学校が変わらざるを得ない理由 ミレニアル世代の影響
☆というのは、革新主義や新革新主義の学校では、実質その組織を動かしている教師チームはミレニアル世代であり、その世代をコントロールするのではなくマネジメントしている校長・教頭がいるのである。
(写真3)
☆新革新主義の学校の一例でわかりやすいのは、工学院大学附属中高だ。写真①では、イノベーションチームのリーダーシップ研修で岡部先生がファシリテーションしているが、岡部先生はプレ・ミレニアル世代。新人類世代とも言われているが、団塊・断層世代とは真逆の世代。グローバル、ICT浸透の初期段階の世代で、ピラミッド型組織からフラット組織への移行を牽引したが、団塊・断層世代の壁は厚かった。
☆ところが、その2世代あとのミレニアル世代は、団塊・断層世代が各組織の中心から退く時期の世代がゆえに、新人類世代の想いを現実化できる環境が整っている。
☆写真②は、ミレニアル世代の太田先生が、同じリーダーシップ研修で質的リサーチの情報共有をしているが、写真①と重ねることで、新人類世代とミレニアル世代が共に工学院の革新路線を強化していることがわかる。
☆この路線を進めることができるのは、写真③のように、ミーティングの最中に現れた平方校長の手腕による。ミレニアル世代である高橋一也先生(今では世界TOP10入りしている超有名グローバル教師で、前文科大臣と会ったり、菅官房長官に呼ばれたりと大忙しだ)を教頭職に就け、イノベーションチームをミレニアル世代に運営させつつ、新人類世代で企業でも活躍していた教師をメンターとして配置している。
☆写真④は、同研修最中に、平方校長が差し入れとして提供したものだが、クリエイティビティだけではなくホスピタリティの重要性を自ら行動で示している。
☆平方校長自身は団塊・断層の世代であるが、アーティストであるがゆえに、常に革新的な発想を持っている。ある意味思想だ。理想追求の闘争をずっと続けてきた。しかし、ここにきて思想というより生活そのものが、平方校長の思想にマッチングする世代が出現した。それがミレニアル世代だ。
☆待遇、快適環境、個人の才能重視、ケアの精神など共感することが多いのだろう。それゆえ、工学院は革新路線を歩める。
☆そして、実は受験生の保護者が、着々とミレニアル世代に移行しようとしているのだ。つまり、これからの教育は団塊・断層世代のように、まず国のためではないのだ。まず個人のためである、その徹底がman for othersとなり、国や社会に貢献することになるという価値意識を大切にすることが肝要。
☆これはある意味、J.J.ルソーの自己尊重とあわみの情の理想的な統合の実現ということでもある。私立学校が≪私学の系譜≫といわれるゆえんは、ここにある。自己尊重と憐みの情の統合とは、昨今の言葉では「共感」に置き換えられる。
☆ミレニアル世代の保護者が共感する学校。それは、学校もミレニアル世代の教師が運営する学校である。そしてその世代が欲する環境は対話である。もちろん、それはNVCという抑圧亡き=ホスピタリティに満ちた対話であることが肝心。
☆そんな学校は、説明するまでもなく、革新的にならざるを得ないであろう。そして、この環境を創っているもう一つのモデル校は三田国際である。ミレニアル世代の田中先生が学内の共感組織をまとめあげ、その組織を巧みにマネジメントしているのが、言うまでもないが、大橋学園長である。
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