夏の私学経営研究会に想う learning by thinking code
☆一般財団法人東京私立中学高等協会・東京私学教育研究所主催の「私学経営研究会(教頭部会)2016年7月28日~30日」で、ワークショップの講師の機会を頂いた。テーマは「多様なアクティブ・ラーニングの読み方使い方」。
☆2020年大学入試改革に伴う学習指導要領改訂の教育改革の中で前面に出てきた授業システムであるが、一体これは何者であるのかよくわからないのが現状だし、そのスタイルも、目的も多種多様で、これがアクティブ・ラーニングだと特定しにくい。
☆つまり、幼児が犬と猫の違いが認識できるように、あるいは人工知能が犬と猫を認識できるように、今までの授業とアクティブ・ラーニングの違いが認識できる内的基準あるいは社会的基準ができていないのが現状。
☆新しいものが誕生する場合、それを支えるあるいは形成する規範=パラダイムが、古いものとどう違うのか認識できるあるいは判断できる基準を探求し、デザインすることが今求められている。
☆それを、アクティブ・ラーニングの場合、「思考コード」と呼んでいる。パラダイムがあるからこそ制度設計ができる。なにより、その制度設計の信頼性・正当性・妥当性をチェックできる。もちろん、パラダイムを「思考コード」が適切に表象しているかどうか、その信頼性・正当性・妥当性もクリティカルチェックする必要がある。
(この流れをワークショップでまずは体験。indirectな問いとdirectな問いの差異について、議論の中で気づきがあった)
☆では、どうやってクリティカルチェックするのか?それは対話をしながら思考する以外にない。では、その対話とは?その思考とは?全くメビウスの輪ではないか。
(アクティブラーニングのプロトタイプを体験後、アクティブラーニングのスタイルの座標系をシェア。このスタイルの学び行為は慶応大学の井庭先生のラーニングパターン40を紹介)
☆しかし、だからこそ、その規範がデヒコンストラクションされて、パラダイムの転換史がある。つまり、制度設計の破壊的創造。歴史は進化するのか終末の一途をたどるのか。すべては、このメビウスの輪に興味と関心を示し、その変化を見通すビジョンをシェアする対話と思考にかかっている。
(多様な学びのスタイルやパターンの組み合わせで、生徒の好奇心・オープンマインド・問いは生まれてくる可能性が大きくなる。しかし、もっと多くの生徒がジャンプできるようになるには、思考コード=思考のスキル×思考のレベルの意識と仕掛けが重要。この体験をするワークショップは、議論が深まった。解はないからスッキリせず、モヤ感でいっぱいになったかもしれない。)
(「深い」の基準を意識する。そうしないと、LOTで深まっている感覚に襲われて、結局浅いアクティブラーニングを行っていることに気づかない。浅いか深いかどちらがよいかではなく、いまここで生徒にとってどちらを選ぶか認識することが重要)
☆アクティブ・ラーニングは、そんな新しい対話と思考を生み出す授業のパラダイムを背景に生み出しつつある。その種を開花するのか捨てるのか。あるいは、種が十分に花開くのか、その環境や条件を最適にするにはいかにしたら可能かについてどこまでも徹底して対話し思考していけるのかどうか。
☆教頭先生方と、目先の経営・運営をマネジメントしなければならない現実の中で、一瞬ではあるが、遠くに配視し、議論をする時間を共有できたと思う。
(アクティブラーニングをスタイルで分類するだけではなく、思考コードのあるなしと正解到達型のローリスクな問いを投げかけるか知識創造型のハイリスクな問いを投げかけるか、それが問題だ。これは結構、重大な選択。)
☆アクティブ・ラーニングを見切る座標軸=思考コードは、子供の未来を拓く座標軸でもあらんことを。
☆そんなことを思っていたら、夜、学びはロックンロールだというあの上田信行先生が到着。いつもは、アドバイザーチームのゼミの学生のみなさんが上だ先生のスーパー亜区ティラーニングをサポートするが、今回は1人で乗り込んできたので、即興的に学びのアドバイザーチームを作るにはどうしたらよいかとい話になったりした。
☆今回の研修の座長は平方校長(工学院)だったので、工学院の太田先生がなんとかしてくれるのではないかと提案したら、二つ返事でOK。早速太田先生がやってきて、まずはNHKのプロフェッショナルムービーのアプリの使い方をマスター。上田先生はサポートメンバーを1人ゲット。私はICTよりカメラマンを志望し、俯瞰側に回ることにした。
☆実は学びの仕掛けづくりは、ワークショップが始まる前に仕込みがあるものだが、あのエンターテイメントで爆発する上田先生のプログラム作りのバックステージに少し潜入できたのはラッキーだった。明日は楽しみと、私は自分の出番は終わっていたので、すやすや眠りについてしまったが、上田先生の仕込みは朝方4時まで続き。はやくも8時にはワークショップの空間づくりを再開されていた。さすがは、パッションベーストラーニングだ。
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