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21世紀型教育の時代【05】 麻布モデル 知の越境問題①

☆今年の麻布の社会の入試問題は、21世紀型教育の本質を反映した問いかけの連続でした。従来通り学際的な問題で特別変わっていないとみなす方もいるでしょう。たしかに学際的という点では、今まで通りだし、まさにはじめから21世紀型教育という言葉を標榜しなくても、その本質を説いていたわけですが、今回はそのテーマが実に知の理論として普遍的なものだったのです。

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(入試会場に向かう麻布受験生。首都圏模試センターサイトから)

☆まず、次のパラグラフから問題文章は始まります。

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☆「境」「境界」をめぐる知の理論がテーマです。このパラグラフの後の文章は、そもそも「境」が出来る背景はどうなっているのか、「境」の起原論から始まっています。そして「越境」の問題点と希望のパラドクス問題にシフトしていきます。

☆さて、「境」ということばが言葉になる以前の話から紐解いていくのですから、中学入試の中でも数少ない逸品です。

21会(21世紀型教育を創る会)の聖学院、かえつ有明、桜丘、工学院、富士見丘、東京女子学園などの「思考力入試」が、今話題になっているのは、この「ことば」以前の背景を麻布のように学問的にではないのですが、まずは自分なりにどうとらえるかという自由度の高いアイスブレイクから始まるところにあります。

☆残念ながら、偏差値という壁、おお「境」!ですね。それがありますから、才能があっても、その「境」を越境して麻布を受ける勇気はなかなかもてないのも事実です。

☆そのような生徒の中には、読書が好きで、考えることは好き!でもいわゆる普通の受験勉強は嫌いというと才能者がいます。この才能者は、ちょっと本気を出せば麻布に合格します。偏差値50から55の中にこのような生徒がいる場合、ちょっとコーチングをするだけで、麻布に合格する場合があります。この層から、実際に毎年麻布に合格している生徒がいます。

☆さすがに、50未満の生徒ではそうはなかなかいきませんが、才能としては同質のものを有している生徒がいます。そのような生徒は6年後、才能ベースの論述とプレゼン型の2020年の新大学入試問題で力を発揮すると予想されます。

☆しかし、それは、6年間その才能を開花し、実現化する学びの環境があればの話です。そこで、21会は、実は「思考力入試」を作成する際に、麻布の問題や東大の帰国生の問題、イギリスのAレベル問題などを研究しました。

☆また、IBのTOK(知の理論)も研究し、TOK型アクティブラーニングを模索しています。入り口から大学進学以降まで考え抜き、試行錯誤して創り上げた学びの環境があります。このへんは、かえつ有明の校長石川一郎先生が、新刊の講談社現代新書で詳細に論じています。

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☆そういう意味でも、21世紀型教育の本質には、「麻布モデル」があるのです。しばらく、今年の麻布の社会の入試問題「知の越境問題」をみていくことにしましょう。21世紀型教育の時代であることがわかるはずです。また、この時代になるのを阻害している、つまり20世紀型教育から21世紀型教育へ「越境」することを妨げる要因もみえてきます。

☆その阻害要因から子どもたちを解放しようと闘っているコミュニティの1つが21会であることも。

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