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2030年教育動向(07)思考力・判断力・表現力そのものが変わる!

☆関西の香里ヌヴェール学院の中高の先生方や小学校の荒川校長と対話をして、先生方の思考力・判断力・表現力の何かが急速に変わっていると感じた。アクティブラーニングの実践とその振り返りの方法に思考コードを媒介させるという話がメインだったのだが、当然そこにはタブレットも媒介項となる。いったい何が変わるというのだろうか。

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(香里ヌヴェール学院中高の先生方の研修シーン)

☆そんなことを考えながら、関西から戻ってきて、富士見丘の中1のアカデミックスキル基礎講座のアクティブラーニング授業に立ち寄った。

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(富士見丘美濃部先生は、アクティブラーニングにiPadを媒介させ、生徒と創造的思考をつくりあげていく)

☆スモーキーマウンテンの写真を教師も生徒もiPadで共有し、自分が何を感じ、何を考えるのかを、個人ワークを行ったり、ディスカッションしながら創っていく授業だった。

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☆その授業シーンを見ながら、スモーキーマウンテンがいかなるものか、その事実については、生徒は検索しながら理解する。すると、自分が感じたことや考えたことと違いがあることに気づく。そのことを話し合うと違いや共通点が明らかになっていく。

☆この何気ない、理解→違和感→感動→ディスカッション→発見→世界の痛みや喜びにダイレクトにつながるというような思考や判断、表現の過程が、3分とか5分とかで進んでいく。目の前で起こっていることが、いつものシーンなのだ。富士見丘では。しかし、これは今までの学びとは全く違うのではないだろうか。

☆従来は、どれだけ、理解の部分に長大な時間をかけ、そこに自分の感じたことも考えたことも交えない、事実の理解の時間だけが流れたことだろうか。その積み重ねが、思考とは、客観事実を把握するだけで、判断は、主観を排除するという話で終わり、表現は、正確に事実を映し出すだけで終わっていた。

☆新たな発想や主観の中にこそ新たな客観があるという判断、自分軸の表現というのは、一握りのポジションをゲットした人のみが語ってきた。

☆これは、どうやら「理解」の枠は越境され始めているということだろう。しかし、それだけではない。iPadなどのタブレットの媒介がone to oneになることで、子どもたちが世界にダイレクトに結びつく。

☆次に移動しなくてはならなかったので、お暇しようとすると、教育参与の大島先生が、玄関まで送って下さった。長い廊下を歩きながら、大島先生とやはり哲学教室は大切ですねと。そうなんだよね、世界に瞬時にダイレクトに結びついてしまうから、アカデミックスキル基礎講座で大切にしているCritical Thinkingを身に付けないと、たとえば、ハイパーポピュリズムに簡単に流されてしまう。

☆かといって、従来通り閉ざされた教科書領域だけで授業をやっていると、身近に迫っている世界やその世界が不確実性を内包してることに気づかないまま卒業してしまう。それはむしろ危険なんですよ。

☆でも、そのCritical Thinkingをどう育てるのですか。今回のアクティブラーニングでもその育成の意図が明快ですが、実践という点では十分かどうか。

☆もちろん、十分でないね。だから、フィールドワークや様々な大学や大学院生と連携するプログラムも開発している。ただ、しかし、たんにサイバースペースとリアルスペースの両方を設定したというだけの単純なことじゃないんですよ。

☆結局、その両方をつなぐメタ認知ということですか。

☆そう急ぐものじゃあない。本間さんも言っている哲学というものの重要性で、メタ認知というようなパーツの話ではないことはあなたが知っていることでしょう。

☆その通りなんです。でも、哲学というとやはりソクラティックメソッドで十分じゃないかと。

☆そうそう、それでよいと思う。そのソクラテス的な対話が、さあ哲学教室やるぞではなくて、美濃部先生の授業で行われているディスカッションの中やフィールドワークや高大連携において外部の方々と対話するとき反映していればよいわけですよ。

☆しかし、そのソクラテス対話のプロトタイプや種はいつどこでですか?

