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21世紀型教育の時代【21】 中学入試 いよいよ新市場創出へ

☆首都圏中学受験の人口は、微増傾向というのが、首都圏模試センターのシンクタンクの分析です。ただし、これは従来型の中学受験市場と新中学受験市場を合算しての話で、従来型の中学受験市場そのものは減少傾向です。

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(富士見丘のアクティブラーニング型授業の最終振り返りは、リフレクションルーブリックシステムを活用し、生徒のモチベーションと成長を教育ビッグデータでシェアしていく新しい動きをスタート)

☆このダイナミックな動きのきっかけは、21会のような21世紀型教育2.0実践校の出現でした。英語入試、思考力入試がすっかり世のトレンドになったことがその徴です。

☆しかし、それは、まだきっかけにすぎません。ダイナミックな動きはいったいどうなっていくのでしょう?これは東大総長の五神真教授の「高大接続システム改革についての意見(平成28 年2 月17 日)」にすでに予言されています。極めて重要です。

☆まず、総長は、記述や論述の試験、つまり思考力入試の重要性を確認しています。

本学では、入試問題は日本の高等学校、高校生全体に対する最も重要なメッセージと位置づけ、毎年、教員の総力を結集して作問と採点に当たってきた。記述式の出題によって、断片的な知識や表面的な技能ではなく、思考力・判断力・表現力を多面的に評価することが可能であることを確認している。またこれに応えるための受験生の努力が、論理的な思考力と文章表現力を鍛えることに役立っていることは確かである。長年実施してきた経験から、記述式試験は、大学と受験生との出題、解答、採点を通じた「対話」であるということを強調したい。

☆このような試験が「これに応えるための受験生の努力が、論理的な思考力と文章表現力を鍛えることに役立っていることは確かである。長年実施してきた経験から、記述式試験は、大学と受験生との出題、解答、採点を通じた「対話」であるということを強調したい」という実感は、かえつ有明、工学院、聖学院、桜丘、共立女子、東京女子学園、富士見丘、中村など「思考力入試」を実施した先生方は全く同じ感覚でシンクロしています。この選抜試験でありながら、ともに思考の対話を共有できる新たな入学試験は、2020年の大学入試改革のみならず、中学入試をも大転換させる突破口となるでしょう。

☆しかし、話はそこでは終わらないのです。このような記述式の採点を、50万人分対応するには、高度なICTシステム、教育ビッグデータシステムの構築が必要で、そんなことはできないとか弱音をはかず、国家的サイエンスのレベルをあげ、結果的に日本経済に貢献するような研究開発を突き進めと言うのです。

学力評価テスト(仮称)」の導入を位置づけ、「大学入学に向けた学びを、知識や解法パターンの単なる暗記・適用などの受動的なものから、学んだ知識や技能を統合しながら問題の発見・解決に取り組む、より能動的なものへと改革する」(中間まとめ)ことを目指していることに、意を強くしている。その中で、「統合的な思考力や表現力」の育成が重要であることを高等学校、高校生に広く伝えていくという趣旨は重要であり、その方策として、記述式問題導入に効果を期待することは理解できる。
しかし、50万人以上を対象とする規模の選抜試験において、記述式問題の特長を活かして「出題者と解答者の対話を実現すること」と「公平性と公正性を担保すること」を両立させることは、過去に世界でも例のない難題であり、大変野心的な社会実験となることを良く了解しておかねばならない。成功させるためには、十分な人的財政的資源を国民の広い理解のもとで準備することが必須の前提となる。日本の教育システム全体への不可逆な影響を与えるものとなるので、未来への確実な投資につなげるための周到な用意が必要である。
既にCBTの導入も視野に入れた議論がなされているが、出題採点の新しい手法およびそれを大規模に実施するためには、新技術とシステム開発が必要である。試験技法やICT技術の専門家を含めた、十分な議論の上で進めることを強く希望する。折しも、第5期科学技術基本計画では世界に先駆けた「超スマート社会」の実現が掲げられ、その基盤技術としてAI技術等の進展も期待されている。新しい試験で必要となる新技術・システムは、こうした学術的・技術上の開発課題と極めて整合するものである。そこで、高大接続システム改革という枠に閉じるのではなく、より幅広い科学技術戦略の中での投資と位置づけ、着実な資金確保を積極的にはかるべきである。また、大規模共通試験という場を最大限に活用し、日本人のICTリテラシーの抜本的強化や高度ICT人材育成機能強化に資する教育システムを世界に先駆けて導入することなど、社会システム改革の国家戦略としての視点も持つべきである。

