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2030年教育動向(14)海陽学園 普遍的本質教育の追究

★海陽学園の中学入試は終わり、あとは入学者を待つばかりである。そして、現在進行形は6年生(高3)の大学入試への挑戦。おそらく手ごたえを感じているので、今は先生方はこの点に関しては寡黙である。生徒の身体と頭脳のコンディションを本番に合わせて最適化しようとひたすら見守っている。

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★昨年秋から月に一度、海陽学園は、「2020年大学入試改革に対応する授業」というテーマで、中島先生による「校長勉強会」が開かれている。

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★素材は、原則、東大推薦入試、京大特色入試の各学部の入試問題。というのは、2020年大学入試問題の現状で最適なモデルとして想定している。実際、私も東大の長谷川寿一教授が、IBの考え方のエッセンスを意識して作問していると語っていたのを聞いたことがある。

★2020年の大学入試改革で重視しているのは、IB型の思考力に近いという意味だったと記憶している。

★勉強会は、まずは、その入試問題をチームに分かれて分析し、ホワイトボード模造紙にまとめて、プレゼンをしていく。その都度、中島校長がフィードバックをしていくという流れ。

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★その流れのやりとりを聞いていて、すぐに感じるのは、一般の高校と比較して、教師のレベルが違いすぎるということだ。いわゆる東大、京大をはいじめとする難関大学出身者ばかりであるというだけではない。海外経験や大企業経験など経験値が高すぎるのだ。

★したがって、生徒と真剣に向かい合う授業は、ただ知識を覚えればよいという態度ではなく、知識の系統的学習とその背景にある探究的な姿勢の両方を重視しているし、両者の有機的な結びつきを大切にしている。というより、当然という感じなのである。

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★また、中島校長のフィードバックは、なぜ東大、京大で「哲学科」がなくなり、思想史や文化人類学などに包摂されるようになったのかなど教授時代のリアルな経験から語られるので、見学している私も目からウロコという場面が多い。

★結局、2020年大学入試改革という話題は、大学の学問的なパラダイムの変化に対しては、まだまだ表層的で、海陽学園は、もっと深層で変わっていくものを追究しているように感じられた。

★そして、おもしろいのは、このような変化に対して、システムとして、何をやるのか動いていくのではなく、そこは深層の変化の構造に先生方が気づけば、それぞれ自由闊達に自分で創意工夫して授業を展開していく自由な学風が優先しているということだ。

★教頭の加納先生や濱田先生に尋ねると、「小手先の変化を求めはしませんね。むしろ普遍的な文法とも呼べる学の構造があるのですが、それをわたしたちはまだ完全に体得していないし、永遠の課題でもあるので、このような勉強会でその都度、新たに気づいていく。現状でベストの学の普遍文法をベースに日々の授業を組み立てていくというのが海陽学園のスタイルかもしれません。授業は日々新たなりですね」と。

★なるほど、これが海陽のリベラルアーツの基本的な考え方であり、ともすれば、変わらない部分と変わる部分があるという便宜上の表現をしがちであるが、海陽の場合は、普遍的なものを追究するという変化で、見方によって変わっているようにも見え、変わっていないようにも見えるという本質的なエスタブリッシュ教育であると改めて感じ入った。

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