11月23日公立中高一貫模試に向けて(1)
☆適性検査Ⅰから適性検査Ⅲまで編集され、適性検査Ⅲを実施するかどうかは各校裁量。
☆もしⅢを実施した場合は、適性検査ⅠとⅡの大問のうち1題は各校独自問題に差し替えることになっています。
☆Ⅲを実施しない場合は、2題まで差し替えることができます。
☆適性検査Ⅲは、理数処理的なものをテーマにするか、問題解決型をベースにチームワークをどう創っていくか協働的な発想がどのようなものかみる問題に分かれています。
☆全体的には、言語的リテラシー、数学的リテラシー、科学的リテラシー、協働的スキルが想定されているということでしょう。
☆つまり、完全にOECDのPISA型入試がモデルになっています。この適正検査型タイプが、2020年大学入試改革における、「大学入学希望者学力評価テスト(仮称)」の布石でもあるので、私立中学受験者のみならず、公立中高一貫受検者にも2020年の道は開かれています。
☆それ以外の生徒は、新学習指導要領ができるまで待たねばなりません。今度の改革は、論理的思考力のみならず「学習を通じた創造的思考力」まで出題されます。
☆思いつきの発想力ではなく、多様な学びの体験を通した創造的思考力は、机上の上では養われません。そのような多様な学びの体験を通じた創造的思考力を養うプログラムが、私立中高一貫校や公立中高一貫校以外で、果たして準備できるでしょうか。
☆今までは机上の受験勉強で十分だったし、論理的思考力が養われればよかったわけですが、2020年以降は、多様な学びの体験を積むプログラムを通じて創造的思考力まで養います。
☆新学習指導要領になっても、一般の公立では、予算が今まで以上につくわけではないですから、実際には、そこまでのプログラムはできず、机上で疑似体験をしながらのプログラムになるでしょう。
☆それゆえ、次期学習指導要領では、アクティブラーニングが中核になっています。
☆しかし、疑似体験のアクティブラーニングですから、どれだけ実際の体験に近づけるかどうかは、教師の力量にかかってきます。21世紀型教育を推進している私立学校では、SGT(スーパーグローバルティーチャー)の内外研修を頻繁に行い、学びの体験と授業の両方のアクティブラーニングを通して、論理的思考力、クリティカルシンキング、創造的思考力を養うカリキュラムイノベーションを創発しています。
☆今年から、都立中高一貫校が適性検査の学校横断的組織で共同作成を開始したのは、公立中高一貫校の教師のレベルを高水準に保とうという意図があります。
☆一般の公立中学では、このような高いレベルの教師の育成機会ができないので、ますます学びの体験格差が生まれてしまいます。もちろん、公立中高一貫校を経験した教師の人事異動がありますから、そこで育った教師が、順繰り一般の公立学校に拡散していけばよいという考え方もありますが、時間がかかるのは言うまでもありません。
☆しかし、だからといって形式的平等で、ハイクオリティの学びの体験を通じた創造的思考力プログラムをやらずに、平均的なアクティブラーニングを行えばよいかというと、東大ですら、世界大学ランキングのポジショニングが下がってきていますから、このままだと、グローバル知識基盤社会における国際競争力でサバイブしていけない日本社会になってしまいます。
☆この矛盾を回避するのではなく、矛盾をいかに問題解決するかを考えつつ先に進む以外に今の日本はどうしようもないというのが現状です。
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