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東京・神奈川2016年入試(30 ) 東京都市大等々力の出願総数3444名!が映し出すコト

☆東京の共学校で、東京都市大等々力の出願総数は3,444名(2016年2月7日現在:首都圏模試センター調べ)。再び生徒獲得数で突出。昨年2000名以上集めて一躍注目を浴びた三田国際も3,000名は超えるが、3,444名を抜くかどうかというところです。

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☆おそらく、日能研とSAPIXの両校の合格者数を比べると、どちらも東京都市大等々力は、三田国際の倍以上合格していますから、日能研生とSAPIX生の受験者数分の差が結果的に出願数に影響するでしょう。

☆さて、しかし、このことは何を意味するでしょう。表をご覧になればわかるように、日能研の共学校の受験者数の多い順に、SAPIXの合格者数はまったく従っていません。

☆これは、SAPIXが高偏差値、高大学合格実績という明快な目に見える指標で学校選択をしている受験生/保護者のニーズに対応しているが、日能研はそれとは違う指標で学校選択を受験生/保護者と共有しているということを示唆しています。

☆そういう意味では、東京都市大等々力は、高偏差値・高大学合格実績を志向する受験生/保護者のニーズを集める教育を行っているが、三田国際はまったくそうではないということです。

☆では、三田国際は、日能研の合格者数が破格に多いかというとそういうわけではない。しかし、出願数は都市大等々力と競うぐらい集めている。これはいったいどういうことでしょうか?

☆日能研に通わせる保護者は、片方で安心安全の保障と一方で新しい何かを求める二兎追うタイプが多いのでしょう。ですから、高偏差値・高大学合格実績一辺倒の志向性はないわけです。

☆しかし、新しい何かのみを求めるわけでもないから、三田国際のように21世紀型教育で、急激に注目を浴びた学校を積極的に選ぶというわけでもないのです。すると、等々力のように、基本は大学合格実績をあげる教育を熱心にやるのだけれど、三田国際のような新しいものもやるという二兎追う姿勢が安心安全なのでしょう。

☆それでは、三田国際を選択する受験生/保護者とはどういう価値観を持っているかというと、完全にイノベーティブ教育を受け入れ、リスクテイカーの意志を強く持った方々が多いのだと思います。

☆日能研やSAPIX(早稲アカの志向性も基本はSAPIX)以外の塾の受験生/保護者の中に、三田国際の先鋭的な21世紀型教育に期待する層がいるということが、2016年入試で明快になったということです。

☆おそらく推計で、中学入試市場33%シェアが、日能研、SAPIX、早稲アカでしょうから、残りの67%の中に21世紀型教育に期待する受験生/保護者がいるのです。

☆もちろん、67%すべてがというわけではありません。むしろこのグループは、受験生/保護者が、塾歴社会化に取り込まれないようにしようというセンサーが働いているグループで、塾の志向性を中心に考えるのではなく、あくまで家庭の教育方針で動くグループです。ですから、この中にはSAPIX・早稲アカのような高大学合格実績志向のメンバーも、日能研のように二兎追う価値志向のメンバーも、教育イノベーションを推進している21世紀型教育を志向するメンバーも同じくらいいるでしょう。

☆すると、単純に考えると、三田国際を強烈に志向するメンバーは中学受験市場の22%はいると想定できます。そして、このメンバーが、今中学入試市場において、新しい旋風を巻き起こし、新市場創出に大いに貢献するのです。

☆その証が、ある意味、東京都市大等々力と三田国際が、等々力と用賀という隣接地帯で競り合っている状況に反映しているのです。

☆しかも二兎追う価値志向の中には、新市場創出がもっとはっきり顕れてきた段階で、そちらに流れますから、やはり32%が新市場であると、昨年から想定している私の考え方はそう間違ってはいないのかもしれません。

☆2020年の大学入試改革を冷ややかに見ているのは、やはり高大学合格実績志向の塾歴社会化派です。しかし、この改革の動きは止められません。すでに、メディアが、逆向きになることはないので、この32%の新中学入試市場の渦は大きくなる一方でしょう。

☆たとえば、工学院のように、三田国際やかえつ有明と同質あるいはそれ以上の教育を行っている学校には、日能研やSAPIX・早稲アカからほとんど受験しません。

☆しかし、帰国生やグローバルな視野の保護者は、工学院に魅力を感じて出願しています。世界の教育ノーベル賞と呼ばれているグローバルティーチャーTOP50を受賞した教師もいる学校です。米国名門大学に留学していた超優秀教師もいます。もちろん、東大の大学院で学んだ教師もいます。ネイティブスピーカーの先生方も優秀です。

☆それよりも何よりも、中堅教員が中心となって、聖学院やかえつ有明のように学習する組織や集合天才組織を形作っています。

☆中学の定員が100名ちょっとなので、目立たないのですが、しっかり生徒が集まっています。ハイブリッドインターという帰国生と英語体験者が集まるクラスも1クラス集まっているのです。C1英語教育は万全なのです。

☆そんなわけで、八王子に理想の学校があるという評判が少しずつ広まっているのです。かつて筑駒の副校長が退官後に同行の校長を務めていたことがあり、そのときに「挑戦・創造・貢献」という理念も加わりましたた。不思議なことに、言葉は理念を現実化します。

☆筑駒をもっとグローバルにした新しい学校が八王子にあると知った受験生/保護者は、興味と関心がわかないわけにいかないでしょう。

☆残念ながら、大手塾には、哲学的見識者が少なく、合理的功利主義的な価値観がベースです。それは20世紀資本主義ベースの企業としてある意味当然です。ですから、グローバルな見識を持っている受験生/保護者が、直接工学院の良質教育に共鳴して選択するというピュアな意思決定が静かに行われているというのが実態なのかもしれません。

☆そうはいっても、就任3年目の平方校長が、いよいよ集合天才組織をガッチリ創り上げたので、2017年入試は工学院が注目を浴びる可能性が大です。メディアはすでに工学院に取材が殺到しているのです。年末から何件メディアの取材が入ったことでしょう。

☆かえつ有明。三田国際、工学院といえば、21会校(21世紀型教育を創る会)です。この会には、伝統校の共立女子もメンバーです。一方、同女子校には、日能研やSAPIX、早稲アカも多数合格者を出しています。しかし、共立女子自体は、不易流行を幾度もその歴史の中で達成し、2016年4月からは、C1英語×アクティブラーニング×ICTという21世紀型教育を邁進する準備が整いました。C日程入試は思考力入試にもシフトしましたが、それは21世紀型教育を邁進する宣言の合図です。

☆かえつ有明、三田国際、工学院によって、21世紀型教育中学入試市場をもっと活性化し、共立女子によって、二兎追う価値志向の受験生/保護者の意識を、この新しい市場にシフトさせる渦が、ますます大きくなるでしょう。

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