母さん方もいっぱい見てきたはずです。自分の息子、娘だってそうなる可能性は大いにあります。今まで思考力に開眼してこなかった子どもの目が開いたとき、未来はドッと広がるのです。
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