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英国のEU離脱とフランスバカロレア哲学試験

SOCIETASのサイトに「フランス・バカロレア哲学試験問題2016年版が発表:過去問・採点基準も公開」という記事が掲載されている。哲学の問題としてはそれほどおもしろくもなんともないかもしれない。東大の帰国生入試の問題の方がよほどおもしろいが、そこは哲学の国だから、基本的な問題を出題しているのだろう。

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(同サイトで紹介されている坂本氏の論文から。京都大学高等教育研究第18号2012年「バカロレア哲学試験は何を評価しているか?―受験対策参考書からの考察―」坂本尚志/京都大学高等教育研究開発推進センター)

☆しかしながら、坂本氏の引用しているバカロレアで学ぶ哲学者のリストをみると、ハイデガーやフーコ、ポパーというそれぞれドイツ、フランス、イギリスを代表する現代思想の旗手らが並んでいる。2012年の資料なので、ガタリやドゥルーズ、ローティ、ハーバマスが入っていないのが寂しいが。

☆それはともかく、たとえば、バカロレア試験問題(文系)で出題された「道徳的信条は経験に基づくか。(Nos convictions morales sont-elles fondées sur l'expérience ?)」なんて問題は、イギリス的な経験主義で考えるのか、フランス的な市民社会制度論批判で考えるのか、ドイツ的に経験主義をコペ転させて考えたあげく、天上の星々を持ち出すのか、こりゃあ、おもしろい。

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☆道徳的信条って何よ?経験とは果たして存在するのか?「基づく」ってどんなことよ?などなど全部掘り起こさなければならない。そして、だだ学説史で終わることなく、掘り起こして、学説を比較対照したうえで、自分の考えを出さなければならない。その時の発想としては、ルビンの壺とエッシャーの滝でいくとおもしろくなる。

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☆バカロレア試験問題(理系)で出題された「知のために論証は必要か。(Faut-il démontrer pour savoir ?)」は、知とは何か?論証とは何か?必要とは何か?を掘り起こしながらも、反証可能性は問わねばならないから、イギリス経験主義かカール・ポパーを持ってこなければならないだろう。英国はEUを離脱してもなおニュートンは不滅なのだ。

☆いや、それに対してゲーデルだっているぞ!ポンティだっているさ!と思うかもしれない。要するにエッシャーの滝だ。どうもこの発想は欧州では普遍的あ発想のようである。理系とはこういうことだろうから、英国とEUはテクノロジーやイノベーションというソフトパワーで結びつかざるを得ないね。新たな連帯の可能性は、ここに、すなわちエッシャーの滝にあるのかもしれない。

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☆バカロレア試験問題(経済・社会系)で出題された「人は常に自分の欲望を知るか。(Savons-nous toujours ce que nous désirons ?)」も同様に考えていくが、こで登場するのがフーコだ。もちろんプラトンとアリスとテレスの相克でもよい。そこらへんをぐちゃぐちゃ書くことになるのだろうなあ。発想としては、キノコとリンゴでいけるかもしれない。あるいはドーナツとマグカップかな。

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☆ルビンの壺では、ちょっと単純すぎるかもしれない。いずれにしてもさすがはバタイユの国フランスだね。

☆うーん。やっぱりイギリスとフランスやドイツとは共約不能ということかな。離脱やむなしなのか。。。いや理系分野では共約可能であるというのは、このバカロレア哲学試験でなんとなっく了解できる。3Tのクリエイティブ資本主義へ仕切り直しということかもしれない。

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