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海陽学園 暗黙知としてのリベラルアーツの現代化浸透 Beyond ICT

☆10年前に創設された海陽学園。JR東海やトヨタなどのグローバル企業が経営サポートをする全寮制の私立学校。こう書くと、今では、日本版IBの話題が広まっているということもあり、IB(国際バカロレア)機構と同様に、ガバメントや国際機関、グローバル企業などがそれぞれ有する3つの資本(金融資本・社会資本・人材資本)と連携しながら教育をデザインしているすごい学校だと認識できる保護者も多いだろう。

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(写真は同校サイトから)

☆しかしながら、学校法人1条校として、中学入試で入学できる、多くの才能者に機会が開かれていて、IB校とはまた違う独自の日本の知の結集拠点であるということもわかるだろう。

☆にもかかわらず、いわゆる進学校として認識しがちな塾歴社会は、日本のソフトパワーが生まれる拠点を生かせなくしてしまう危うさがある。

☆海陽学園当局は、21世紀型教育を標榜はしていないが、麻布や開成以上、圧倒的に21世紀型教育を実践している。麻布や開成も独特の自由観をベースにしているが、どちらかというと啓蒙思想的な次元での自由で、実生活における自由を学校全体で形成する教育は行われていない。

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(海陽の論集も、麻布に劣らず圧巻。化学グランプリ金賞受賞者、国際地学オリンピック金メダル受賞者が多数輩出されるリベラルアーツの現代化プログラムの象徴でもある)

☆ところが、海陽学園は、全寮制であり、オックスブリッジや京都大学、東大の帰国生対象の入試で求められるように、社会生活の体験を通して自由を知る学びがハウスという寮生活の中で全生徒に開かれている。

☆現代社会の閉塞状況は、社会の制度設計における規制と自由の葛藤を問題解決する最適解が定まらないところに一因がある。2030年以降は、ガウス過程でその最適解を出すAIとの競争になるのだが、限られた前提母集団からしか確率を計算できない中等教育の20世紀型数学思考では、将来子どもたちは、AIの最適解を受け入れるしかなくなる。一部の優れた数学的思考を有した人材のみがアッパー層になれる。

☆それゆえ、仕事がなくなるということなのだ。ICT技術を身につければ、仕事にありつけるというような皮相的な解決方法では、立ち行かないことを2030年に思い知って、はじめて2020年大学入試改革の意味がわかるだろう。

☆しかし、そのときは既に遅しである。AIの最適解に従属する制度設計のもとに知的基盤社会が成立して、多くの人は規律にしたがう自由というカント的なパラドクスが現実化することになろう。

☆その道をこのまま選択してよいのか?ここは私事の自己決定だから、それぞれにお任せするが、すくなくとも21世紀型教育実践校を選択するというのは、そういう社会ではなく、子どもたちが自分の意志で世界を創ることができるようになって欲しいという意志決定をしているということなのだ。

☆21世紀型教育とは何か?簡単に言えば、学問の楽しさを知る豊かな教養を予測不能な未来において使いこなすというリベラルアーツの現代化プログラムをデザインして実践する教育のことである。

☆それゆえ、自然言語と人工言語の差異の最適化を計算できる高次数学的思考が必要になる。STEAM教育やインダストリー4.0に対応するために、米国、ドイツ、英国、シンガポール、オーストラリアなど21世紀型スキルベースの教育において、ランゲージアーツとマスの2教科を最重要教科にしているのはそういうわけである。

☆海陽学園がリベラルアーツの現代化の拠点としてその真の姿を表す日も近い。

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