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2017中学入試動向(10) 豊島岡女子 伝統主義的教育の強化

リセマム 10月18日(火)10時15分配信に「【私学訪問】成長を支える“志”のバトンパス…豊島岡女子学園 竹鼻志乃校長」という興味深い記事が掲載されている。

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☆記事は、私学訪問による校長インタビューだから、学校の沿革、建学の精神までは、一般的にまとめられているが、そこから先が実におもしろい。

☆というのも、同校にとって、教師と生徒、後輩と先輩の関係は、競い合う関係ではなく、讃え合う関係だということについて詳しく書かれているからである。ここには、強力な同僚力と同窓力が描かれている。

☆たとえば、こうある。

 部活動や学校行事を通じ、クラスや学年を超えた先輩・後輩との関係、担任や教科以外の先生との関係など、学校での人とのつながりもぐっと広がり、学校生活がより充実した楽しいものになります。

 生徒たちが部活や行事に取り組む中で、当然衝突も起こります。でも、誰もが無関心なら衝突は起こらない。一生懸命やりたい、より良いものを作りたいとが皆が願うからこそぶつかり合うのです。

☆これが同校の信頼の絆であり、魂のやどる場である。そして、この絆と魂を保守する教育が伝統を築き上げていく。いわば豊島岡女子は、強力な伝統主義的教育の土台をしっかりと造りつづけているのだ。知的生産についての言説もこうある。

基礎学力についてはこれまで通り、日々の学習の積み重ねを変わらずしっかり行っていくということに尽きます。さらに豊島岡では、探求型学習の充実に積極的に取り組む過程で、思考力・判断力・表現力や協働できる力を養っていきたいと考えています。

☆要するに、知識・理解という基礎基本をまず固めてから、探究学習や国際教育を推進していきますということであり、この考え方こそ伝統主義教育の型あるいは言説である。

☆AI社会到来している今、AIそのものの是非について問われているが、その背景には、この伝統主義的教育観そのものについても問われている。それらの解答は、まだ確立されていない。

☆したがって、そんな不安的でハイリスクな教育を選択するより、安定したローリスクの豊島岡女子のような確固たる伝統主義的教育を実践し続ける学校を選択志向する価値観が、中学受験市場では70%占めている。

☆確かに、同校でも<模擬国連><探求型プロジェクト「プロフェッショナルと真剣勝負」><「Academic Day~未来を変えるための力を~」>など21世紀型スキルを学ぶ実践も行っていると記事には載っている。

☆しかし、21世紀型スキルを身に付ける方法は伝統主義的教育。つまり、優勝劣敗という一握りの富裕層や秀才の居場所の境界線を引く教育であることに変わりはない。

The2016
(豊田t工業大学は、第4次産業時代に備えてクリエイティブクラスという集合天才を輩出しようとしているのだろう)

☆もはや、21世紀生れの子どもたちが中学入試や高校入試をする時代。20世紀資本主義のパラダイムの上に21世紀型スキルを接ぎ木するのか、21世紀の新しい資本主義というパラダイム転換の足場をつくりながら、21世紀型スキルを共に学ぶのか。

☆人類の未来のバトンはどちらに受け継がれるのだろう。

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