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工学院 教師のダイアローグ【03】 ビジョンを実現する学びの組織全貌見える

☆平方校長が就任して3年目。急激に工学院は変化しました。しかし、あらゆる面を同時並行的に改革していたので、全貌が見えず、外から見ていると、気づかなかったり、内部の先生方にとっては、歯がゆかったりしたことでしょう。

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☆ところが、ここにきて平方ビジョンが可視化されました。ビジョンとは意識や観念やデモンストレーション動画の段階では、本当に見える化されたとは言えないのです。

☆ビジョンは実在であり実用化されていなければ、ビジョンとは言わないのです。だから、ジョブスは、新アイデアをプレゼンするときに、こんな製品を予定していますなんてCGや動画を見せたりなんかしなかったのですね。実在し実用化された製品そのものを見せながらプレゼンしたのです。

☆プロトタイプ!そうそれはその製品を創る過程において必要ですが、世に見せる時には、それは実在し実用化された製品になっていなければならないのです。

☆工学院のカリキュラムイノベーションチームは、PIL・PBL型アクティブラーニングのプロトタイプを創ったときに、その機動力をチェックするために思考コードを創りました。教育工学の発想ですね!

☆授業のパフォーマンスが高ければ高いほど、生徒の学びも広がり深まります。しかし、その広がりや深まりはどのように正当化し、信頼性を保障し、かついまここで妥当するといえるのでしょう。システムや組織はルールという体験で動きます。

☆学びの組織、授業、テキスト、テスト、レポート、プレゼンなど学びのシステム全体をシンプルにそれでいて高パフォーマンスで作動させるには、ルールが必要です。これを自覚せずに20世紀型授業が可能だったのは、知識配列を教え込むだけでよかったからです。それがルールだったともいえます。

☆しかし、21世紀型教育は、そのルールに基づく学びのシステムでは、AIロボットの頭脳にはるかに劣ることはもはや明らかになっています。

☆新しいルールが必要になったわけです。そのルールの1つが工学院思考コードです。

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☆20世紀型教育の方々は、だいたい教育観念論者が多いので、思考コードはわからないわからないとほざいています。

☆生徒といっしょに考えれば、どこまで広げどこまで深めていくかすぐに自分も迷います。迷ったらチャートをつくりますよね。俯瞰しますよね。工学院の先生方は、観念的に思考コードを作成したのではなく、実際の授業の中でPIL・PBL型アクティブラーニングをやりながら、基準を調整していったのです。

☆それが工学院思考コードです。思考コードは、トマスクーンではないですが、あくまで学びの理論負荷性ですから、絶対的なものではありません。この価値意識ではなく、価値もその背景に暗黙のそれなりの理論が負荷しているということに気づいたのは、もしかしたら工学院という学校の性格上、サイエンス思考が得意な教師が集まっているからかもしれません。

☆かくして、工学院の先生方は、この思考コードで授業を組み立て、生徒の学びの状況をシェアし、テストを作成し、テストの結果をIRT一歩手前の項目分析をデータエビデンスを明らかにしながら議論し、活かしています。

☆そして、この思考コードに拠れば、最終的にはデザイン・アクションの領域の学びの組織をつくることになるのですが、この結晶体の1つが、首都大東京の渡邉英徳准教授と同校高校生が連携して行っているプロジェクトです。 

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(首都大学東京の山下敏男先生にインタビューしている工学院生)

☆首都大学東京 渡邉英徳研究室と朝日新聞社が、1964年東京五輪から50年を迎えた昨年、共同で報道写真アーカイブ「東京五輪アーカイブ 1964-2020」の制作をスタートし、それに同校の高校生も参加しているのです。そして、それが始まって1年が経過し、その成果も膨大に蓄積されています。

☆そしてさらに、今回、『アジア×グローバル人材育成プログラム』がスタートし、その一環として、1ヶ月半後に控えたインドネシアでのプロジェクトの準備が行われました

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☆投資とボランティアの融合した新しいアントレプレノイアーシップを見つけてくることでしょう。「挑戦 創造 貢献」は、工学院の校訓でもありますが、それを思考コードに埋め込み、デザイン思考の授業まで開発して、実在するプロジェクトとして実用化していく。これこそ本当のビジョンです。

☆また、この思考コードのCレベルに到達するまでに、授業がPIL・PBL型アクティブラーニングになっていることはすでにご紹介しましたが、中学3年生全員が夏に、およそ1か月間、オーストラリアに研修旅行にいきます。知識理解の学びを超えて、異文化を日本文化をクリティカルに見ながら、いかに寛容に受け入れられるか思考コードのハードルをあげる学びも実践しています。

☆そして、高1になると、3か月留学に挑戦する生徒もたくさんでてきます。

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☆さらに、トビタテ留学JAPANという国家プロジェクトに参加する生徒も出てきました。

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☆このようにシンプルな「思考コード」が具体的な学びのプロジェクトを実在化し、実用化しています。このコード、実はIBのDPの学びの複雑なルールをシンプルに吸収できてしまう奥義が埋め込まれています。

☆今のところ、工学院のように、オーセンティックな学びの組織を「理念」の段階から「実在化」「実用化」にシフトしている学校は、かえつ有明以外にはありません。そのことに気づいた受験生/保護者は幸いです!

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