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三田国際 超学校[08] 層の厚い優れた国語教師

☆11月21日(土)午前、三田国際は中学学校説明会を開催。テーマは「平成28年度入試問題傾向について」。はじめて訪問した受験生/保護者のための会場や入試傾向だけの説明会のホールなど3会場に分かれて行われました。またしても、参加者は激増です。

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(多くの受検生/保護者を迎え入れる三田国際の心地よいキャンパス空間)

先週の土曜日在校生保護者対象の授業公開がありました。そのときの中1と高1の国語の両先生の授業力の質の高さを紹介しました

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☆てっきりどちらかの先生が傾向について語るのかと思っていたら、さらに若い先生が驚きのプレゼンテーションをしていたのです。オールイングリッシュ、オールタブレット、オールアクティブラーニングで他の追随を許さない教育を行っているにもかかわらず、こんなに優れた国語の教師を集めている三田国際は改めて本物ですね。

☆実は、強い学校というのは、どこでも国語科や社会科教員が優秀です。たいていの学校の国語科や社会科の先生は、自分の理論負荷性に気づいていないので、受験指導は優秀ではありますが、未来を共に語ることがほとんどできません。

☆その理論が果たしてどのくらい公共的であるかどうかの検証をされていないのです。したがって、受験テクニックレベルで終わっているという残念な方が多いですね。

☆20世紀型教育では、大学受験勉強がメインになりますから、どうしても、英語、数学、理科の順番に質の高い教師を集める傾向になります。英語と数学、理科は受験テクニックとグローバル教育のものの見方・考え方は重なるので、そもそも学的です。

☆しかし、国語と社会は、その領域が広く深いので、本格的にやると先の3教科以上の教養が必要になります。

☆ですから、大学受験テクニックは、その教養の一部にもならないくらいの狭い領域なのです。学習指導要領にのっとると、それよりも狭い領域になってしまいます。

☆それなのに、三田国際の国語科の教師は、学的なのです。受験テクニックは当然カバーされますが、もはやそんな「テクニック」は眼中にないほどの国語の授業が展開されています。

☆それが、今回の入試問題傾向の語りに如実に顕れていたのに驚愕でした。国語科や社会科の先生で、すてきな先生は、聖学院、かえつ有明、海城、桜丘、麻布、八雲、大妻中野、共立女子、共立女子第二、湘南白百合、筑駒などで出会ったことはありますが、三田国際ほど層が厚いところはもしかしたら見たことがないかもしれません。

☆国語の基礎問題や思考力問題などの説明もすてきでしたが、特に応用問題の解説が凄かったのです。それは「言い換え」の問いをどう考えるかについて語ったところです。

☆書き抜きの問題なんて、どんな解説をしたって変わらないのではないかと思われるかもしれません。

☆論理的文章において、実はこの「言い換え」の問題ほど、プラトンが嫌いなものはなかったでしょう。一方、アリストテレスにとっては、この「言い換え」は「詩論」や「修辞学」の大きなテーマです。

☆プラトンとアリストテレスのこのものの見方の違いについて、私が学問的にわかるわけではありませんが、イデアと形相の関係の違いから考えていくと、プラトンがおそらくアリストテレスに比較して嫌いだったろうと。この話は著作権の問題にも関係する、古き新しき問題です。

☆アクティブラーニングは昔からやっていたという方もいらっしゃるけれど、プラトンやアリストテレスにまでさかのぼる歴史的なお話を想定しているわけではないでしょう。そんな考えは昔からあったとか古いとか言う方は、いわゆるイノベーティブな教養を持ち得ない人のことですね。

☆それはともかく、今日私が拝聴した「言い換え」問題は、「比較対照」や「因果関係」を読み解く問題とは違って、論理的な理解ではなかなか生徒は理解ができないのですね。

☆「比較対象」は、そのたびに「~が」「しかし」などの記号をたどればよいわけですし、「因果関係」も「~して」「だから」「したがって」「~から」などの記号がヒントになります。

☆しかし「言い換え」は、頻繁に、「すなわち」「つまり」という記号を使いません。「言い換え」それ自体ですでにしつこいのに、さらに記号で確認していくとくどくなります。いかにも詩的ではないですね。

☆もうおわかりですね。「言い換え」はメタファーやシネクドキ、メトミニーの仲間ですから、読み解くのに飛躍する推論が必要になります。リニアーな手順をたどっていくのではなく、躍動を埋めんでいるのが「言い換え」です。

☆しかし、主観的にうけとめられやすいので、新聞や雑誌では、その使用はセイブされます。だから、新聞記事をいくら読んでも、論説文の読解力は上がらないのですね。もちろん、情報リテラシーは向上しますよ。

☆しかし、この「言い換え」レトリックを体得すると、文章読解はショートカットできるし、要約のような情報圧縮力もバッチり身に付きます。

☆だから、他者の話を深く傾聴できるのです。同じ時間、「言い換え」をリニアー感覚で理解するのと、「言い換え」を螺旋でぐるぐるサイクル循環して理解していくのとでは、自ずと密度が違います。

☆才能が開く脳内過程は後者の思考様式なんですね。15分の入試問題傾向の中にこの重要な点を盛り込むなんて恐るべし三田国際の国語科です。もちろん、プラトンもアリストテレスもシネクドキもでてきませんからご安心を。そういう背景があるというお話です。

☆会場を移動しながら取材していた時、また別の国語科の先生と瞬間お会いしました。すぐに「大森荘蔵」の話がでました。10秒くらいでしたが、そこに量子力学、ゲシュタルト、反要素還元主義などの思想がパッと広がりました。

☆生徒募集には関係ない難しい話だと思うかもしれません。しかし、少しだけ考えてみてください。説明会で理解出来る範囲内の薄っぺらな教育と説明会で理解できる以上の奥行きのある教育とどちらが本物ですか。

☆わかりやすく語ってくださいという他人依存の広報なんて虚構です。三田国際の広報活動は実に深いのです。それでなければ奇跡は起きません。深いこと言っていたら、人が集まらないなんて言う話は、どうかクリティカルシンキングしてみてください。

☆リベラルアーツだというのなら、間口が広く奥行きが深い話に耳を傾けなさい。

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