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2030年教育動向(06)株式会社メイツが知のアルゴリズムで教育を変える

☆昨夜、高田馬場の「個別指導塾WAYS」と「進学塾メイツ」を訪ねた。両方とも株式会社メイツが経営する。エレベーターの入り口があくと、代表取締役の遠藤尚範氏と副社長COOの伊藤史弥氏が笑顔でようこそと。若き経営者の自然体のホスピタリティがすぐに身に染みた。

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☆訪ねてみたいと思ったきかっけは、今月7日、御茶ノ水ソラシティ で行われた「私塾界リーダーズフォーラム 教育ICTカンファレンス」のパネラー遠藤氏の話を聞いて、21世紀型教育3.0の大きなヒントがあると予感したからだ。

☆結論から言うと、大いに的中。

☆この塾の特徴は、株式会社メイツのサイトをご覧いただければすぐにわかるが、タブレットを入り口にサイバースペースで教育2.0を実現するというビジョンを突き進んでいる。

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(左から伊藤氏、遠藤氏)

☆教育1.0における塾経営は、教務という教材編集ソフトパワーがあって、試験でその教材コンテンツの定着度を測定評価するというサイクルだった。採点評価システムというエンジニアリングは隠されたまま。

☆しかし、株式会社メイツは、教材は教材会社や学校のコンテンツを活用し、ソフトパワーは、そのコンテンツを子どもが学ぶアルゴリズムをサイバースペースで見える化するエンジニアリング。

☆しかも、そのエンジニアリングは、教育1.0では公開されないものであったのだが、メイツでは子どもたちと共有する。どうやってか?学びのアルゴリズムをタブレットを通して体験できるし、なんといってもプログラミング教室を開催し、エンジニアリングそのものを共有してしまう。

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(渋谷教室で実施したプログラミングワークショップの様子を、これもタブレットで紹介していただいた。)

☆つまり、教材というWhatを主力商品とするのではなく、エンジニアリングという、もっといえば知のアルゴリズムというHowをソフトパワーとしているのだ。What(教育1.0)からHow(教育2.0)へというパラダイム転換をやってのけている。

☆遠藤氏も伊藤氏も、早稲田の創造理工学部出身(遠藤氏はビジネスのメジャーも学んでいる)で、学生時代からの起業だということだから、そういいうことなのだろう。

☆2020年大学入試改革について、あれこれ言われているが、簡単に言ってしまえば、STEAM教育がメインストリーム。メイツで学ぶ教育そのものではないか。でも、STEMならわかるが、A=ARTは?それもちゃんとあるのである。

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☆株式会社メイツが経営している2タイプの塾には、決定的に共通しているところがある。それは上記写真のように、生徒1人につき1枚のホワイトボードが提供されているということ。

☆なぜこれが、ARTなのか?STEAM教育におけるARTは何も芸術家になるというWhatが重要なのではない。デザイン思考というHowが要。デザイン思考の出発点は、手を第二の脳とすること。シリコンバレーでは、俯瞰する鳥の目と現場のニーズを察知する虫の目を大事にし、それをいつでもどこでもさっと描けるようにあらゆる壁という壁がホワイトボードになっている。

☆今トレンドのアクティブラーニングもICTと全面ホワイトボードという空間が欠かせないという同じコンセプトが、生徒1人ひとりにマインドセットされている。

☆現状、進学塾メイツでは、高校入試がメイン。多くの高校入試は首都圏模試センターの思考コードでいえば、A1A2B1。

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☆つまり、アルゴリズムがそれほど複雑ではない。それゆえ、タブレットに問題解決のアルゴリズムが埋め込まれ、生徒はそこに解答を打ち込むと、どのように解決の過程をたどるかが示される。その手順に沿って考えていって、躓いたところで、講師に質問する。この手順や優先順位決定、質問の絞り込みこそ、最近接発達領域を明らかにしていく過程で、メイツで学力アップする理由はここにあるのだろう。この自分の解決していく手順を自ら見える化できる作業は教育1.0では全くできてこなかった。

☆一方、個別指導WAYSは、主に私立学校の中高生の学びの場となっていて、テキストも進度もバラバラ。「思考コード」によれば、A3B2B3C1。それゆえ、アルゴリズムは複雑になり、ここから先は教師なしのディープラーニングを行うAIの出番となるだろうから、そこまではまだ。しかし、いずれ、バージョンアップするだろう。

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☆今は、タブレットを生徒が活用するのではなく、講師がそのつどタブレットに生徒の学習状況や問題解決の特色など学習履歴をインプットしていき、生徒の思考の強み弱みを把握できるシステムになっている。

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☆もちろん、学習マネジメントだけではなく、入室時間やどのくらいの時間没頭して学んでいたかを見守るのもエンジニアリングで行っている。

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(入退室もタブレットで)

☆知識、論理、クリエイティビティ、そして大きな声で教え込む教師は存在せず、エンジニアリングのサポートで、学びや思考や未来創造の環境を生み出しているのが、株式会社メイツの教育2.0の特色だと感じた。

☆机と椅子とホワイトボードとタブレットという小さなリアルスペースではあるが、無限のサイバースペースを拠点に学ぶことができる。

☆学校&教育関連法規を改正しなければ、このような新しい学びのスペースを学校は運営できない。この制度設計を創造的に破壊する教育イノベーションがここにはある。

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(早稲田大学サイトから)

☆塾と学校は違う!とおっしゃるだろうか。遠藤氏と伊藤氏の学びの背景には、上記のような学際的な発想が根付いていると思う。現状の学校では到底無理な発想だ(もちろん、工学院のような超21世紀型教育の学校は例外的だが)。そんなのは大学に行ってからやればよいとお思いだろうか?

☆でも、メイツは中高生とともにこの発想を共有してしまっている。時代は明らかに変わるのだ。



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