アクティブラーニングの創り方のメモ(1)プロトタイプとリファインが基本
☆私立学校の先生方とアクティブラーニング(私の場合は「クリエイティブラーニング」が中心だけど)を創ったり、研修をしたり、そんな機会を頂いているので、気づいたことをメモ書きして共有できたらと思っている。
☆ほぼ毎日のように連絡を取り合っている先生方もいるし、毎週のようにワークショップをいっしょにやっている先生方もいる。月に2回ぐらいはいっしょに学んでいる先生方もいる。年に1度とか、おそらく一生に1度という先生方もいる。もしかしたら近未来いっしょに取り組むかもしれない先生方もいる。
☆実際に会って対話したりワークショップをやったりして気づいたことはその場で互いにリアルアプローチでリフレクションするけれど、シャワーを浴びているときとか、夢の中でふと気づくことがある。それをメモっておけば、もしかしたら何かの役に立つかもしれない。もともとこの「ホンマノオト」は、メモのつもりで書いているから、あまり代わり映えはしないのだが。
☆まず、先生方とアクティブラーニング創りにとりかかるときに、大切にしているのは、今先生方が取り組んでいる授業の中にアクティブラーニングが潜在的にあることを共有することである。
☆何でもいいから問題を投げかけて、それを活用してどういう授業展開するか対話をしたり、ここ数年結構好評なのは「7分間授業づくり」。
☆そして、そのあと、今話した内容や7分間授業を体験した後に、みんなでリフレクションをする。そのとき、最初のころは「ブルーム型のタキソノミー」を使ってみる。使っているうちにその学校オリジナルの「思考コード」を先生方はつくりたくなる。すでに創ってしまっている学校もある。
☆このタキソノミーは、思考のレベルと思考のスキルで成り立っているので、どこまでのレベルの授業だったか、どういう思考スキルを活用したかを分析するわけだ。
☆そうそうこの話し合うチームは、私の場合はプロジェクトチームを創ってもらうことにしている。このチームが学習する組織になるように、最初は急がず、序破急のテンポで進んでいくことにしている。
☆最初この「序」の部分で信頼関係ができると実にパワフルな学習する組織になって、3つのポリシーに魂がふくらんで、生徒募集も進路実績にも波及していくのだが、「序」の部分で、本間さんは教えてくれない人だ(たしかに教えない。教えても結実するものは何もないからであるし、そんな力はない。)と信頼関係がなかなか築けない場合は、学習する組織ができず、形だけになってしまうことがある。
☆それでも、まずは型なので、そこは型が破れるのを待つわけだが、それを待ってもらえないときもある。待てば海路の日和ありというので、それでも待ち続ける。
☆とにかく、アクティブラーニングは、現在先生方が取り組んでいる授業の中にこそヒントがあるのである。その暗黙知を先生方と共有できると、魂が共鳴音を響かせることになる。
☆もちろん、この響きは繊細だから、ちょっとしたことで途絶えることもしばしば。また最初からやり直しというときもある。もちろん、やり直しさせてもらえないときもあるが。
☆よくアクティブラーニングは、知識注入型ではなく、知識を活用することだと言われ、自分の授業は知識注入型ですよという先生もいる。しかし、実際に授業を見学に行くと、そういう自己認識をしている先生だからだと思うが、問答形式になっっていて、比較や因果関係、カテゴライズをきちんと生徒に整理させているケースが多い。
☆比較や因果関係、カテゴライズを知識を注入させながら行っている。これって、ちゃんと「比較、因果関係、カテゴライズ」のhowを生徒と共有して、知識というwhatを注入している授業。
☆ただその先生は、「比較、因果関係、カテゴライズ」をhowだと意識して問いかけているわけではない。5W1Hの一環として当然のことにすぎないと思っている。
☆しかし、それを意識して生徒に知識から逆算するように問いかけていくと、思考のスキルが前面にでてくる。
☆未知の出来事い遭遇したとき、その出来事が何であるのか理解するときに、この思考のスキルが生徒と共有されていれば、生徒は、その出来事を「比較、因果関係、カテゴライズ」のhowを活用して理解しはじめる。
☆もしも、ここまでその先生と話し合えれば、あとは教師と生徒の問答の一部を生徒と生徒の問答にパワーシフトするリスクをとればよいだけだ。
☆しかし、ここは結構勇気がいる。そこでプロジェクトチームという学習する組織が出番となる。ちょっとジャンプすればよいのだが、それができている同僚の授業を見たり励まされたり、みんで実験してみたりができるからだ。
☆それに学習する組織は、自己マスタリーが重要な要件だから、夏休みの期間などに、外部の研修に参加する挑戦もしたりする。同僚といっしょにいってリフレクションしながらやるのもよいし、そのような研修会で同じような苦労をしている他校の先生方と意見交換もできて、ジャンプしてみる勇気がでてくるものである。
☆そんなこんなで、ブルーム型のタキソノミーという「仮の思考コード」を基準に、アクティラーニングのプロトタイプができてくる。できたらさっそくチャレンジ。プロジェクトチームのメンバーに授業を見てもらい、リフレクションして、さらにリファインしてブラッシュアップしていく。
☆このプロトタイプづくり→チャレンジ→リフレクション→リファインのスパイラルが回転し始めると、学習する組織としてのプロジェクトチームはクリエイティブマインドセットがされ自信と勇気が生まれてくる。
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