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工学院 eTeam 新しい生徒獲得戦略チーム

☆工学院は画期的なリーフレットを制作した。一般にこの手のリーフレットは、何をやっているか、特色ある教育の内容を紹介するものが多い。つまり、何を(what)学ぶのかということが中心。

☆しかし、今回のものは、工学院の生徒が6年間どのような思考活動の環境で成長していくのか、その学び方(how)の切り口から編集している。

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☆世の中、2020年大学入試改革に対応すべくアクティブラーニングや4技能英語をと叫んでいる割には、この改革の眼目がwhatからhowへのパラダイム転換であるということが見過ごされている。もちろん、言葉の上ではそういっているが、教育実践の場でその絵が描けていない。

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☆ところが、工学院は、3年前から本格的に21世紀型教育改革を実施し、実践を積み上げてきた。授業はPIL×PBL型アクティブラーニングを充実し、海外研修は、1ヶ月、3ヶ月、長期、インドネシアグローバルプログラム(MoG)という多彩なプログラムをすでに実施している。

☆この工学院の思考活動は、“think, make, share”(以降「TMs」と呼ぼう)のサイクルが隅々まで循環するように巧まれている。

☆そして、授業ではどうしても、論理的思考で終わるので、創造的な思考をトレーニングする場を授業以外にも設定している。

Tms
☆中学3年間で、「デザイン思考」「CAS(芸術活動、ボランティア活動、プログラミング活動など)を実施。高1では「CLIL」という学際的な英語の授業。「STEM」という理数系の授業が展開する予定。高2では「探究論文」の編集実施。

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(9月24日、25日、工学院は文化祭「夢工祭」を実施。中学の思考活動TMsの成果が披露された)

☆高1で「予定」というのは、3年間の教育改革がいよいよ来年から高1に波及していくからである。高2で行う「探究論文」については、一足先に実施。大学入学準備教育kの集大成であり、高3で本格的に大学進学に向けてトレーニングに集中するための足場になるため、先行的に行われている。

☆思考活動に関して中高6年間ないし高校3年間のプログラムをデザインして授業を展開しているところは工学院以外にない。英国、米国のエスタブリッシュな学校は、すでに思考のための思考プログラムが存在しているが、日本ではwhat中心だったために、遅れてしまった。

☆しかも、欧米のカリキュラムでは、whatを扱う思考の次元は、lower order thinking(低次思考)で、howを扱う思考の次元はhigher orde thinking(高次思考)と呼ばれている。実は日本は、この高次思考を扱ってこなかった。

☆よく思考力育成なんて昔からやっていたと言われる。しかし、正確には低次思考力の育成はやってきたが、高次思考力の育成はやってこなかったということなのだ。

☆ICTを導入して、21世紀型スキルを鍛えるシンガポール、マレーシア、オーストラリア、ニュージーランドなどの教育に、日本が遅れているのではないかと感じるという人も多いが、それは学習指導要領にはhigher order thinkingを積極的に行う項目が盛り込まれてこなかったからである。

☆今回、文科省はそのことに気づいて「主体的で対話的な深い学び」をアクティブラーニング的視点を埋め込んでやりましょうと言っているのである。しかし、低次思考と高次思考の識別をしてこなかった反省をきちんとしていないから、表現上の違いで、いままでと同じじゃんと思う人も多いのである。

☆工学院は、このままだと2020年から2030年にかけて、日本の子どもの未来は立ち行かなくなるから、そうならないように備えるために世界標準のモノサシを導入し、そこから逆算してカリキュラムマネジメントを行うことにした。

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(加藤先生の教科主任を巻き込むSNS戦略は先鋭的である)

☆そして、そのことを発信して、未来に備えたい生徒の募集をかけているのは、英語科教諭の加藤昌弘先生を中心に活動しているeTeam(enrollment strategy Team)である。一般的な広報部隊ではなく、3つのポリシーを戦略的に統合するチームである。

☆このeTeamの恐ろしく優れているのは、日本に一つしかない世界標準の学校をつくり、それを発信しなければならないという強い意志を学内に共有する活動。“Soul”の浸透がここにあるのである。

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☆工学院の立地条件は、都内に比較すれば決して良いとは言えない。しかし、その条件を好条件に転換するのがeTeamなのだ。日本に一つしかないハイクオリティな学校であれば、日本海側、中部、埼玉、神奈川、東京の拠点にシフトするのである。都心や千葉の生徒のためには、新宿から工学院附属中高への直行便を出した。山梨、群馬、静岡、埼玉、神奈川はすでに便利な交通網が存在している。

☆都心から遠いという従来の先入観を、関東から中部にまで広げれば、教育の拠点という位置づけができる。そうなるためには、唯一のハイクオリティな教育を創ることなのだ。

☆工学院の驚愕の大学実績は、2020年に出始める。大いに期待したい。

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