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新たな動き【97】かえつ有明 ユートピア学校

☆生徒1人ひとりの問題意識を受けとめるNVC((Nonviolent Communication)という21世紀型コミュニケーションを探求しているかえつ有明の教師。そして生徒。

☆現在の問題を引き起こしている根本は、コミュニケーションの在り方。ハーバーマス流儀で言えば、戦略的コミュニケーションが、生のコミュニケーションを追いやっているところにある。

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(中3はサイエンス科で、ディベートという戦略的コミュニケーションを体験してみる。それによって、生のコミュニケーションを守る糸口も見いだす)

☆戦略的コミュニケーションは、VC(Violent Communication)と紙一重である。そのことを知り、いかにしてNVCで、生のコミュニケーションを保守できるかを追究している学校がかえつ有明である。

☆生徒募集、大学進学実績というのは、それ自体では善でも悪でもない。しかし、どうしても戦略的コミュニケーションになりがちで、優勝劣敗という強迫観念がうまれやすい。VCが忍び込みやすいのである。

☆人間は、一方で動物であるから、自己保存の本能もある。しかし、もう一方で人間であるから、自己保存の本能の限界を超えて欲望を増大してしまう。

☆GDP的な発想はそこにあったが、ここにきて、その限界がきている。それでもGDPの成長をと欲求するから、歪みが世界中で起きている。ここで具体的にそれを語る必要がないほど、日常生活でも遠くの世界でも、悲しむべきひどい状況が起きている。

☆偏差値や大学進学実績でさえ、NVCで受け入れれば、それは1つのデータに過ぎなくなる。選択や意思決定のための地図の一要素にすぎない。

☆それだけがすべてであるという万能感を抱く必要はない。この万能感もまたVCの象徴的感情であるから、NVCはそうならないように、対人関係を形成していく。

☆コミュニケーションが行われている場で、NVCとVCの差異を見いだすには、研ぎ澄まされた感覚と豊かな感性とどこまでも探求していく知性のトレーニングが必要である。

☆一方通行講義は、そのほとんどがVCだと言っても過言ではない。この授業スタイルの20世紀型教育が、格差増大経済社会を造ってきたわけであるから、論より証拠だろう。

☆それゆえ、かえつ有明は、NVCをベースにする授業、つまりアクティブラーニングや哲学授業を学内全体に浸透させようと動いている。

☆「知のプロジェクト」は、着々とかえつ有明流儀のNCベースのアクティブラーニングのプロトタイプをつくる壮大な研究・研修を行っている。

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(宿泊合宿で、かえつ有明の授業を分析し、プロトタイプを構造化する探究も着々)

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☆NVCの学校とは、ユートピアだと言われるかもしれない。20世紀型教育のVCがはびこる教育から見たらそうだろう。しかし、今生徒が欲しているのはNVCだ。社会にでて、戦略的コミュニケーションに打ち砕かれないNVCの柔らかいそれでいて強い盾をつくり、逆に戦略的コミュニケーションの変容を迫るNVCの言葉の力を養うことがいかに重要か。そのことに反対する知識人はもはやいまい。

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※「クリエイティブスコア(CS」の基準については、「学校選択のための評価のメガネを磨く<10>クリエイティブスコア①」をご覧ください。

☆このようなユートピア学校のクリエイティブスコア(CS)を出してみると、やはり工学院、海城と同レベルで、教育の質の豊かな学校であるという結果になった。当然と言えば当然であるが、VCなきユートピア学校かえつ有明の存在に気づいた受験生は幸いだと思う。

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