« 21世紀型教育の時代【11】 麻布モデル 知の越境問題③ | トップページ | 21世紀型教育の時代【13】 北氏の2017年中学入試のパースペクティブ① »

21世紀型教育の時代【12】 工学院 驚異的変容!

☆Global Teacher Prize Top 10に選出された工学院の髙橋一也先生が、2月24日文部科学省を訪問し、馳 浩文部科学大臣に「グローバル・ティーチャー賞」の最終候補者10人に選出され、3月13日にドバイで開催される受賞式に臨むことを報告。

☆この賞は、教育ノーベル賞と言われているぐらいものすごい賞で、高橋先生が10人に選出されたのは日本初。今まであまり知られていなかったが、日本ナンバーワンの教師ロールモデルを前に、馳文科大臣は、ことの重大さに改めて気づいたそうです。

Photo
(写真は同校サイトから)

☆高橋先生が、ドバイ帰国後、また報告しにきますと言ったところ、今度は工学院を訪れるよと気さくに語られたそうです。日本の教育改革を進めるにあたり、

1)最高の教師ロールモデルとは何か?その授業は?

2)1人の天才教師の授業だけではなく、学内の教師がどれくらいの割合で、そのロールモデルをシェアできるものなのか?

☆を視察しようということでしょう。しかし、工学院は、3年前から着々と集合天才教師、集合天才生徒になる「学習する組織」を形成してきました。その環境があったからこそ、高橋先生が平方校長のもとに駆け付けたということですね。ですから、いつでも文科大臣を歓迎するでしょう。

Photo_2
☆2月17日、その「学習する組織」の活躍をお披露目する「PIL×PBL型授業の報告会」がありました。全国から教師や教育関係者が参加し、こういう環境があれば、ウチでもできるかもしれないとため息をついていました。

☆その模様は、同校サイト(→コチラ)に詳しく載っています。このページを見て驚くことは、報告会の内容もとても凄いのですが、広報力の発想力と行動力です。これだけの表現力、画像撮影力、なんといっても報告会のビジョンの枠組みを明快にメタ認識している洞察力。

☆これは、外部の広告代理店ではちょっと難しいですね。このことは、まだ多くの学校関係者がわかっていないことですが、工学院の広報チームは、それがわかっているんですね。

21
☆いったい何が?それは、一般に学校の先生がサイトを書こうとすると、主観的になってみるも無残なサイトになるか、それを恐れて事実列挙型になるかどちらかです。どちらも感動を呼びません。

☆では、広告代理店に頼むとどうなるか?あくまで客観的。ビジョンもうまくつなげるのですが、客観的な文章に埋め込むので、きれいに書かれているのですが、踏み込めない。

☆それは、能力の問題ではなく、先生方と共に暮らしていないのですから、痒いところに手が届かないのは当然です。むしろ、だからこそ客観的に書くわけです。

Photo_3
☆ところが、工学院の広報は、加藤先生が天性のリーダーシップを発揮し、俄然変わりました。インターサブジェクトという手法をとったからです。主観も大事にしながら客観も大事にするので、学校のビジョンと先生方の気概が結びつき、見る者の心を揺さぶります。

☆なぜこんなことができるのか、それは「学習する組織」として常に学内で対話をしているからです。この対話は、自ら行っているわけですから、そこで生まれたアイデアは、全部自分たちのものです。

☆もちろん、独我論に陥らないように、先生方はIBやCLILなどの外部の研修にも参加するし、外部人材とも連携します。だから、多くの他校の先生方が、高橋先生のように引き寄せられるのです。それはともかく、肝は自前の「学習する組織」デザインです。

Dsc07874
(IチームのU字の対話陣形。要に高橋先生が座ることによって、スーパーロールモデルがシェアできるようになっている。スーパーロールモデルと学習する組織のシナジー効果が生まれることに期待がかかります。)

☆「学習する組織」の究極的姿は、ソクラティックメソッドによる対話です。自由に自分のビジョンを語る思考レベルに全員がなっているからできるのです。つまり集合天才チームになっていることですが、報告会のリフレクションの時のミーティングはソクラティック対話になっていました。

Dsc07876
☆また、「学習する組織」を構成するとき、メンバーそれぞれのメンタルモデルをオープンにし、シェアすることがポイントになります。それぞれのメンバーが何によって価値判断するのか、それぞれの「メンタルモデル=自分軸」を共有することで、合意形成が主観の葛藤ではなく、インターサブジェクトを構成しようというアクションになるからです。

☆数学の奥津先生が、さらりと座標系でメンタルモデルを分類し、社会科の纓坂先生が、それをサンデルモデルでささっと説明する。このような教科の壁を超えたインターフェースが学習する組織のベースですね。

Dsc07894
☆この学習する組織のデザインを中心的に担っているのが、英語の田中先生と理科の太田先生、英語科で広報も担当している加藤先生です。布陣はランゲージアーツとサイエンスマスとアウトプットというコアメンバーになっているところがポイントです。

☆そこにスーパーロールモデル高橋先生の登場です。組織は常にイノベーティブに変容する必要があります。一個の人間組織でさえ、一日で細胞が入れ替わりながら生きているわけです。なぜ組織だけ変わらないで持続可能になるのでしょうか?

☆多くの学校が、工学院の学習する組織をロールモデルとして学ぶときがくるでしょう!そして、平方校長の人材配置の慧眼を学ぶべき時が到来ということでしょう。組織は放置してできあがるものではありません。大胆なビジョンと細心の人材ケアによってできあがるものなのです。

|

« 21世紀型教育の時代【11】 麻布モデル 知の越境問題③ | トップページ | 21世紀型教育の時代【13】 北氏の2017年中学入試のパースペクティブ① »

中学入試」カテゴリの記事