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新たな動き【41】 フィリピン大統領にロドリゴ・ドゥテルテ氏

☆時事通信(2016年5月10日)によると、「フィリピンのアキノ大統領の後任を決める大統領選が9日投開票され、南部ダバオ市のロドリゴ・ドゥテルテ市長(71)が当選を確実にした」ということです。

☆ドゥテルテ氏は、暴言市町とか、フィリピンのトランプ氏とか言われているのですが、しかし、そのような強さが、フィリピンの民主化のパラドクスを解決する道だと同国民が選択したのでしょう。

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☆名目GDPの大きさに比べ、極端に一人当たりのGDPが小さいですから、想像を絶する貧困問題が横たわっていて、救世主の到来ということでしょう。

☆ポルトガル、スペイン、オランダ、イギリス、日本、米国と、近大化の歴史の中で、フィリピンを翻弄させてきた国々。民主化もパラドクスを引き起こすだけ。貧困を生み出す権力者の腐敗や癒着、アンダーグラウンドな力をとにかく掃討して欲しいという強い欲求が積もり積もったということでしょう。

☆今回のロドリゴ・ドゥテルテ氏の大統領就任が、最適の解決策を生み出すかどうかはわかりませんが、解決して欲しいという叫びが1つにまとまっていることは確かです。この欲求が米国でも起こっています。トランプ氏が大統領になるかどうかはともかく、その背景に強い貧困格差撲滅欲求が1つになりつつあることは確かでしょう。

☆日本の多くの学校も、フィリピンの語学研修を実施しています。スカイプで英語を学んでいます。その背景に、何があるのでしょう。経済的に、それがフィリピンの支援になっていればよいのですが。

☆そんな中、栄光、静岡聖光、立命館中高、順天などは、語学研修を超えて、国際交流を行っています。単純に学校と学校の交流というのもあるかもしれませんが、フィリピンの貧困の現状の中にフィールドワークに身を投じるレベルだと思います。

☆順天の生徒などは、帰国後自分たちの救済方法のアイデアなど、まったく役に立たないことに気づき、思い上がりに過ぎなかったことに打ちひしがれ、今度こそ真剣に自分はこの世界というものに何が出来るのか再チャレンジしようと大きく自らが変容するわけです。

☆このような偉大な決意が貧困撲滅を欲求する一つの願いのウネリに結びつくことが、希望の光を放つことになるかもしれません。

☆かつて、私たちの国も、フィリピンやアジアに対しこの状況を生む一因をつくった歴史があるわけです。その歴史を忘れてはいけないでしょう。グローバル人材といったとき、この世界の近代化の歴史のパラドクスが生み出す痛みを引き受けられる素養があるかどうかがポイントだし、1人で引き受けられるほど軽いものではありませんから、多くの人々を巻き込み共にあゆんでいくリーダーシップを発揮できる資質もポイントになるでしょう。

☆栄光、静岡聖光、聖母被昇天、立命館中高、順天などは、そのような意味でのグローバル人材、グローバルリーダーの育つ学びの拠点なのかもしれません。

☆このような学びの拠点にとって、ロドリゴ・ドゥテルテ新大統領の政策が良き影響を与えるものになることを心から祈っています。

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