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今の子どもは、2030年学習指導要領ができあがるまで待てない。

☆昨日21日、中教審は、次期学習指導要領の答申を提出した。各紙で大きく取り上げられているが、2013年に教育再生実行会議が発足して以来議論されてきたこと以上の内容ではない。

☆そのころ21世紀型教育機構(当時「21会」)が想定していた流れとも大きくずれていない。次期学習指導要領を「グローバル」学習指導要領と呼んでいたが、だいたいそんなところだろう。

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☆だがしかし、私たちは、先んじてグローバル教育を構築して実践することによって、グローバル教育の次のフェーズが見えてしまった。

☆なぜかというと、グローバル教育のジレンマを生みだす元凶強欲資本主義もようやく次のパラダイム転換を果たす局面を迎えつつあるからだ。

☆強欲資本主義という理不尽な世界にあってサバイブするには、日本人はどうしても高度な英語が必要だし、議論できる言語力が必要だ。だからCEFRやアクティブラーニングというキーワードが闊歩するようになったのである。

☆しかし、一方で国連が持続可能な開発を達成するためにグローバルゴールズを採択せざるを得ないほど、強欲資本主義の最後のあがきを世界中が感じるようになった。

☆この英語教育とアクティブラーニング、およびICT教育は強欲資本主義が生み出した世界的な格差を生み出すジレンマを回避することができないどころか強化してしまう。

☆知識偏重の教育をやっていたら、日本そのものが世界の格差社会の被害を被るから、一握りでもよいから、格差社会で勝ち組としてサバイブしなければならない悲しき「グローバル」学習指導要領なのである。公立中高一貫校や進学重点公立高校などは、この使命をすでに帯びている。今後は日本語IB校がそれに続く。

☆しかし、唯一の希望は「探究」というキーワードで思考力、中でも≪higher order thinking≫を育成する機会が埋め込まれたことだ。

☆まだまだ明確ではないが、学習指導要領改訂の過程の議論では、思考が「浅い思考」と「深い思考」に分けられるまでになった。従来のものは、浅い思考レベルだった。リーディングリテラシーを「読解力」と合法的誤訳をせざるを得なかったのは、従来の学習指導要領では、浅い思考までしかカバーしていなかったし、教科縦割りのカリキュラムだったから、リーディングリテラシーの世話を焼く教科は国語しかなかったのである。

☆それに比べれば、今回の学習指導要領は≪higher order thinking≫の埋め込みに尽力しているところが最大の評価ポイントなのである。

☆優れた沈黙の文部官僚がいて、彼は2030年の改訂につながるように、あの手この手で「探究」というネーミングで埋め込もうとしている。その念願成就のためには、英語力のハードルをあげる試みをした。4技能と言いながら、実際にはCEFR基準という言語=思考という欧米のロゴス中心主義を埋め込み、≪higher order thinking≫を日本語でもやらざるを得ないようにした。

☆また世界的なプログラミング教育をテコに、自然言語でも≪higher order thinking≫をやらざるを得ないようにした。

☆さらに、日本語IBやSGH認定によって、≪higher order thinking≫の探究科目を当たり前の授業の在り方にした。

☆極めつけは、2020年大学入試改革で、論述記述式問題の大量導入を仕掛けた。東京オリンピックがあるから、このグローバル学習指導要領の流れは渡りに船だった。しかも、タイミングよく2015年のPISAのリーディングリテラシーのスコアが下がってくれた。

☆これによって、2030年から2045年におこると想定されているAI社会の隆盛に対応する学びを準備することができるのだと。

☆つまり、グローバル学習指導要領の次のシナリオは、創造的才能学習指導要領へと進化する。そのとき強欲資本主義は創造的資本主義にシフトしている。教育と経済は表裏一体だからだ。

☆だがしかし、AI社会の隆盛は、もう2018年から起こる。その準備もIT業界ではかなり充実してきた。今の子どもにとって、創造的才能学習指導要領の改訂を2030年まで悠長にまっている時間はない。

☆それゆえ、私立学校と民間は俊敏に動かざるを得ないのである。AI社会に飲み込まれないようにメタディープラーニングを開発する試みが私立中学入試の「思考力入試」という場で行われている。ここに「思考コード」と「ICT」のコンビネーションがやがて新たな局面を生み出すのだが、そのメタ基準をデザインするのはあくまで人間。

☆また本間は何か言っているぞと叱られるかもしれない。しかし、グローバル学習指導要領の予想をしていた2011年から2013年ぐらいまで、やはり何を言っているのかわからないと言われてきた。

☆今回もおそらく同じだろう。2030年になったら、2016年あたりに本間はそんなことを言っていたということになろう。ただ、今度はもうそれを天で(地獄かもしれないが)確認するという事態になっているやもしれない。

☆それゆえ、今20代から40代までの世代といっしょに仕事を積極的に始めている。その世代は、私の言うことはもはや当たり前で、「しょぼい」といって微笑まれる。嘲笑しないところが愛がある。素敵じゃないか。時代はすでに変わっているのだ。

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