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21世紀型教育の時代【34】思考の 問いの時代 慶應経済の問題

☆今年の慶應義塾大学経済学部の小論文もサンデル教授の著書がトリガーでした。サンデル教授の正義判断、意思決定の基準は、多くの受験生がすでにTOK的なアクティブ・ラーニング型授業の中で考える機会を得ていますから、経済学部に合格するには、結局英語、数学、社会でミスをおかさないという受験テクニック的な詰めがものをいった可能性があります。思い切って、他教科も論述式をガンガン取り入れたらよいのにと思うのですが。

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(素材文は、本書から出題)

☆それはともかく、この小論文自体は中学入試の思考力入試でもアレンジしたら出題できます。小学校6年生でも、学校選択のときに「自由」な雰囲気は判断の重要な要素です。自由とは何か?自分にとて自由とは何か?について考えておくことは、小学校6年生でもとても大切です。

j☆慶應義塾大学経済学部の小論文は、まず「公共哲学 政治における道徳を考える」 (ちくま学芸文庫 2011/6/10)マイケル・サンデル (著) からの抜粋文を読んで、次の2つの問いを考えます。

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☆素材文の表題に「道徳を考える」とありますから、ぐじゃぐじゃ考えるのでしょうが、正義判断は、交換の正義と配分の正義で考えるとスッキリします。

☆リベラリズムは、交換の正義が成立すればそれでよいのです。あとは自由。共和主義的政治理論、要するにコミュニタリアニズムですが、こちらは、交換の正義と配分の正義の両方が成立する共通善を自分の自由のルールとして認めていればよいわけです。

☆今回の抜粋文にはないですが、リバタリアニズムは、そもそも正義というモラルコードが存在しません。等価交換というシステムが合法的に成り立てばそれで十分です。

☆保守主義、つまりコンサバは、自分の正義がみんなの正義ですから、トランプ氏さながらです。

☆この問題は、したがって、アリストテレス以来、いやプラトン以来解決できていない問題です。永遠の思考問題で、手を変え品を変え出題されてきました。しかし、それだけに、このタイプの問題を考えると、思わず「自分軸」が露出されるのですね。

☆ハーバードが、このタイプの問題を重視し、今後は学力スコアは参考程度に活用していこうと企てているのには、この多様な価値意識の増殖に浮遊する「新しい個人の時代問題」があるからだと思います。

☆2020年大学入試改革は、グローバルという抽象的な現象をベースにしているように見えますが、本当はグローバルに拡張した「新しい個人の時代問題」をどのように対応するかがヒドゥンプロブレムなのです。

☆それゆえ、「自分軸」を問う“Who are you ?”のバリエーション問題が積分化します。今までは、重箱の隅をつつくような微分化された問題の集積だったのですが、どうやらルビンの壺の地と図はひっくり返るということでしょう。それがよいかわるいかは実はわかりません。

☆新しい資本主義の輪郭がまだ見えないからです。輪郭がみえてからなのか、この「新しい個人の時代問題」を解きながらクマどられていくのかは、まあ両方でしょうが。。。

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