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香里ヌヴェール学院の21世紀型教育改革

☆今年3月から香里ヌヴェール学院の改革は始まり、序破急の勢いで進んだ。校名を変更し、中高は共学校化するというだけでもインパクトがあった。改革リーダーの高橋博先生(カトリック連合会会長)は、理事会を説得し、校長をはじめとする学内の教師、保護者と対話をして、改革の旗を掲げた。すさまじい気概と意志の力の持ち主だ。私たちの間では改革の天才と呼ばれているのもうなづける。

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(香里ヌヴェール学院中高のプロジェクトチームの研修シーン)

☆そして、改革は教育というソフトパワーの改革でもあるから、21世紀型教育改革を押し進めるという意志決定をし、本間も手伝えということになった。21世紀型教育とは何か?アクティブラーニングとは何か?問いの構造とは何か?学びのスタイルとかパターンってなんだ?

☆なぜ、それがゴールデンルールに通じ、グローバルゴールズにつながるのか?大きな問題に取り組んだと思ったら、急に紙コップから思考力の次元を高めるプログラムつくりだとか、学びの渦巻きの中に先生方は巻き込まれ、最初先が見えないまま突き進んだ。

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(議論しながら共有する考え方を見える化するプロジェクトチーム)

☆21世紀型教育改革は、学びや21世紀型スキルを道具化するのではなく、そこで生徒一人ひとりのかけがえのない存在が多重知能を豊かに広げ深めていくところにある。そしてその存在は、何より世界の痛みを感じ、突破する力と高邁な精神と勇気を抱く。これを生み出すには、先生方自身が、生徒と教師の生徒と教師による生徒と教師のための学習する組織を稼働させなければならない。

☆しかし、学習する組織は持続可能性が重要で、そのためには、強烈な意志と忍耐と理想を語り続ける経営リーダーチームが必要だ。ところが、高橋博先生は、全国のカトリック校を飛び回っているから、いまここで必要というときに、校長、教頭の傍にいないときが多い。

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(香里ヌヴェール学院中高の教員全体研修。問いそのものの重要度について語り合っているシーン)

☆そこで、夏くらいから石川学院長の就任の動きが起こり、秋からそれが実現した。これで、トップダウンとボトムアップの循環が回転し始めた。入試に思考力入試を取り入れることによって、21世紀型教育のプロトタイプを共有する動きが電撃的に始まったのもこの時期だ。

☆月に一度、ヌヴェール学院と同時にコラボレートしながら21世紀型教育を改革するアサンプション国際の小中校の校長・教頭・広報との合同戦略会議も設置された。

☆改革の成就には、高い理想と意志の果てしない確認とマーケティング戦略と現場の教育実践が三位一体となる必要がある。両校の改革リーダー高橋博先生を中心に、互いに隠れたプロフィールをどんどん明らかにし、理想を実現する具体的な方法をイメージし、軌道修正しながら、進んだ。

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☆最初は、どうしてもコラボレーションといいながら本当の問題に互いに触れないように表面的なポジティブな情報交換が多かったが、何が問題なのかそこから逃げずにつかもうという覚悟が共有されるようになっていった。

☆表面的に明るく振舞いやる気を出しても、U理論の中にある逆Uカーブを描くことは、高橋先生も石川先生も江川先生も分かっていたから、あくまで、Uカーブを描くように、粘り強く話し合った。どうしても毒を吐かなければならないときは、外部の私が猛烈に吐き出した。

☆聖書の中にある、あなたがたは冷たくも熱くもないから吐き出してしまおうという強烈な会議になるときもあった。石川先生は、相変わらずこの時期になると、本間さんは毒を吐くねえと。私はフグですか?いいやありがとうということですよ。わかっていますよ。と長い付き合いの阿吽の呼吸が、どこかホッとする年末。

☆また、今年初め、大阪エリアでは、21世紀型教育そのものが広まっていなかった。そのため、経営企画室課長の高谷先生は、高橋先生を担ぎ出して、メディアとタフな交渉をして、布教活動に奔走した。その活動力と広報手腕に脱帽。戦略会議では、細心の注意を払った分析的データと大胆な広報戦略を説いた。

☆両校は、21世紀型教育プロジェクトチームと全体研修という多重構造の学習する組織になっている。そんな中、香里ヌヴェール学院では、プロジェクトチームのメンバーは必要性に応じて柔軟に入れ変わったり、増えたりした。タイトルリーダーばかりではなくナチュラルリーダーも急速に増えてきた。

☆すでに小学校受験は終わり、お受験における21世紀型教育改革は成功。今は1月の中高の入試に向けて、学内では緻密な準備が行われているが、それと同時に、来年新中1、高1を迎えるに当たり、学内は、実際に21世紀型教育を実行する準備でアドレナリンにみなぎっている。

☆先日2日間、プロジェクトチームと教員全体研修が行われた。すでにプロジェクトチームの先生方がナチュラルリーダーとして動き始めていて、ファイシリテーターとして学内の協働性を高めているが、岡目八目ということもあるので、私も参加した。

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☆9ヶ月経って、アクティブラーニングとは何か?思考コードの必要性とは?コンピテンシーの大切さとは?ゴールデンルールと授業の結びつき、つまり、社会の問題の重要度をいかに生徒と共感し共有するのか?最近接発達領域発見のコツとは?などなど決定論的な罠に陥らず、量子力学のように確率論的になんであるか実感を抱いている先生方の姿勢がくっきりと映し出されていた。ここまで来るのに、相当石川学院長と対話を重ね激論を交わしてきたのだろう。その痕跡が随所にみられた。

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☆帰り際、思考力入試チームのリーダー森畑先生が、決定論に陥りがちな私たちですが、そこに向かわないように、悩み続けています。正解が1つではないのはわかっているのですが、最適解を見つけてホッとしたと思ったら、次の道がまた開けてしまうのです。永遠の瞬間が無限に続く感覚ですと見送ってくれた。

☆改革というのは、結局人間の存在とは何か引き受ける果敢な覚悟を決めた人材がどれだけ生まれ、周りを巻き込むのかにかかっている。改めてそう感じ入りながら、先生方の苦労が実るようにエントランスを見守っているマリア像に祈った。

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