新たな動き【114】 富士見丘 スモールサイズだからダイナミックな人気
☆首都圏模試センター「2016年7月統一合判」の志望者数関連データ」によると、富士見丘の複数回入試の志望者総数の前年対比は、130.4%。もっとも、中学の1クラスは20人前後で、2クラス構成だから、他校に比べて定量的指標でみると目立たない。しかし、サイト見ればわかるとおり、その21世紀型教育の質量ともに圧巻だ。それだけ他校ではできない欧米の名門校級の教育が展開しているのである。
(シリコンバレー流儀のデザイン思考×STEM教育のワークショップ。夏のスタンフォード大学教授を迎える準備。先にインターンの学生が訪れた。同校サイトから。)
☆今日、日本で理数が大切だとか、リケ女だとかいう言葉が注目されているのは、オバマ政権のSTEM教育に影響されていることがたぶんに大きい。富士見丘のすごいところは、であるならば、本家本元のアメリカのスタンフォード大学に学んでしまおうという企画をたててしまうところ。
☆SGH校ということもあって、内外の高大連携ネットワークを構築しているから、すぐに動けるフットワークの強みを持っている。それに欧米の名門校のようにスモールサイズだから、小回りがきくし、なんといっても有志を募るのではなく、全員が参加できるということは最大の魅力だ。
☆だから、偏差値と大学合格実績を学校選択基準にしている受験生/保護者の目にはその魅力が見えないということもある。ところが、21世紀型教育に関心がある保護者や特に海外で教育を受けている帰国生にとって、たいていの日本の進学校は絶望的に映るのに、富士見丘は希望の学園であることがすぐにわかるようだ。
☆グローバル教育で才能を開花させている途上の生徒が、日本に戻ってくると、その才能を認められず、偏差値と記憶の定着量と記憶したものを引き出せるスピードを評価されるので、絶望的になってしまう。
☆ところが、海外で富士見丘という日本にありながら英米の名門校級の女子校があるという口コミが広がり、編入者も多い。いつのまにか、B2レベルの英語のスキルを持った生徒が増え、アクティブ・ラーニングが当たり前の生徒が増えている。
☆富士見丘当局も、アクティブ・ラーニングの浸透率は相当なものだし、なんといっても多様な高大連携は、中高にいながら大学レベルの探究の学びを経験できるから、21世紀型教育志向の受験生/保護者には希望の学園なのである。
(高校1年「サステイナビリティ基礎」の一環として、慶應大学大学院メディアデザイン研究科大川研究室と連携して1年間実施するグローバルワークショップ)
☆修学旅行や研修旅行も海外が圧倒的に多い。中学ではオールトラリア、高校では米国西海岸の実績がすでにある。その他に、イギリス研修やシンガポール研修もあるし、3か月留学、1年間留学のシステムも完備している。
(中3の7日間のオーストラリア修学旅行は、無事終了したばかり。)
☆そして、昨日中2の生徒は全員で、武蔵野美術大学の芸術文化学科の杉浦幸子教授のチームを訪れたばかり。このプロジェクトはなかなか壮大。オルセー美術館のように、オルセー公認のデジタル作品を学校をギャラリーに展覧会をする活動も最近は増えてきたが、展示の空間デザインやチラシなどおはすべてプロがやる。生徒は学芸員的な役割をアシストするだけ。
(武美で、アートに接するとは?アートの配置によって、参加者を変えるものは?という学芸員の仕事を体験しているシーン)
☆ところが、今回は武美の作家と芸術文化学科の教授チームとコラボして、空間デザイン、ポスターやチラシのデザイン、もちろん富士見丘キャンパス美術館の学芸員としての役割まで果たすというのである。
☆そのキックオフミーティングが行われたのだが、作品、空間、ポスター、フライヤー、言葉、行動、感情などのすべての関連性をデザイン思考するという。まず他校では体験できないだろう。
☆このデザイン思考がやがてはSTEM教育につながるというのが6年間の富士見丘の教育でもある。
(意図せず似顔絵インスタレーションが生まれた。ふだん田中先生に対し、生徒たちは信頼の気持ちをこんなに激しくは表現しないだろうが、このアート作品は、一瞬にして田中先生に対する信頼感の塊が表出。アーティストは本当にすばらしい役割を果たすと感動した)
☆武美でのレポートは、とても興味深いものになるが、何せ本物の作品が多数写真に写っているので、武美の先生方に確認をとってから、21世紀型教育機構のサイトに掲載したいと思っている。しばらくお待ちいただきたい。
☆このように、小さなサイズだが、これだけ破格の教育が展開しているのだ。行列の女子校になるのも間近であろう。
☆ここまで書き上げたとき、かえつ有明の前校長石川先生から連絡がはいった。
☆「本日の学校体験に参加しましたが、いい教育をしていると思います。会場はいっぱいでしたよ。先生方のポテンシャルがすさまじい。確かに破格の教育の中身です」と興奮した様子のメール。
☆執筆活動、講演活動、コンサルティング活動で東奔西走しているが、なんといっても21世紀型教育を現場で推進してきた校長であるから、プロ中のプロ。そのプロが驚愕しているのだから、やはりすてきな学校であることに間違いない。
☆そして、「参加されている保護者の意識の高さとセンスの良さに少し嫉妬しました」と。たしかに、富士見丘を選択する受験生/保護者の意識やセンスは、大衆化した中学受験の雰囲気とはちょっと次元が違うのである。
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