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<偏差値50>を超えるために(5)国語:ルビンの壺を再構成する

☆国語の2つ目のコツは、説明的文章の読解。文章の読解は、まさにルビンの壺の仕掛けだらけ。ただし、説明的文章はそのほとんどが、文章にそのまま書かれているから、ルビンの壺を再構成すればたいていは理解できてしまいます。

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☆昨年4月の小6「統一合判」の国語の説明的文章は、上記の藤原正彦さんの本から出題されました。藤原さんは、数学者ということもあり、論理的な文章を書くますから、4月の段階で出題するというのは、なかなかよい選択です。

☆さて、説明的文章は、

「Aだが、Bだから、Cである」

☆が埋め込まれています。どの説明的文章も、A↔(B→C)が読みとれるかだけが重要なのです。これは、大学入試も、大学院の博士論文も、企業の企画書も、すべて同じです。

☆それなのに、なぜ文章が長いのか?それはこの一文だけ語っても、読み手が納得しない場合が多いからですね。

☆具体例を引用したり、エピーソードを挿入したり、画像やグラフを加えたりと、A↔(B→C)の主張が納得のいくように仕掛けて行きます。

☆しかしながら、読み手としては、A↔(B→C)の主張よりも、そのエピーソードや画像や、具体例など、論の展開に感動する人も多いですね。

☆それゆえ、文章読解は、最近では読者中心主義で、A↔(B→C)の主張に収束する文脈の論理的展開を無視するハイパーテキスト型読みが流行っています。

☆しかし、中学受験では、いや大学受験でも、まだA↔(B→C)の主張に収束する論理的展開が重視されています。ですから、この流れで創造的思考というと、A↔(B→C)の主張そのものをオリジナルにしなければならないという発想があり、それは相当難しく、ここにこだわっている限りは大学入試は変わりようがありません。

☆ところが、A↔(B→C)の主張にいたる論理展開に挿入されるエピソードや図やグラフなら、無限に表現を変えられます。ここにデザイン思考の登場する理由があります。

☆最近話題の思考力入試は、このデザイン思考に目が向いているのは、そういうわけです。ルビンの壺でいえば、主張と主張を支える文脈の逆転です。

☆しかし、この逆転が理解出来るには、これまたA↔(B→C)の主張が探せなくてはなりません。なんともパラドクシカルです。

☆さて、昨年の説明的文章の最終問題は、「アメリカの大学生は、アメリカに入ってから成績の上下に一喜一憂する。それはなぜか?60字以内で書きなさい」という問いかけでした。正答率は32.2%。極端に難しい問題ではありませんから、この問題ができれば、<偏差値50>は乗り超えられます。

☆解答はこうなっています。

アメリカでは大学の名前による差があまりないので、就職や進学のために他人と差をつけるには成績をよくする必要があるから。

☆A↔(B→C)の主張になっていないようにみえますが、最初の「アメリカでは大学の名前による差があまりないので、」は、「日本の大学とは違い」という対照的な内容が含まれているのです。

☆ですから、この文章の要約を100字くらいで書くとすると、

日本の大学に比べて、アメリカの大学は名前による差があまりないので、就職や進学のために他人と差をつけるには成績をよくする必要があるから、大学時代の成績の上下に一喜一憂することになる。

☆となります。豊島岡女子などは、ストレートに100字要約を問いかけてくるときがありますが、A↔(B→C)のそれぞれの要素を文章の中から見いだし、再構成すればよいのです。すなわち、ルビンの壺の仕掛けを再構成すればよいわけです。

☆そのまま文章に書かれているわけではなく、再構成する分、正答率が30%くらいの難問になるのです。

☆しかし、国語の説明的文章で、これ以上難問ということは考えにくいのです。もしあったとしたら、それはむしろ悪問ということになるでしょう。ここが算数と大きく違うところですね。算数の方が国語より差が付きやすい教科だという理由はここにあります。

☆結局、説明的文章の問いは、A↔(B→C)全体を問うか、Aだけを問うか、Bだけを問うか、Cだけを問うか、A↔(B→C)をわかりやすく説明する具体例を問うかなどのバリエーションだと考えてよいでしょう。

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