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学校選択のための評価のメガネを磨く<03>CEFR

☆今、英語塾は空前のムーブメントを引き起こしているかもしれません。それほど「英語の時代」なのです。そして、その拡大に火をつけたのは、21世紀型教育であり、それに伴う2020年大学入試改革です。「英語4技能」を重視し、6つの資格・検定試験団体のスコアをCEFR換算して、それを英語入試の代替として活用するという入試改革が進んでいるからです。

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平成26年12月、文部科学省は「英語力評価及び入学者選抜における英語の資格・検定試験の活用促進に関する連絡協議会」(以下、連絡協議会)を発足。その連絡協議会に参加する6つの試験運営団体が集まり、「英語4技能資格・検定試験懇談会」を結成し、情報をサイトで発信しています。それぐらい、「英語4技能」の道は本格的に広がっているのです。

☆そうはいっても、6つの団体の試験のスコアの付け方は異なっています。そこで一つのモノサシで換算する必要があるのですが、そのモノサシとして、CEFR(Common European Framework of Reference for Languagesの略称)を採用しています。

☆言語コミュニケーションの能力別のレベルを示す国際標準規格です。ヨーロッパは、移民の問題を抱えていますが、互いにコミュニケーションするのに互いの言語のすり合わせをする必要があります。人権、表現の自由を大切にするヨーロッパだからこそ、欧州評議会で、統一基準を作成することができたのでしょう。

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☆日本では英語の資格・検定試験団体のスコアの換算表として使われているのですが、欧米では、互いの言語のレベルを合わせるモノサシです。使われ方が多少違っていますね。

☆ですから、学校説明会に行って、CEFRの本質を知らずに語っているなあと感じたら、そこはその学校の見識はマイナスポイントだということになるでしょう。

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☆国語の先生や社会の先生が、CEFRのことを知らなかったり、国語や社会には関係ないなんて言っているとしたら、ますます疑わなければなりません。

☆日本語の言語能力のレベルもCEFRでチェックできるのです。ですから、母国語が日本語でも、実はC1レベルに到達していない日本人もいっぱいいるのです。そしてその原因は、長い間、社会科は知識を暗記させる教科だという常識がはびこっていたからです。

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(三田国際のインターナショナルクラスは社会科も理科もオールイングリッシュ)

☆社会科は、言語能力のレベルをC1以上に伸ばす重要な教科だったのです。21世紀型教育は、英語も変わりますが、国語や社会も大いに変わるのですが、意外とこの2教科が子どもの言語能力=思考能力の飛躍の壁になっている場合が多いのです。

☆21世紀型教育を行っている国語と社会の授業は実にわくわく楽しくぐんぐん探究する学びになっているものです。

☆CEFRは、言語と思考のレベルのモノサシだということを認識したうえで、そうではないという批判的な意見を出せる学校があるかどうかも重要ですね。欧米は基本、言語一元論で、言語、思想の自由ですから、言語=思考という文化があります。

☆グローバルという時、それをそのまま鵜呑みにしてよいでしょうか?つまり、リベラルアーツだとか教養が大事だと語っている学校が、そこを議論できていないとすると、20世紀型教育であるとか21世紀型教育であるとかいう前に、問題が大いにあるでしょう。

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