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11月27日に向けて準備をしていて思うこと~筑駒の遊び?

☆最難関模試では41校の判定ができるのだが、それらの学校が出題する入試問題の中で、ユニークなのは麻布の入試問題。これは周知の事実。4教科とも実におもしろい。それは武蔵もそうかもしれない。桜蔭の国語もダイナミック。昔は雙葉も全教科おもしろかったが、最近は冒険はしていないようだ。開成はいわゆる難問をきっちり。そんな中で、筑駒はいつも深い。なにかにこだわりがある。

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☆受験業界的には、秀逸とかさすがとか、骨太の論理的思考力が必要とか言わなきゃならないのだろうけれど、今春の国語の問題は、どう見てもそれは無理だ。

☆例年なら、物語、論説的文章、詩が定番で、ときどき漢字の書き取り問題がぽつんと一問出題される。今春も一見するとそうなのだが、論説的文章の部分は随筆だった。

☆漢字も「リョウヤクはクチにニガし」と、カタカナの部分を漢字で書く問題。何故これなのだ?大きく一行で書きなさいという条件がついている。メッセージは何か?わかるわけがないが、この漢字をわざわざ選択しているのは、ちょっと変ではないか。

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☆随筆も、園子温さんの「死を刻む」から出題。寺山修司の「完全な死体となる」がモチーフ。一瞬一瞬生は過ぎ去り、小さな死を刻一刻と体験するわたしたち、それは「完全な死体」に向かっているのだと。その意味を問われているのだが、まさか一瞬一瞬を輝かしく生きることが、完全な死体として成就することなのだというような文脈ではあるまい。

☆与えられた園さんの随筆からだけでは、そのようには特定できない。しかも、<完全な死体になった時、「秘密」は熟す>というフレーズはどういうことなのかと問うてくるのだ!

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☆まさか、瞬間瞬間の意味を忘れずに、力いっぱい生きることが人生の成就であるなどということでもあるまい。この切り取られた限定的な随筆を論理的に読むことは不可能だ。「熟」すのだから、秘密はそのまま豊饒な次なる生命のために種に遺伝子を埋め込みながら、やはりわからないままだろう。

☆それに、木坂涼さんの「秋の砂」という詩も、ひらがなが多いから、いつもの詩の問題かと思うのは早計である。これも、ふと向こうに死が覗いているのだ。そんな海辺での海との対話であるとも読めないことはない。

☆内容ではなく、自分の思ったこと感じたことを論理的に説明できるように記述できればよいのだということだろうが、ここまで極端な問題も珍しい。今までにない問題の根源性が横たわっている。また、文学的アプローチが濃厚で、そのこだわりは、生徒像というより教師の想いが前面にあふれている。今までにないメッセージが投げられているような気がしてならない。

☆そのメッセージが具体的に何かは、残念ながらわからない。しかし、「そうじゃないんだ」という声だけは聞こえてくるような気がする。それは、私だけだろうか。

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