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2017中学入試動向(34) 品川女学院の人気の理由と違和感

☆品川女子学院は、11月の首都模試「統一合判」の志望者総数前年対比は103%。人気は堅調といったところか。漆校長とはセミナーやシンポジウムですれ違うことがある。教育改革派のお立場で、キーワードは、STEAMとか21世紀型スキルとかアクティブラーニングとかSGHとか私と共通するものがいっぱいある。なるほど人気があるのは当然だ。

☆しかし、こんなに共感を感じない方も珍しいとずっと違和感をもっていた。もちろん漆校長の方もそうだろう。というよりも、NO LOGOの私のことはどうでもよいだろう。

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2015年設立の「21世紀学び研究所」は、学校というより社会人1人ひとりのための組織)

☆ただ、私としては、キーワードが重なるのに違いを感じるのはなぜだろうというのは気になる。2011年に21世紀型教育機構前身の21世紀型教育を創る会をの立ち上げにかかわった私には、同じようなキーワードを掲げているのに、何が違うのだろうという疑問は、民主主義にもいろいろな考え方があるように、おそらく違う21世紀型〇〇なのだろうから、きっちり認識しておくのは、重要だと思っている。

☆そんな違和感を持っていたのだが、上記サイトでその違いが明らかになった。漆校長は、2015年に設立された「21世紀学び研究所」の理事だったのだ。

☆この研究所と21世紀型教育機構は理念が全く違う。どちらも21世紀型学びを標榜しているし、MITのピーター・センゲの「学習する組織」も参考にしている。

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(21世紀型教育機構は、2011年発足した21世紀型教を創る会が進化した団体。2016年9月19日設立シンポジウムを開催した。)

☆しかし、前者は現状の経済ベースの企業と家庭と学校と社会のサイクルの中で21世紀型学びをやろうとしている。

☆ところが、21世紀型教育機構は、企業も家庭も学校も社会も21世紀型システムに移行することを予想しながらも、どうなるかわからない予測不能な未来で子どもたちがサバイバルできる知を育成しようとしている。

☆つまり、漆先生が品川女子学院にマクドナルドなどを連れてきて企業と連携するとき、その企業の時間泥棒的要素は考慮しない。つまりミヒャエル・エンデやケインズが目指したお金がお金が生む経済政治社会ではなく、人間の根源的な存在を支援する自然・社会・精神の循環経済構築のために21世紀型学びを活用するわけではない。

☆20世紀型格差社会の中に入っていったときに、高ストレスになるだろうから、それを回避できる心理学的スキルを身に付けたり、そのピラミッド社会で椅子取りゲームの勝者になれる21世紀型学びをしようということだろう。

☆だから、SGHなどをやって一見改革派に見えるのだが、現状の社会問題を根本的に解決するのではなく、自分にふりかかえる火の粉を払いのけることが本位だったのである。だから、校長ブログで国家を支えるリーダーを育成するという表現になる。

☆もちろん、この現実志向はあってよいのだ。現実主義的な学校選択も大いにありだ。ただ、漆校長の考える21世紀学びは、20世紀社会の問題を修正しながら生きていくというキャリアデザイン。

☆21世紀型教育機構は、20世紀社会が21世紀社会にパラダイム転換する時代の狭間で、サバイブしながら、新しい未来を創っていくことができる才能者を輩出するというキャリアデザイン。

☆どちらの流れを選択するかは、もちろん私事の自己決定である。

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