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2017年中学入試直前情報【12】神奈川私立中高一貫校を乗り越える勢い 県立高校の改革

★昨日7日(土)、横浜市開港記念会館講堂で開催された「県立高校におけるグローバル教育説明会」に参加した。予想以上に2030年に向けて、県立高校の改革が進んでいるのに驚いた。

★神奈川エリアの中学入試市場がここ数年低迷している。それは続くデフレ経済の影響なのであるが、単純に学費がかかるかからないからという理由で、公立を選択するというのではないことが実感できたのである。

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★国際バカロレア認定推進校である横浜国際の話がメインかと思ったが、どうもそうではなかった。1学年25名のためだけに、このようなイベントを開催するはずがないから、当然と言えば当然であるが、明快にこのIBのディプロマの研究を県をあげて行い、そのエッセンスを推進校以外にも広めていくという話なのだ。

★2019年実施を目的にしているから、まずは2020年大学入試改革にむけて県立高校の14項目の改革をIBのディプロマのエッセンスを浸透させつつ行っていくという計画だ。

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★要するに14項目あっても、ICTやアクティブラーニング、IB型の思考力は全体に広め循環させるフローチャートループが出来上がっているのである。

★これによって、私立中高一貫校は、聖光の工藤校長が日経の出世ナビで「東大依存型学校でいく」といった東大合格実績で競争できる私学以外は、お金を払ってまで、私学に通わせる価値があるかどうか比較衡量されることになる。

★早慶上智などは、県立高校も私学と差がないほど合格させられる高校があるから、やはり「y東大依存型」でなければという工藤校長の合理的目的的戦略は理解できないこともないが、問題はそれ以外の教育の質で県立高校と競争できる私立学校が神奈川県にどれくらいあるかということである。

★県立高校は、21世紀型スキルをカリキュラムに織り込んでいくのは当たり前のようだから、20世紀型教育でよいのだといっている私立学校の場合、東大以外で違いを出すことができない。

★それゆえ、このままでは、神奈川県の私立中高一貫校の50%は、県立高校の教育の質で優位に立つことができなくなる。

★横浜サイエンスフロンティアや横浜国際のような特別な学校でなくても、理数教育に力を入れたりグローバル教育に力を入れたりし、最初はモデル校だけだが、そのモデルケースを全体に広めていくという計画に各私立学校が独自の戦略でどのように対応していけるかが重要ということなのだ。

★東大、早慶などに毎年きちんと入れているところと聖園女学院や横浜女学院、清泉のように本質的な学びやグローバル教育に挑戦しているところは競争的に優位に立てるだろうが、東大はでないけれどMARCHは出している進学校は県立高校と比較して高いお金を出す価値があるかどうかはやがて深刻になるだろう。

★東京、埼玉、千葉エリアは、大学合格実績も21世紀型教育も二兎追う学校がずいぶん増えて、私学が選ばれるケースは、神奈川に比較して多い。むしろ、埼玉は私学ががんばっていて、昌平のように大転換している私学もでてきた。

★もちろん、改革のプランがそう簡単に実現するかというとそうでないことはわかるが、多様な子どもたちが通う公立学校の改革プランがうまくいかないことを期待して私立学校が動かないという判断をするのは、本筋の話なのかどうか。。。

★私立も公立も子どもの未来にとって何が必要なのか考え、その教育の質で大いに競争するほうがよいのではないかと思う。

★いずれにしても、グローバルだとかアクティブラーニングだとかで、東大ははいるのかというような愚かなクレイムをつけるのはやめて、子どもにとっていまここで大事なことは何かというところから教育を創り上げて行きたいものである。一市民としてそう思うのだ。

★ところで、東大の長谷川寿一教授が基調講演で、東大推薦入試の問いの創り方はIBのディプロマの質を当然意識して作成していると語っていた。

★また、今回のイベント全体で、IBはたしかに世界で最も優れたプログラムであることが一貫して確認されていたが、IBの歴史の中での役割も変化してきたこともそれとなく示唆していた。

★誇らしげにIBのディプロマは大学の学部レベルを超えるほど充実しており、その勉強量は半端じゃないのだと。

★しかし、それは、未来の子どものためのカリキュラムとして合理性や最適化ができなくなってきているということもパラドキシカルに語っているということに演者の方々は気づかれていないようだった。

★IBのディプロマを取得すると特典がたくさんあるという話も、公平性という観点から今後問題をはらんでいるかもしれないリスクも感じた。

★何にしても、これは最高であり絶対的優位を持っているのだという当事者が感じはじめるや、そのシステムは時代遅れになるというパラドクスをIBは超えられるのかという局面にぶつかっていることも確かなようだ。だから日本語IBという発想もでてくるのだ。

★結局、IBは時代が変わっても、その国に高度で信頼できる教育システムができていないから、必要だったのである。これがIBの本質的な理想であり、その国の独自かつ普遍的な教育システムを設計するサポートをするものではなかった。

★ところが、神奈川県は、それを逆利用して、IBの教育のエッセンスに学び、独自路線を形成しようという覚悟。県をあげてこんなことをしようなんて。神奈川県においては、自治体の動向はあっぱれであり、≪私学の系譜≫のお株をとられているように思うのは私だけなのだろうか。

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