大変動の通奏低音が響く(6)社会的インパクト
☆工学院の21世紀型教育改革の社会的インパクトは、三田国際同様轟いていて、海外での人気も高い。シンガポールの現地校や日本人学校で、工学院のPBL型アクティブラーニングの模擬授業を所望されるほど。聞けば、10月にも招かれているという。
☆このインパクトはしかし、学外ばかりではなく、学内にも化学反応を起こしている。研修の内製化が着々と進み学習する組織が教師と生徒の間で生まれている。今年の夏など、破格の数の先生方が多くの生徒と海外で共に学んでいることにそれは顕れている。そして、モチベーションの高い若い先生や優れた先生方が、磁石に吸いつけられるように集まってきてもいる。
☆もちろん、当初は改革のパラドクスもあった。しかしそれを乗り越え、花開いているのだ。今後がますます楽しみである。
☆独自の21世紀型教育を行っている立教女学院も興味深いブースの壁。礼拝とパイプオルガンと実験のシーンが掲げられていた。このどこが、21世紀型教育なのか?と思われる方もいるかもしれない。
☆今、国連が中心となって世界中でグローバルゴールズを掲げ、なんとか解決しようという動きになっている。とくに、放っておくと予測不能な事態が生まれると、2030年までになんとかしようとマインドセットされている。
☆2020年大学入試改革の話も、2030年に向けての準備なのだ。そのゴールの1つに高い質の教育をというがある。これは、AIに代表されるSTEM領域の仕事につながる21世紀型スキルを身に付けることを意味している。
☆しかも、最近ではアートが極めて解決の手段や表現として有効であると認識され、STEM教育からSTEAM教育にシフトしている。スタンフォド大学では、このSTEAM教育とデザイン思考を統合させて新しい学びをシリコンバレーで実践しているが、そのSTEAM×デザイン思考の知が富士見丘を拠点に21世紀型教育を実践している学校で共有され始めている。立教女学院もその例外ではない。
☆思考力テストをはじめ、21世紀型教育のプロトタイプを2009年に最初に作ったのはかえつ有明。前石川校長のもとで、帰国生教育、アクティブラーニング、ケンブリッジ研修、アート、サイエンス科、プロジェクト科など21世紀型教育を牽引する種を育ててきた。
☆そして石川先生が去られた後も、その種を開花させる先生方の努力で、21世紀型教育や22世紀型教育という枠を超える普遍的教育の挑戦が行われている。
☆その新たなインパクトが社会に与えるタイミングはもう少し後だが、驚くべき動きがでてくるはずだ。そのビジョンを直感的に感じる高感度センサーの持ち主が集まっている。逆に言えば、高感度なセンサーを持っている受験生/保護者がこんなにもいる時代になったのだということではないか。
☆そうそうこのインパクトであるが、工学院にしても立教女学院にしてもかえつ有明にしても、強烈なところは、次々と生み出される教育イノベーションというところにある。来春、それぞれまた新手の教育イノベーションを繰り広る予定だということである。
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