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21世紀型教育の時代【28】 国際バカロレアの数学と麻布の知

☆馬場博史先生の「国際バカロレアの数学: 世界標準の高校数学とは」が、出版されました。数学が不得意だとか、論文の学びには関係ないと思っている方、ぜひご覧ください。関係大有りですよ。

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☆本書を読むと、欧米の現代数学がまさしくリベラルアーツの自由7科の1つにきちんと位置付けられてきた科目であることがよくわかります。

☆一般に日本の数学課程はよくできていて、欧米より優れていると言われていますが、それは茶道のことを知らない欧米の人々に、日本の茶道は優れていると言っているようなものです。

☆IB(国際バカロレア)のDPの数学は、19世紀まで幾何学中心だった数学が、19世紀末から急激にあらゆるものを関数関係にトランスフォームしパラドクスの発見に力を注きましたが、その歴史そのものを追究しています。

☆日本では、たしかに中学で幾何をみっちりやりますが、高校に入ると微積を頂点に逆算して積み上げられた、数学史とは全く無縁のドメスティックな微積分体系が組み立てられています。

☆それゆえ、中学で学習した幾何が高校で学ぶ微積を中心とする関数関係にどうつながっているのかわかりません。

☆なぜトポロジーなのか、なぜフラクタルなのか?中高の数学で学ぶことはないでしょう。それでは、美術も写実主義どまりで、印象派、バウハウス、アバンギャルド、デュシャン以降のコンテンポラリーアートも理解できないし、今再び19世紀末の夢をもう一度という流れが生まれてきていることもわからんし、ケインズとミヒャエル・エンデの経済学概念が共通していたこともわからない。

☆貨幣の贈与と交換の関係も理解できない。だから、日本の生徒は、社会現象や事象を日本独特のモラルコードのフィルターを通してしか見ることができない。模擬国連をやっても、ドメスティックグローバル教育になってしまうのは、リベラルアーツとしての数学が学ばれていないからだということが、馬場先生の本でよくわかります。

☆TOKやEEでも、数学の領域が登場してくるわけですが、ここででてくるのは、グローバルイシューの中にあるパラドクスを発見して、それをどうやって問題解決するかというクリティカル/クリエイティブシンキングのトレーニングプログラムです。

☆ロジカルシンキングさえやっていれば、クリティカル/クリエイティブシンキングも包摂するのだという、非数学的、非論理的見識が堂々とまかり通っている教育現場です。

☆コペルニクス的転回もゲーデルのパースペクティブもない教育フィルターでしか世の中を見て判断できない日本の生徒にグローバル人材になれというのがそもそも理不尽なのです。

☆そのことを奥深く理解している麻布の知。中学入試問題を見れば、どの教科もパラドクスを解く問いをしっかり投げかけているのです。

☆麻布の知に学べば、日本は救われます。普遍的な知ですから、麻布でなくても教育を創ることはまったく可能ですよ!

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