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2016年12月ホンマノオト「アクセスランキング」ベスト100 ③

☆ランキング100位内の中に、「学校選択情報」は8つの記事しかないが、このうち5つ(63%)はベスト10に入っている。12月という時期は、個々の学校の情報はもちろん気になるが、やはり俯瞰して情報を確認し、併願戦略の最終的な詰めをしようということなのだろう。

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1:12月4日首都圏模試保護者会レジュメ
2:2017中学入試動向(51)11月注目校!
3:2017中学入試動向(77)クリエイティブスコアの高い学校
5:2017中学入試動向(63) 来年時代を善い方向に牽引する私立中学校。
6:2017中学入試動向(50)学校分類と思考コード
51:併願志向性の分析 女子[02] 鴎友・洗足・頌栄・共立・大妻・立教女学院...
80:併願志向性の分析 女子[01] 桜蔭・JG・雙葉・フェリス
97:2017中学入試動向(23) 穎明館人気 八王子エリアの攻防戦激化の予想...

☆この記事の中で、私立中高一貫校全体の動向を知るうえで、貴重な情報は、実は97位の「2017中学入試動向(23) 穎明館人気 八王子エリアの攻防戦激化の予想」である。

☆受験生全体にとっては、一見都下の一部の話である。しかし、ここにこそ、未来を選択する重要なテーマが噴出しているところはないのである。

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☆東京都教育委員会の調べによると、平成27年の小学校6年生の数は、93,988名。そのうち私立中学に進学したのは、15,937名で、シェアは17%。東京都の私立中学の定員は25,000人を超えるから、いかに首都圏全域から生徒を募集しなければ東京都の私立中学は経営が成り立たないかがわかる。

☆しかしながら、経営の創意工夫の熱さは、東西に広い東京都にあっては、エリアで随分差異がある。

☆たとえば、大人気の三田国際の立地エリアである世田谷区の私立中学進学率は、33%だ。平均シェアのほぼ倍。このエリアで成功するには、もちろんこの住民の教育ニーズに応えることであり、そのマッチングにおいて最適化しできたのは三田国際ただ一人である。それゆえ、人気が急上昇しているわけだが、だからといって、三田国際のようでなければ生徒は集まらないかと言えば、そうではない。

☆だから、世田谷区エリアにおいて、三田国際のような先鋭的な21世紀型教育は例外であり、突出した部分はおいておいて、他で選択しようという感覚になっているという見方も否めない。それゆえ、世田谷区エリア全体ではほどよい改革が全体を支配している。もちろん、これがユデガエルになる可能性が大きいことは言うまでもない。

☆一方八王子は、小学生人口そのものは、全体の5%で、世田谷区6%に比べてそれほど変わらない。しかし、私立中学進学率は7%で、極端に低い。

☆それゆえ、鮮明に先鋭的な21世紀型教育校である工学院と修正的21世紀型教育校である明大中野八王子と20世紀型教育校である穎明館と八王子(21世紀型教育を謳ってはいるが)の火花が散っているのである。

☆高校入試は、まだ20世紀型教育が支配しているから、そこでは工学院は単純に先鋭的21世紀型教育を打ち出すわけにはいかない。それゆえ、創意工夫が半端じゃない。

☆一見すると、三田国際とは全く違う21世紀型教育路線を歩んでいるかのようだ。しかし、それは違う、受験生のニーズのマッチングを最適化しようという点では同じであり、この行為こそが21世紀型教育の真骨頂。もちろん、創意工夫をしなければならない点で、三田国際とは違う苦労が山積している。

☆しかし、それがハイパー不確実性の時代のエネルギーとなる。いわば修正派と保守派に囲まれ、その中でいかなる21世紀型教育をデザインいていくのか。この難問を乗り越えようとする平方校長と教師陣の創意工夫の歴史こそ、未来を拓く日本の教育の1つのプロトタイプである。

☆三田国際は、2017年度が最後の高校入試で、2018年からは中学入試だけになる。帰国生については別だろうが、これで純潔の21世紀型教育生徒が誕生することになる。つまり、自分を変えたい、もっと成長したいという自覚がある生徒が受験してくる。

☆一方で工学院は、もともとハイブリッド改革で、先鋭的な21世紀型教育生徒を育成しつつ、20世紀型教育生徒も受け入れつつ、偏差値ベルカーブを突き破る冪数を生み出す飛躍的才能開発によって、20世紀型教育生徒の潜在的才能を覚醒する。つまり、高校においては、自分を変えたいと思う生徒とそういう意識がまだ明確でない生徒の両方が受験してくる。

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☆2017年は中学の先鋭的な21世紀型教育改革は完成する(ここでは、自分を変えたいと自覚している生徒がたしかに多い)。そしていよいよ高校1年生は、21世紀型教育と20世紀型教育のハイブリッド改革を行う。この2つの流れが遭遇することでいかなる化学反応が生まれるのだろうか。

☆私立中学進学率の低いエリア、保守派と修正派の学校群に取り囲まれたエリア、高校入試は依然20世紀型教育が支配しているエリア、同じ東京都でも、逆境の重なり度合が半端jではない立地だからこそ、工学院の21世紀型教育改革×ハイブリッド改革は価値がある。

☆荒れ地の中で活路を見いだす志集団に大きな期待と希望が膨らむ。

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