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11月3日首都模試「統一合判」保護者会レジュメ(7)

☆教育は、時代の影響を受けるし、また時代を先取りする領域。時代が上手く回転しているときは、その時代を維持するための教育が熟する。しかし、現在のように、なかなか脱デフレができず、特に日本のように少子高齢化が進むと、時代が次の仕組みを考えようとする。

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(時代の欲するC1英語、アクティブラーニング、ICT教育、リベラルアーツの現代化などの要素を見ていくと、学校の分類分けができ、そこを志望する人数を推計していくと、ざっくり上記のように、首都圏私立中高一貫校の分類分けができる)

☆今はまさにそういう局面であるから、今度は新しい教育が、新しい技術を生み出す人材輩出のために乗り出す。時代は、未来を創る人材を欲する。そういう時代だからこそ、その人材輩出に最も近い私立中高一貫校も変わらざるを得ない。

☆2020年、2030年に向けて時代が大きく変わろうとしていることは、おそらくメディアが毎日のように報道しているので、了解可能である。しかし、だからといって、すべての人が改革派になるわけではない。

☆時代は変わらないと高をくくっている人もいる。保守派が存在するのは世の常だし、その意思決定は私事の自己決定で、正解はない。そして、そのようなとき中庸をとって修正派も当然存在する。

☆首都圏模試の「統一合判」が集計する志望校数のデータや説明会情報、各学校のサイト、ホンマノオトのアクセス数などみて、今年注目を浴びている私立中高一貫校は、100強ある。それを保守派、修正派、改革派に分けてみた。

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☆保守派の学校は、首都圏の私立中高一貫校全体の35%を占めているが、上記の注目校のリストは他に比べ少ない。やはり保守派であるがゆえに、注目度は相対的に低くなる。

☆また、保守派の中で高偏差値の学校は、ほとんどがSAPIXがカバーするので、中学入試市場のの17%のプレイヤーの中での競争になってしまい、偏りが生じているのが現状。その中では注目を浴びているので、保守派の学校は、外の動きは問題視しない。

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(今年の注目校の中で、10月の「統一合判」の志望者数の前年対比がプラスになった学校に印をつけてみた)

☆ところが、そこに危機を持つ学校は、新潮流もきちんとリサーチし、変わる時はいつでも変われる準備をしている。そこが修正派のゆえんである。

☆一方、新潮流を明確に意識し、あるいは新潮流を創出する(市場創出しか閉塞状況を抜けられないことは資本主義の基本的な考え方。私立学校は公立学校と違い、市場の原理にも目配りせざるを得ない)ことを目的とし、改革を断行する学校もある。

☆麻布のように、もともと幕末から明治にシフトする大激動期にできた学校は、その字だからずっと改革派であるという無意識のうちに改革の火をともしている悠然とした学校もあるが、たいていは、なんらかの手をうっている。

☆麻布に関しては、SAPIX以外の三模試の人気も高く、そういう意味では市場が凍てつかない普遍の教育を心がけていることが功を奏しているのかもしれない。

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☆注目校の中で、大激変する学校もある。ICTやアクティブラーニングスペースのリフォーム、C1英語の充実など相当ハードルを上げる学校は、上記の表のとおり。

☆また、このような改革が、中学入試の多様化を生み出してもいる。しかも、時代の大きな変わり目の入試改革は、手続き的な改革だけではなく、入試問題というソフトパワーそのものの新しい開発につながっている。

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☆そのソフトパワーについて考えるイベントが「新入試体験私立中コラボフェスタ」。実はこのようなイベントはどこにもない。本邦初の挑戦である。今はまだまだ気づかれていないが、時代を読むには、この新入試のソフトパワーに注目することが第一歩。ここに子どもの未来の飛躍のヒントがある。

☆海城、城北、工学院、富士見丘、八雲学園、文化学園大学杉並、東京女子学園、和洋九段女子は、受験業界人も想定以上の質的大変化を起こす。もちろん、受験業界が大好きな大学合格実績もきちんと目配りしている。

☆文化学園大学杉並が大改革をおこなって開設したダブルディプロマクラスの生徒の大学模擬試験の英語の平均偏差値が71を超える実績は、大学合格実績に直結する実績。

☆もちろん、同校の教育はそれが目的ではないが、受験業界に大改革の成功可能性を証明するためには、このようなスコアは役に立つだろう。

☆ちなみに、次のような超改革派の教育を行う「超改革派学校」は、中学入試市場全体の7%シェア。この学校がどこなのか?を考えることは、併願校を最終的に決める時の大きなヒントになるだろう。

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☆中学入試において重要なことは、学校選択は私事の自己決定であり、その決定をするために情報収集し、時代を見据えながら家庭でじっくり対話をすることなのである。

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