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2020年大学入試改革 具体的イメージ見える

☆昨日12月22日(火)、文部科学省 東館3階 講堂で、「第9回高大接続システム改革会議」が行われました。メインテーマは、≪「大学入学希望者学力評価テスト(仮称)」について≫でした。文科省のサイトで、当日配布された資料が公開されています。

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☆今回の会議の配布をみると、3つの試験システム――「高等学校基礎学力テスト(仮称)」「大学入学希望者学力評価テスト(仮称)」「各大学の個別独自入試」――の区分けが明快になりました。

☆また、大学入試センター試験の多肢選択とは違う「連動型複数選択」の手法やそれに「記述」をプラスするなど、思考の過程を選択肢問題でもみられるようなアイデアも提案されています。新テスト問題のサンプル問題も公開されていて、なかなかおもしろいですね。

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☆とにかく、区分けが明らかになてちます。配布資料を読むと、

「知識・技能」・・・「高等学校基礎学力テスト(仮称)」

「思考力・判断力・表現力①」・・・「大学入学希望者学力評価テスト(仮称)」

「思考力・判断力・表現力②」と「主体性・多様性・協働性」・・・「各大学の個別独自入試」

☆ということです。「思考力・判断力・表現力」が①と②に2分されているところは、学習指導要領の改訂を見越して、分けているのですが、そこは今回の配布資料からは残念ながら明快ではありません。

☆しかしながら、すでに学習指導要領の改訂の資料で、ブルームのタキソノミーやアンダーソンのブルーム型タキソノミーの発想が導入されることが公開されていますから、そこから推論すると、そして提示されたサンプル問題も合わせて推論すると、「思考力・判断力・表現力①」は「論理的思考力」のレベルで、「思考力・判断力・表現力②」は「批判的思考力」「創造的思考力」のレベルであることがわかります。

☆さあて、ここで最も重要なことは、配布資料にこうあることです。

「大学教育改革を推進するため、三つのポリシー(ディプロマ・ポリシー、カリキュラム・ポリシー、アドミッション・ポリシー)策定の位置付けを強化し、入学から学位授与までの一貫した方針の具現化、とりわけアドミッション・ポリシーと入学者選抜方法との関係の明確化を実現すること。そのために、平成27 年度中を目途に、三つのポリシーの一体的策定及び公表を義務付ける法令改正と、策定と運用に関するガイドラインの策定を行うこと。」

☆これは法令を改訂し、「各大学の個別独自入試」は、「思考力・判断力・表現力②」と「主体性・多様性・協働性」のレベルの問いを作成せよと指示することを意味します。

☆つまり、マークシートだCBTだ、記述論述の採点がたいへんだあ・・・などなど課題は山積で、もしかしたら、「高等学校基礎学力テスト(仮称)」「大学入学希望者学力評価テスト(仮称)」はうまくいかないかもしれない。

☆でも、「各大学の個別独自入試」は、法令で定められて変わらざるを得ないし、世界大学ランキング200位以内の大学と肩を並べるためにもそうしなければならないでしょう。

☆ところで、話は戻りますが、「高等学校基礎学力テスト(仮称)」「大学入学希望者学力評価テスト(仮称)」はうまくいかないでしょうか?サンプル問題を見る限り、小中学校で実施されている「全国学力テストB問題」、公立中高一貫校適性検査の問題、各私立中学独自の「思考力テスト」、OECD/PISAの問題の延長上にきちんと積み上げられています。

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☆このスーパームーンのサンプル問題は、まさしくイギリスの制度AレベルやIBの数学の問題をモデルにしていることもわかります。

☆今回の会議では、文科省が、再構成した学力の3要素である「知識・技能」「思考力・判断力・表現力」「主体性・多様性・協働性」を育成するプログラムとしての学習指導要領の改訂作業、そのプログラムとマッチングさせるべく「3ポリシーのガイドライン策定」によって大学に実行させる方向で、着実に動いていることが確認できました。

☆そして、大村はま先生の授業実践、教育観にぐっと近づいていることもわかります。大村はま先生は、99歳まで、日比谷や付属中高に行かずに、生涯普通の公立中学の1教師として人生を全うされました。

☆戦後直後深川の中学で、教科書がない時代、教材を独自に作成しながら「単元学習」を見いだし、以降ブラッシュアップしていきました。この「単元学習」は、のちに「総合学習」と名称が変えられ、今では「アクティブラーニング」と呼ばれるようになったことに気づく方は、今では少ないかもしれません。

☆しかし、文科省の中にこの見識をもったフィクサーがいるのでしょう。そして、この公立の伝説の先生大村はまこそ、東京女子大を卒業後、ずっと教師の道を歩んだ、≪私学の系譜≫の1人であるということが重要です。

☆明治の教育の優勝劣敗思想が今でもどうしても残り、格差社会を公立学校から生産してしまう矛盾を解決する秘策として「大村はまの精神」を注ぎ込んでいるのでしょう。

☆≪私学の系譜≫の粋を極めた戦後教育基本法は改正されました。文言云々というより≪私学の系譜≫の断絶をねらった改正でしたが、今度は2020年大学入試改革の中に≪私学の系譜≫の魂を注ぎ込むアクロバティックな改革なのです。また本間の妄想が始まったと言われるでしょうが^^);。

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