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新たな動き【19】 大妻中野 高次元入試へ

大妻中野は、来春、多次元入試として「新思考力入試」を行うことを発表しました。日程は2/4(土)AMです。つまり、「公立中高一貫適性検査型テスト」のような入試とは一線を画していることを表明しているのです。

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(2年前に、首都圏模試センターのサイトに掲載された「希望の私学」。そこから急速に教育イノベーションが展開。しかし、「希望の私学」であるのは今も変わりはない。)

☆定員も約15名で、合格者はアドバンストコースのメンバーになるというのも、、「公立中高一貫適性検査型テスト」のような入試とは違うことを示しています。

☆一般に行われている「適性検査型入試」は、2月3日よりも前に行われます。2月3日が、公立中高一貫校の「適性検査」本番ですから、私立学校が2月3日以前に設定する「適性検査型入試」は、公立中高一貫校志望者のためのお試し受験として活用されます。

☆しかし、2月3日以降の「思考力入試」は、高次元の創造的問いをワクワク目を輝かせて考えることに没頭するポテンシャルがあるかどうかを測る試験です。大妻中野の今回の新思考力入試は、そのことを明快に表現したものです。

☆試験科目は次の3種類。

①合科型 (国語・理科・社会 教科横断型問題)

 <*教科横断型知識・思考力・応用力を問う>

②数学

 <*数理的思考力・応用力を問う>

③総合問題(論述問題)

 <*350字~400字 発想力、思考力、表現力を問う>

☆昨年メディアに取り上げられた聖学院の「モノづくり思考力入試」、共立女子の「合科型論述式」などのC日程入試、かえつ有明や工学院の「難関思考力入試」を研究して、同校が実施しているラテラルシンキングなど融合させ独自の入試を創り上げたのでしょう。

☆だから、「新思考力入試」と高らかに謳ったのでしょう。最近、「理解・応用・論理的思考力」の低次思考レベルで問題をつくって、これが「思考力入試」だと喧伝している20世紀型教育もありますが、21世紀型教育における思考力入試は「論理的思考・批判的思考・創造的思考」という高次思考のレベルの問題を作成します。

☆この低次思考と高次思考のレベル差を意識できないのが、20世紀型教育で、意識できるのが21世紀型教育です。

☆しかし、このことを明快に意識して21世紀型教育を牽引できる私学のリーダーは、たとえば、かえつ有明前校長の石川先生、工学院の校長平方先生と大妻中野の宮澤校長です。

☆石川先生は、セザンヌの絵を通してリベラルアーツを語る知をベースに哲学対話の実践者です。

☆平方先生は、群馬芸術会員の彫刻家として、やはりアートマインドによって改革の世界を生み出すパワーをもっています。

☆宮澤校長も、やはり声楽家で、音を紡ぐ高次ポリフォニックコードを教育に浸透させている教育コンダクターです。

☆こうして、21世紀型教育の基盤は、リベラルアーツ、哲学、美学、芸術など学問的素養であることが、徐々に世間が認識する新しい時代の扉がようやく開こうとしています。

☆その扉を、宮澤校長は、ベートーベンの運命シンフォニーではなく、天使の歌声で開こうとしているのかもしれません。

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