☆う~む。教科というわけではないから。なるほど、本間さんはそういう意図ね。考えてみるよ。また明日よろしく。

☆というような対話のあと、富士見丘から、今度は工学院に移動した。移動途中、首都圏模試センターの山下氏と中学入試の新たな動きをやはり今までとは違う発想で創っていく話を簡単にメールをやりとり。something new!。やはり何かが変わる。

☆時同じくして、石川学院長からもメール。ヌヴェールの今朝のブログありがとう。今から札幌のカトリック校に行ってくる。講演やら対話やらで、明日は札幌から21世紀型教育機構のミーティングに行くよと。やはり、何かが変わる。something new!が、石川先生を誘っているのだろう。

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☆そうこうしているうちに、工学院の太田先生からfacebookでメッセージ。終わっちゃいますよオと。なんて素敵なことだろう。アグレッシブ!なと感動しながら、顔だけ出しますと返信。

☆プロジェクトチームのスペースを覗いたら、すでに太田先生を中心にプロジェクトメンバーが教員全体研修を終えていて、リフレクションミーティングと来年度の展望について確認し合っているところだった。

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☆「思考コード」やPBLの実践、浸透、概念化、データ化、新たな戦略、多肢にわたっていたが、当たり前のようにiPadは先生方が携帯し、活用している。終了後、太田先生と加藤先生と、工学院の先生方にとっては当たり前になってしまったことが、他と比べると相当変化しているということがあるが、それは何だろうという話をした。3人衆の1人田中先生は、イングリッシュキャンプのしおりづくりでホッチキスを持って向こうの部屋で作業。ふだんiPadを手にしているのに、そこにものづくり道具が。どこかおもしろかった。

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☆高橋一也先生が、昨年MoGのインドネシアプログラムのフィールドワーク体験をした生徒が、上智大学に合格したんですよと立ち寄った。英語力はもちろんだけれど、学習ポートフォリオはこれからますます重要になってくると一瞬話をして、すぐに保護者面談に戻っていった。

☆ここにもsomething newがあふれている。情報交換とか理解を深めるとかそういう話はすでにメールの世界で行われ、対話の中心は、何を行うか何を創るか、いついつまでに仕掛けるか。もちろん、すべてスチューデント・ファーストの話だ。

☆そうそう、太田先生方とのメールは、もはや事実確認のレベルを超えている。発想のやりとりとその実現方法、評価のやりとりレベル。さてどうしようという話はまったくない。創造的問題解決。

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☆そして、今やはりここにきて太田先生は書物の世界に没入。教科書を超えると、そこにはいきなり世界問題に生徒と共に直面するからだ。また一方でおもしろいのは、大学入試問題の中に合格という実用的なテーマと実はそのテーマが大学の先生方の研究の最前線が背景にある場合があるという実用と世界問題の一挙両得の話があるので、それを活用したいという話を高橋一也先生も参入して話したりもした。なぜかふと気づくと風のように高橋先生はやってきていて、すぐに戻っていくのであったが。

☆そんな対話を楽しんでいる間、メールの方には株式会社メイツの伊藤史弥氏からアドバイスが入っていた。社長の遠藤氏もそうだが、伊藤氏も思考方法、判断方法、表現方法が従来のモノとは全く違う。必ずアプリやソフトが媒介項としてそこにある。軽やかにそれで、データ変換する。それ以前にこちらの話を見事にシンプルにカテゴライズというかコーディングしてデータ化ししてしまう。

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☆そして、それを見ながら次の展開が必然的に生まれるが、その俊敏さに追いつけない自分がいる。彼らが賢いのだというとそれで終わってしまうが、そのギャップが今までにないsomething newなのだと思う。

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☆突然、高橋一也先生がやってきて、次の打ち合わせ場所に移動する間、1時間あるので、途中でピザ食べながらミーティングしましょうと誘われるままに工学院を後にした。

☆なるほど、大変化だ。そういうアイデアを工学院の先生方と実行しているのかと感動した。たしかに、工学院は、大学のメイカーズスペースもICT人材である教授陣もつないでいる。また、多くの先生方が外部の勉強会やセミナーで知り合った人材を学校につなげている。もちろん、ソフトパワーを学び持ち帰っている。

☆しかし、これは工学院メインの話ではなく、外にとってもよき影響がある。Win・Winというやつ。第1段階は、なるほどこれで日本の教育は変わる。しかし、高橋一也先生は、第2段階も考えている。それは私も少しはお手伝いできる。しかし、さらなる第3段階のお話しは、もう私は生きていないかもしれない。でも第3段階に進む準備をこの3年間でお手伝いしたいとは強く思った。

☆そなことを自分で自分を確かめるように思いながら、高橋先生と分かれて電車に乗ろうとしたら、とある有名米国IT会社の日本人スタッフから電話。ホームでしばらく寒さも忘れて話をした。日本の教師とタブレットの活用の方法や浸透度やSGHの授業の変化の展望などあれこれ。コーディングや≪higher order thinking≫、STEAM教育の広がりの可能性。可能にするには結局ICTなのだが、株式会社メイツの例は共有していたので、そこをベースに対話。まあ、私では役に立たないと思うほど、多肢にわたった。いったいどれがどういうビジネスにつながるのか私にはわからなかったが、ここにもsomething newがあるのだけは確信した。

