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21世紀型教育の時代【18】 工学院 驚異の変容!②「ICT宣言」

 ☆2月27日(土)、工学院は「工学院大学附属中学校ICT宣言」文を公開しました。昨年大きな改革の一環としてハイブリッド学年が中1から立ちあがりましたが、英語と国語のハイブリッド言語、リアルとサイバーのハイブリッド思考、講義×PIL×PBLのハイブリッド授業など先鋭的で圧倒的な教育革新を進めてきました。

☆その中心になったのが、生徒自身であることは言うまでもありません。

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☆そして、その1つの成果として「「工学院大学附属中学校ICT宣言」が採択されたのです。起草者は中1の生徒たちですね。これから後輩が入ってきますから、アンバサダーとして活躍することでしょう。

☆ところで、この宣言には、最重要な点があります。宣言文の成立の過程の説明の最後はこう締めくくられています。

この宣言は工学院の生徒、そして、将来の生徒たちよって常に磨かれ、時代の変化に対応しながら変化することを恐れません。むしろ、その営(いとな)みによって、工学院大学附属中学校の教育実践が、普遍的な真理に近づくことになることを確信しています。

☆おそらく90%の方はこのパダグラフの本当のところがわからないかもしれません。政府は2020年までに世界最高水準のIT活用社会を実現することを目的とした「世界最先端IT国家創造宣言」を閣議決定し、すでに中学校の技術家庭科ではプログラミングが必修となっているのですが、この政府の宣言文の文脈と工学院の文脈とは全く相いれないのです。

☆政府は、ICTを利便性と国益のために戦略的に実施し、あくまで功利主義的な安心安全の生活を保障しようという文脈の中にあります。

☆工学院は、利便性の両義性を見据え、統御しながら、人類普遍の原理を土台とする幸せな社会実現のためのアイテムとしてICTを活用するという文脈の中にあります。

☆実は明治政府の教育は、やはり前者で、人類普遍的原理の根拠となっている啓蒙思想を捨てることを宣言しました。戦後憲法の前文には盛り込まれたのですが、政府はなんとかこの文言を抹消しようと今も躍起です。

☆ですから、公立学校で人類普遍の原理にのっとった主義は提唱しないようにマスクがかかっているのです。

☆あくまでも技術の進化の文脈でとめておきたいのです。

☆そんな馬鹿な!というかもしれまいけれど、この人類普遍の原理を尊重しない権力者がいろいろトラブルを起こし、失言をして、世界から批判されているのは、その基準が制度上お飾りになっているからです。

☆工学院がこのような人類普遍の原理を目指す豊かな社会の実現にむかってICT宣言をしたというのは、≪私学の系譜≫上当然ですが、日本の近代教育史上画期的なのです。

☆このような気概が共有される学校でなければグローバル教育はできないのです。人類普遍の原理を高らかに謳えない公立学校は、真のグローバル教育はできないのです。

☆もちろん、それでよいはずはありません。ぜひ公立学校からもこのような宣言文をつくって、文科省や教育委員会を覚醒させてほしいものです。

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