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新たな動き【33】 キャリアガイダンス4・12号 「2030学びの環境」へ②

☆さて、それでは「2030学びの環境」はどんなデザインになるのでしょうか。この流れは、2020年大学入試改革とそれに伴う学習指導要領改訂の中教審をはじめとする各審議会のプロセスの中で、常にでてくるアクティブラーニングの広がりということでしょう。

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(Career Guidanse 2016 Vol.412 p32から)

☆しかし、同書を見てもわるように、ほとんどが学びの行動計画を図式化するなど見える化できるところでとまっています。アクティブだから、それでよいと思われているフシもあります。

☆ところが、OECD/PISAは、アクティブラーニングを前提としたテストを作成するところからはじまっているので、田能氏が語るように、学びの行動に関連してどの次元の思考を行うのか、その思考の基準作りからはじまっているのです。

「原点は、90年代末から6年間をかけて策定したOECDキー・コンピテンシー(主要能力)にあります。これはPISA(学習到達度調査9の土台になり、結果として各国のカリキュラム改革にも影響を与えました。

☆しかし、このキー・コンピテンシーの根っこは認知のタキソノミーを出発していて、能力というより、能力を高める思考の次元のクライテリア(基準)なのです。

☆上記の図も、簡単に言えば、第一のレベルは、「知識・理解・応用」の思考レベルを示しています。第二のレベルは「論理的/批判的/創造的思考」レベルを示しています。そして最終レベルが「エモーショナルな」美学的センスのレベルを示しています。

☆同じディスカッションするという学びの活動でも、どのレベルまで考え表現する思考を働かせるのか、そこまでカリキュラムをデザインをしないと、2030年問題を解決するような知性は育たないだろうという話なのです。

☆それなのに、多くのアクティブラーニングは、どこまで考えるレベルを高めるのかカリキュラムデザインしないで、ただ学びの活動のサイクル図などを書いて満足しているのです。このサイクルでも知識を暗記するだけの作業を促進できます。しかし、そのレベルにとどまってるアクティブラーニングで、2030年問題を解決することは可能かということなのです。

☆かえつ有明の場合も、まずこの思考の次元を「知のコード」と呼び、学内で議論し、活用しています。

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(Career Guidanse 2016 Vol.412 p27から)

☆OECDとかえつ有明のカリキュラムデザインは、コア・コンピテンシーや知のコードという思考の基準を共有するところから始まっているのです。ところが、今の日本の教育では、多くの場合、ここにはマスクがかかります。本当の意味でリーガルマインドが現場で育っていなくて、モラルとルールの差異が理解されていないからです。ルールにモラルが介入することを平気でやっています。

☆ルールをモラルからの介入から保護することで、自由を発揮できるはずですが、ルールが自由を束縛するという偏った道徳感情がそれを破壊します。

☆しかし、今回の学習指導要領改訂では、この部分を学力の3要素として明確化し、偏ったモラルコードから引き離しています。その3要素とは、「知識・技能」「思考力・判断力・表現力」「主体性・多様性・協働性」です。3要素と言いながら、思考を3つの次元でとらえていることは間違いありません。実はOECDもかえつ有明もブルームのタキソノミーを活用しています。文科省も参考にしています。IBも参考にしています。CEFRも参考にしています。

☆それぞれ独自の方法で、ブルームを乗り越えようとはしていますが、共通の基礎はここから出発しています。もちろんブルームの認知科学の発想はピアジェやヴィゴツキー、ブルーナー、デューイですから、根っこはルソーやヘーゲル、カントです。フィンランドなどの北欧の教育省の大臣や先生方は、この辺のことは基礎教養です。

☆IBをうちたてた有志の私立学校の先生方が、世界会議を運営した時、最初に議長を行ったのはブルームです。かえつ有明の山田先生、佐野先生、金井先生ももちろん、この系譜にある学習理論やコミュニケーション理論を授業という実践の一方で研究もしています。

☆だから、誰それが編み出したアクティブラーニングの手法をパッケージでも購入するように導入することはありません。その手法が、その系譜の亜流に過ぎないという認識がないままつくられているからです。つまり、理論や教養なき手法論だからです。

☆そんなわけで、OECDやかえつ有明の学びの活動は、その活動と共に思考の次元がともに高まる「2030学びの環境」デザインとなっているのです。

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(Career Guidanse 2016 Vol.412 p31から)

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(Career Guidanse 2016 Vol.412 p27から)

☆両者を見比べるとわかるように、ただ何をするのかというより、何をすることによってどのように思考していくのかということがわかる、カリキュラムデザインコンセプトになっています。

☆このようなコンセプトがあるからこそ、サバイブ空間に遭遇したとき、未来から来た留学生である中高生は、絶望を感じつつ、そこを希望に変えていく「自分軸」と「世界を変える知」を身に着けていくことができるのです。そう希望のエクソダス!なのです。

☆アクティブラーニングは、学びの活動と思考の次元を高めるコミュニケーション行為がダイアローグ(対話=弁証法)によって統合されていくというのがOECDとかえつ有明の発想なのです。

☆これが出来ている学校は、ほかに工学院という学校があります。大阪聖母、聖母被昇天はそこに挑み始めました。

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