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海城の数学 事象の概念化

☆海城のサイトを開いて感動した。今年行われた「数学科リレー講座」の記事が掲載されていたが、新モンゴル高校数学科科長のダシュバット先生をゲストに迎え、「カタラン数」と呼ばれる組み合わせ論で重要な数を軸に据えて講義が行われたというのだ。

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☆中学生対象の夏の講座のようだが、現象や事象に共通する数のルールというかコードを発見する体験を学んでいるのである。

☆「ダビンチ・コード」でおなじみのフィボナッチ数列や自然現象や美的感覚の暗号である黄金比。日本文化だとどうやら白銀比となるらしいけれど、何気なく見ている自然現象や事象が一定のリズムでできていることに気づく概念化の体験は、数学的なものの見方・考え方の基本中の基本。

☆カタラン数も角のへこんでいない n+2 角形を三角形に分割する総数やn+1 チームによるトーナメントの試合の仕方の総数など身近な事象の暗号コードである。

☆大学受験勉強だけやっていたとしたら、こんな素敵な体験はできないだろうが、このような数学的体験を中学の内に積み上げて行って、高校で高次数学を行っていくというのが海城の数学科の思想なのだろう。

☆このような数学的発想こそが、創造的思考そのものであり、生徒が発見する未来のイノベーションにつながるだろう。

☆それに、「カタラン数はベルギーの数学者ウジェーヌ・カタランの名をとって付けられたものですが,実はモンゴル人数学者であるミャンガットの名前をとってミャンガット数と名付けられるべきものだという説もあります」とある。

☆それで、新モンゴル高校数学科科長のダシュバット先生をお招きしたわけだ。しかも、通訳は新モンゴル高校卒業生で国費留学生のエルデムベルグ氏だというのだ。

☆数学的概念生成とグローバルな発想という国際バカロレア的なプログラムのマインドセットがなされるようにプログラムはデザインされている。さすがである。海城らしい本物の学びの真骨頂がここにはある。

☆ところで、このような学びは、偏差値が高い生徒が入学する海城だからできるのだろうか。いや具体的なものから抽象的な発想や概念を見いだし、逆にその概念を具現化する新しい事象を生成することは、すべての子どもたちが体験しなければならない学びである。

☆偏差値の高い低いの境界線を持ち出すのは、偏差値の使い方を誤っている。そんな境界線を軽やかに乗り越えていく学校のモデルが海城学園だと捉えられるかどうかが肝要である。これもまた数学的発想。

世間はこの具体物から抽象化、抽象から具体化という発想のダイナミズムを従来型の学校で経験してこなかったのかもしれない。それでは、未来を創ることは危ぶまれるのではないだろうか。

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