☆要するに、CBTというのは教育ビッグデーターを活用したディープラーニングへシフトするぞという予言なのです。「高大接続システム改革という枠に閉じるのではなく、より幅広い科学技術戦略の中での投資と位置づけ、着実な資金確保を積極的にはかるべきである。また、大規模共通試験という場を最大限に活用し、日本人のICTリテラシーの抜本的強化や高度ICT人材育成機能強化に資する教育システムを世界に先駆けて導入することなど、社会システム改革の国家戦略としての視点も持つべきである」という極めて重要なビジョンを五神真教授は提案しているわけです。

☆教育ビッグデータを活用したディープラーニングと、リアルなアクティブラーニングを組み合わせた21世紀型教育3.0の登場の予言であるとみなしてよいのではないでしょうか。

実際、富士見丘のアクティブラーニングでは、リフレクションルーブリックシステム(RRS)を活用して、瞬時にリフレクションをし、モチベーションや成長実感をシェアできるようになっているのですが、これは教育ビッグデータの活用がなければできないことです。 まだまだ第一段階ですが、今後第二、第三へとステップアップしていきます。

☆さて、この教育ビッグデータの活用というフェーズが、中学受験業界に浸透してくると、そのダイナミックな動きは、従来型受験市場をひっくり返してしまいます。

☆エッ、また本間の妄想かあ!と言われるでしょう。しかしながら、すでに2013年21会が世に存在を知られるようになった時、ロンドンで東大や京大の頭脳が結集してインハウスどうしがコラボしてweb上でグローバル教育のプラットフォームが誕生しています。そして、その影響は確実に学習アプリとして大きな広がりを展開しています。

☆しかし、これが、今のところ中学受験業界で、そう大きく展開できないでいるのは、中学入試が、五神真教授の言うように、記述・論述式の思考力型問題を最終的なハードルと課しているからなのです。

☆現状人気のある学習系アプリは、「知識・技能」のlower order thinnkingと呼ばれている次元をカバーしているにすぎないからなのです。

☆公立学校の平均的な学習はこれで十分ですが(がそれがまた問題なのは言うまでもありません)、中学入試はhigher order thinkig領域を要求しています。そして、今では、それが偏差値上位校のみならず「思考力入試」が広がっています。

☆すると、今では学習アプリで対応できる「知識・技能」を中心に行ってきた塾や学校は市場からの支持をもらえなくなります。

☆つまり、従来型の受験市場が減少していくというレベルを超えて、知識・技能は安価な学習アプリを併用し、「ロジカル/クリティカル/クリエイティブシンキング」を鍛える塾や学校が新たな中学入試市場を創出するということになります。

☆スポーツや音楽をやっている生徒は、従来型中学受験塾に行かずに、「学習アプリ」で隙間の時間に「知識・技能」は習得し、スポーツや音楽と思考は実は知の有機的循環を見出すことができるので、習い事を活用して、むしろ思考力をもっと鍛えることができる新しい塾に通うようになるでしょう。

☆そこの塾からは、思考力入試をやっている学校は、偏差値ではなく、フラットに評価しますから、麻布、武蔵と同じような思考力型問題を出題しているかえつ有明、工学院、三田国際、聖学院、桜丘、共立女子、東京女子学園、富士見丘、中村などは、みな同列になります。

☆生徒は、偏差値ではなく、学校で自分のやりたいことをやれて、それで大学入学準備教育=リベラルアーツ教育が受けられ、東大に行きたければ東大にいけばよいし、ケンブリッジに行きたければいけばよいという21世紀型教育3.0の時代がやってくるのです。

☆チンパンジーの研究をつづけながら大学入学準備教育を受けたいのだ、ではそんな学校はどこなのか?バイオリニストになりたいけれど、その専門教育も受けながらも、大学入学準備教育を受けられる学校はどこか?社会起業家になる研究もできて、大学入学準備教育を受けられる学校はどこか?

☆そのような学校は、学習する組織がベースだし、教師はSGTでなければなりません。そして教育ビッグデータを活用できなければなりません。

☆上野学園とか女子美とかは、そんな学校になる可能性を秘めています。今はどうかというとまだでしょうが、もっとアクセル踏んでそうなってほしいものですね。

☆海陽学園は、昼間は大学入学準備教育で、夜はハウスという寮で、音楽あり、スポーツあり、宇宙物理の研究あり・・・でめちゃくちゃアカデミックな感じです!とはやく言える学校になってほしいものです。

☆そのようなイメージの学校が21世紀型教育3.0を実践するのです。21世紀型教育3.0を実践する、新しい塾や学校を創出することに興味のある方は、ぜひ対話しましょう。ただし、勉強会はやりません。志に向かって活動することしか私は興味はないのです。勉強はそれぞれ自己マスタリーでお願いします。

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