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1995年の通奏低音に耳を傾けよう 本日関西で21世紀型教育機構のシンポジウム行われる。

☆1995年。この年、予測不能な未来に備えることを知らせる通奏低音が大きく響き渡った。1つは地球のきしむ音。1つは科学の倫理性を問う警鐘。1つはモモ的世界構築のための遺言。

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(宮崎駿は、この建物から響くハウルの通奏低音を聴いた。)

☆自然と科学と精神のハーモニーを希求するこれらの通奏低音は、しかし今も鳴り響いているのだが、その音が聞こえないかの如く、地球はメガクライシスへ爆走し、テロは地球規模に拡散し、金を生むための金のシステムは暴走し続けている。

☆1980年頃、ミヒャエル・エンデがチューリヒの財界人が集う経済会議に招かれたとき、モモの一節である時間泥棒の話を朗読して、成長強制から解放されて、100年後の未来の話をしましょうと語りかけた。

☆しかし、財界人は眉間にしわをよせ、難しい顔をした。そして、いまここで利益のあがる有用な話以外に、この会議の目的はない。エンデの提案は無意味であると拒絶した。

☆しかし、その拒絶によって、すぐに世界経済の破たんが連鎖的に起こり、それは今も収まることをしらない。

☆今回の2020年の大学入試改革は、果たしてこの自然と科学と精神の循環を構築する改革になるのかどうかは、実はわからない。アクティブラーニングや議論の重要性が問われているのは、知識の多寡を競う、知識覇権主義からのシフトを目指すものだ。

☆だから、知識覇権主義者は、エンデを拒絶した財界人のように難しい顔をしてそんなものは役に立つのかと大柄に圧力をかけてくる。

☆それでは、ICT教育はどうなのだろう。その先にあるAIは自然環境を持続可能性に導くことはできるのだろうか。ICT業界の背景には成長強制を正義とする金融資本の暴走促進の戦略がある。

☆一方で、化石燃料に変わる人類全員が共有できる人工光合成を生み出す夢もある。金融資本主義として市場が化け物化した原因は、化石燃料奪取競争にある。この競争が無化されれば、エンデが語るパン屋でパンを買うお金と金融主義で幾何級数的に怪物になっていくお金の違いがわかる新しい資本主義が生まれる可能性もある。

☆どうやら、2020年の大学入試改革は、自然と科学と精神の循環への道も開いているが、一方でさらにその分断を強力に生み出すかもしれないという両義性をもっているのかもしれない。

☆今までの改革が成長強制の道、優勝劣敗の道のみを示唆してきたのとは確かに違う。しかし、共生と強制という諸刃の剣であることに違いはない。

☆ともすれば、強制をしかけてくる難しい顔をする灰色の男たちが力を盛り返すこともあるかもしれない。そのとき、世界は終わる。

☆かくして、2020年の大学入試改革自体、予測不能な未来を内包している。したがって、クリティカルチェックなしの改革路線便乗では、未来に備えることはできない。

☆強制ではなく共生の道を独自に歩むソフトパワーとしての21世紀型教育を創り上げることが必要だ。本日関西で、21世紀型教育機構のシンポジウムが行われる。未来に備える教育は、エンデの遺言を引き継ぐものである。その予言はすでにケインズその人も考えていたことである。カントが永遠平和で語っていたことである。ルソーが言語起源論で、ラングという強制からパロールを解き放つ警鐘をならしていたものである。

☆つまり、21世紀型教育は人類の遺産を継承するものたちのミッションなのである。

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