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アサンプション国際 関西21世紀型教育改革のウネリつくる

☆10月1日(土)、アサンプション国際のキャンパスは、21世紀型教育改革の実現に向けて学院全体が動いていた。アサンプションは、小中高一斉に、校名変更、共学化、21世紀型教育改革実施に踏み切った。

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(初日出願前年対比270%の注目を浴びているアサンプション国際小学校の入試が行われた)

☆21世紀型教育改革の内容は、

①高校卒業までにC1英語(CEFR基準を英検に換算すれば1級レベル)を学ぶことになる環境を整える=英語以外の教科もイマージョンを行うクラスの設定など

②アクティブラーニング型授業の全面展開(STEM教育も含む)

③iPadなどICT教育の充実

④グローバル進路指導

☆つまり、予測不能な未来(といっても2030年、2050年というすぐそこまで迫っている)にあって、そこでたくましくman for othersの精神を基礎にして未来を創るクリエイティブシンキングの能力を身に付けられる学校になるということなのだ。

☆大学入試もこのような流れを回避できない。2020年の大学入試改革は、前倒しですでに行われ、2024年に本格化するから、来年の新入生を中心にその準備にとりかかえる。

☆前倒しというのは、4技能英語の外部試験のスコアが一定以上だと、たとえば、英語の試験を受けずに、そのスコアで代替するというようなことがすでに起こっているということを示す。程度の差はあるが、外部英語試験で代替する方法を、早稲田、立教、上智などですでに採用し始めているのはご承知の通り。

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☆その点は、今春、アサンプション国際中学校高等学校の校長に就任した江川先生は優れた手腕と人材ネットワークを持っているから、すでに準備万端。英語で哲学授業(IBでいうTOKに相当する)もできるネイティブスピーカーの教員もすでに雇用している。

☆小学校では、アクティブラーニングを全面展開できる優れた教師が揃っていて、新入生のみならず、小6までアクティブラーニングを行える研修を積み上げている。世界標準でありながらアサンプション国際小学校流儀のシステムをデザインしているのだ。

☆その実践を授業公開で保護者と共有し、ミレニアル世代の保護者と子どもたちが未来を拓く響きを聴いたのだ。それゆえ、殺到した。

☆中高の方も、研修を積み上げ、アクティブラーニングを全面展開する準備をすすめてきた。実は、今回の説明会はそのお披露目だった。中学入試で「思考力テスト」を来春新たに実施するが、その対策講座としてワークショップ形式で思考力セミナー行われた。

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☆今回の説明会の目的は、入試問題の傾向と対策である。はじめにプレゼンされた国語と算数は、いわゆるスクール形式だったのだが、思考力セミナーになるや、訪れた受験生と保護者に手伝ってもらって、ワークショップショップ形式の空間づくり体験が始まった。

☆何から何までお膳立てされた説明会ではなく、受験生も保護者も学びのデザインに参加するタイプの演出を矢萩教頭率いるプロジェクトチームは行った。

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(在校生のファシリテーターとしての活躍も見られた)

☆整然と座っていた参加者は、突然場面転換の協働作業をするので、一瞬眩暈にもにた状況になった。いったいどうなるのだろうと不安がよぎったかもしれない。

☆しかし、そう思う間もなく、「城」というキーワードから何をイメージするのか簡易マインドマップを描くSTEP1のステージがはじまった。保護者の目の前で、受験生はすぐに自由に連想する世界に没入していった。フロー状態(熱中体験の状態)というアクティブラーニングの大切なマインドセットが行われたのだ。

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(矢萩先生のパッショントーク)

☆そして、今度は、チームで情報交換することになり、次に、どんなことを連想したのかチームの代表が発表した。矢萩先生は、受験生の話を傾聴しながら、なぜ連想したと思うと問い返した。受験生なりに一生懸命考えて返答する。その姿に保護者は拍手で称賛する。

☆参加者のハートをワシヅカミするのが、アクティブラーニングの醍醐味だったのかと今更ながら感動した。

☆さらに、「城」に関する教師と生徒の学びの対話文を、同校の生徒がスタッフとして参加して、これまた演じた。対話の朗読を傾聴するというのがステップ2だった。この動から静への転換もすてきだった。

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(英語入試、社会・理科入試の説明も行われた)

☆そしていよいよステップ3。対話文の内容を理解するために、表などで整理していく。ここは教え合ってやるから、再び受験生は対話という動きに転ずる。ここでは、因果関係と順序、比較・対照という思考のスキルを活用する場である。

☆理解ができたところで、最終ステージのSTEP4.最後はやはり個人ワーク。理解したうえで、自分はどう感じたのか、何に気づいたのか、他者と自分の違いや共通点を振り返りながら、自分のものの見方考え方を見いだして、つくっていく時間。最後の200字問題は、「あなたが今から城をたてらるとしたら、どのような城を建てますか。理由もふくめて200字以内で書きましょう」という問い。

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☆実は、STEP1の連想が、ここで再び生かされる文章を書く生徒が多かった。矢萩先生率いるプロジェクトチームの予想をはるかに超える生徒の発想ぶりに、先生方も何より保護者も驚愕したに違いない。

☆城の機能や城をめぐる対人関係(権力関係)をはじめに連想して、情報交換した受験生は、それらを200字に組み込んでいる。それからやはり21世紀生まれの子どもたちである。「ハイテク」という言葉を城に結び付けて、今までにない城を創造した受験生もいた。

☆セミナー終了後、簡単に保護者に矢萩先生は説明をした。「入試問題は私たちの教育のメッセージです。知識の多寡を競う教育ではなく、思考力そのものを育成していくアクティブラーニングを展開していくという覚悟が思考力テストなのです」と。そして京大特色入試の実際の問題と思考力テストの問題を比較し、創造的思考のプロセスを同じように問いかけているシステムになっていることを明らかにした。

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(算数は思考のプロセスを丁寧に見る入試。また作図やグラフを自ら作成する思考型問題も出題される)

☆それは、暗に京都大学も当然合格できる力を授業の中で育成していくことを示していた。保護者はさっとそれを察知した。

☆それにしても、国語も算数も、最終問題は論理的思考を活用する骨太な問題が出題される。教科型テストにおいても、丁寧に考えるプロセスをみていく教師の眼差しの存在を感じる。学内全体に21世紀型教育改革のウネリが生まれていることが伝わってくる説明会だった。

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