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英国のEU離脱とオバマ大統領

☆「崩壊するアメリカ~トランプ大統領で世界は発狂する!?」の著者横江公美さん(政治アナリスト)の文章が、「Wedge2016.7」に掲載されている。

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☆横江さんは、「崩壊するアメリカ」を書くにあたって、多くの出版社と話をしたが、何かギャップを感じたそうだ。それは、多くのベテラン編集者が、日本ではオバマは弱い大統領だと思われているという先入観があったということらしい。

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☆米国の政治の奥の院ともたとえられるシンクタンクで上級研究員としてオバマ大統領を近くでみてきた横江さんにとって、それは大きな驚きだったという。

1)建国以来一度も皆保険制度を持ったことのない国に、オアバマケアを導入した。

2)イランとキューバとの対話を再開して冷戦構造を終了させた。

3)現職の大統領として初めて広島を訪れた。

☆これは、経済、社会政策、外交・安保、つまり連邦政府の仕事すべてで、オバマ大統領はプラットフォームを変えてしまったのであり、日本では支持率に右顧左眄するが、オバマは支持率の低下をものともせず、信念を押し切った。だから、オバマは強い大統領だと米国では映っているようだ。

☆日本では、支持率低下やTPPの国内説得の苦戦、ISISを抑えることのできない現状ばかり偏って放映されているから、弱いと思われているのだと。

☆それに、オバマは、米国統一カリキュラムCCSSをつくり、コンピュータベーストテストを実行している。日本では、2020年大学入試においてPBTはできないとすでに白旗があがっているというのに。

☆さらに、STEM教育を強化し、今後最強の生産手段になるコンピュータを多くの学校に広めている。これはどういうことか。資本主義の格差の根本は生産手段を雇用者が独占しているところにある。

☆しかし、コンピュータというテクノロジーは、新しい資本主義の生産手段だ。それを労働者側も持つことができる。はじめは高度テクノロジーを有した人材700万人が不足しているからというところから始まった政策かもしれないが、起業家精神をさらに促進し、経済格差を縮めるスタート地点を用意した。

☆もちろん、今は高度テクノロジージョブと古いスキルのギャップがあるが、STEM教育は、そのギャップを確実に埋めるだろう。

☆理数系教育強化は、スプートニックショック以降、歴代の大統領が手を変え品を変え行ってきたと言われるかもしれない。しかし、オバマ大統領は、そこに皆ICT教育の道を開いたのである。

☆WIN-LOSEを生み出すゾンビ資本主義から、WIN-WINのクリエイティブ資本主義に大転換する道を開いたのである。トランプが大統領になろうと、ヒラリー・クリントンが大統領になろうと、左も右もない。新しい第三の資本主義。クリエイティブ資本主義の道を押し進めざるを得ないのである。

☆さて、オバマ大統領は、英国のEU離脱は反対だった。しかし、それは国際政治上、そういっただけだ。なぜなら、皆保険制度、冷戦構造の終了、平和主義、STEM教育の徹底は、結局資本主義的なモリスのユートピア形成への道である。それは、政治評論家が見ようとしない、英国のEU離脱の背景にある無意識のアート・アンド・クラフツの道でもある。

☆同時に国連が掲げるゴールデンルールは、中世ヨーロッパが市場経済における価格決定の最終審であったのだが、その法外な利潤を得ない地球市民一人一人が十分に生活でき、生き生きとクリエイティブな活動ができる新しい中世の資本主義の実現でもある。

☆このアート・アンド・クラフツ、ウイーン世紀末、アールヌーボー、バウハウスなどに影響を与えたのは、当時のジャパノロジーもその一つであった。この19世紀末から大正期にかけての精神を受け継いで保守しているのが≪私学の系譜≫である。

☆改修されて燦然と輝く東京駅丸内駅舎は、まさしくその象徴なのである。

☆その時代に、地球市民がタイムスリップし、ICTを持ち込んだような新しい資本主義のビジョンが見えているのはオバマ大統領一人ではあるまい。

☆英国のEU離脱、今後そうなるでえあろうEUの破壊的創造は、走り始めたのである。ユートピアに向かって。

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