☆電車の中で、今日の21世紀型教育機構のミーティングの資料を整理しながら、このsomething newを共有することができるかどうか、リフレクションした。首都圏模試センター、株式会社メイツ、(株)スタディエクステンション、JOBA、FlipSilverliningの皆さまからアドバイスもいただいている。これをどう実現に転換できるか。もっとも私がどうのこうのということではないので、今まで同様なるようになるはず。ただ、何かが大きく変わる局面なのに、それを具体的イメージしきれていない。そこを今後つめていきたいが、時間があまりないなあ。

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☆そう感じながら、帰宅して、家族のアートシーンの話題に少し参加して、学校で田中先生と話すことができなかったので、電話をしてみたら、すぐに出てくれて、いろいろ対話をした。やはり、舞台とバックヤードの新たな関係がポイントなのだ。株式会社メイツに相談に乗ってもらっている話もそれだなあと結びついた。授業やイベントを舞台とすると、今までとは違う異次元の量と質の準備が加速度的に増えるのだ。

☆それをこなさないと、自然体で授業やイベントが成立しない。かといって異次元の量と質を今までと同じやり方でこなしていたなら追いつかない。この変革のパラドクスの根源はこのバックヤードに隠れていた。

☆田中先生が今突破しようとしているのはまさにそこなんですねと共鳴共感。

☆世の中アクティブラーニングだとかタブレットだとか言っていても、クラスという舞台で行われている部分しかみていない。そこでどんな順序でスタイルでパターンを組み合わせるのかといっても、何も解決しない。

☆工学院が思考コードを授業に持ち出すということは、ある意味舞台とバックヤードの垣根を取っ払うことも意味する。そしてコーディングはICTを媒介にするしかないのだが、今までの成績処理システムや学習管理システムではカバーしきれない部分がたくさんでてくる。しかも柔軟で変幻自在。これにどう対応するか。

☆ここに学びの隠れたsomething newがある。ここのアイデアが生まれれば突破口は開かれる。そんなことを思いながら、まずはイングリッシュキャンプ気を付けつつ楽しんでくださいと電話を切った。

☆「学びの隠れた分断線」これを共有しないと、どんなにすてきなアイデアもきれいごとなのだ。理想と現実はかい離したまま。ところが、この隠れた分断線を突破できたら理想即現実ということになる。もちろん、それには時間がかかる。しかしやらざるを得ない。

☆そう思いつつ次の瞬間に爆睡してしまった。早朝目覚めると「おーいねているのかあ!忘年会仕事はいてしまった^^;。また連絡する。おつかれ~。」とメッセージが友人から。いずこも仕事・仕事・・・。不景気と格差と仕事量・・・。

☆どう世界を新しいスコープで切り取るのか朦朧として、メールをあけると、海陽の柴田先生から、12 月 10 日、葛西敬之理事長の特別講義があって、そのとき引用された親鸞の言葉を贈ると。

「明日ありと 思う心の仇桜 夜半に嵐の 吹かぬものかは」

☆あまりのタイミングに目が開いた。世界はかくして阿吽の呼吸かな。であれば、すべて世はこともなしなのだが。

☆あっ!昨日、工学院の福田先生が全体教員研修で国語のアクティブラーニングのプロトタイプのワークショップを実施。大好評だったという。福田先生が、本間さんにも見てもらいたっかよーと。こんな嬉しいワクワクする招待状を受けとらないわけにはいかない。今度、実際の授業見に行きます!

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☆ぜひ、中原中也を共有させていただきたいと。詩や芸術を大切にできる美学を哲学することができる教師の存在。これがsomething newと結びついたとき・・・と思うと、ワクワクしてくる。今日のミーティングでそんな何かが生まれることを明日ありと思うことのない永年の瞬間の思いで臨みたい。

P.S.

☆このブログの書き込みを終えて、メールを開いたら、株式会社メイツの伊藤史弥氏から、さっそくこうアドバイスがあった。

教育をアップデートし続ける仕組みを作っていくことを目指す弊社にとって俊敏力、試行錯誤回数が強みなのです。・・・・・・教育現場に入り、そこで得た知見を元に素早く開発を進め、何度も試して修正することが必要と考えております。
☆まさにそこが突破口だと書いたばかり・・・。俊敏力に脱帽。この俊敏力は、まさに親鸞の心性にも通じる。時代は確かに変わる。

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