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2017中学入試動向(57) 洗足・青稜・栄東・都市大等々力/鴎友

☆12月2日の夕刊フジは、安田賢治氏(大学通信の情報調査・編集部ゼネラルマネジャー)の「合格実績が伸びている中高一貫校ランク トップは昨年5位から躍進洗足学園」という記事を掲載している。

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☆首都圏305学習塾の塾長、教室長へのアンケートによる「最近、合格実績が伸びている中高一貫校」ランクから紹介ている。

☆トップは5年連続の青稜と昨年の5位から躍進した洗足学園。3位は昨年の34位から浮上した栄東。4位は東京都市大等々力で昨年の21位からの躍進ということだ。

☆これらの学校の合格実績躍進の背景について、安田氏は次のように述べる。

大手塾の入試担当者は「伸びる学校に共通しているのは、朝から晩まで勉強漬けではないこと。勉強だけでは学力の伸びは限界があり、部活動や行事などをバランス良く取り組み、結果として生徒の学力が伸びている」という。

☆ここにこれらの学校が、大学合格実績競争のスパイラルから超越できるヒントがある。実はこの部活動や行事に取り組む活動の中にプロジェクトベースの学びのシステムが埋め込まれている。いわゆるアクティブラーニングというもの。

☆これをふだんの授業の中に活用すると、ある意味、朝から晩まで勉強漬けできる。授業も部活も行事も、ワクワクするような内発的な動機付けで探究活動が行われるようになるからだ。

☆おそらく洗足はある時期までこれに挑戦しようとしていた。しかし、どうしても大学合格実績の価値を重視する保護者が洗足を選ぶ傾向にあり、一部の理解ある保護者の子弟有志が集って、模擬国連や海外研修を行う傾向にあり、それが学内に広がらなかった。

☆結果が結果が生み、その過程を因習化するパラドクス。大学に合格するからよいじゃないかという話は確かにそうである。「洗足」マインドとは、しかし損得勘定ではなくハイパーポピュリズムでもなく、自らを犠牲にして世に貢献する精神である。

☆建学の精神は美しい額に飾られ、いまがよければそれでよいという空気が流れだすと、それはそれで困ったことになる。

☆かといって、大学合格実績を無視できない。青稜、栄東、都市大等々力は、プロテスタンティズムではないから、そこで悩む必要はない。シンプルに大学合格実績至上主義で行ける。中学受験の大衆化とははある意味大学合格実績至上主義を意味する。

☆しかし、キリスト教主義の学校は聖光のように「東大依存型学校」と言い切りユダとして存続することができるが、そんな決断はなかなか難しい。

☆洗足の本質は、この葛藤にある。おそらく解決しないだろう。しかし、そこをエネルギーにできる学校であるのが、前述の他の3校と大きく違うところだ。ある意味、この葛藤を抱きつつも、同時に解決のステージを上げているのが鴎友学園女子である。

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