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2030年教育動向(15)自由の森学園 カウンターからクリエイターへ

ウェブ記事「校則なし、テストなし、授業中にギター弾く…星野源を生んだ「自由の森学園」のユニークすぎる教育方針!」(LITERA 2017.1.27)を読んで、自由の森学園のことを想いだした。

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(写真は同校サイトから)

★かつて筑紫哲也氏が大好きだった自由の森学園。筑紫さんがメインキャスターだったニュース番組でも、同学園の生徒が呼ばれて議論に参加していた。日本の若者の中にもこんなに議論ができる、自分の考えを持つことができる若者がいると目を細めて感動していた姿が印象的だった。

★だいぶ前に当時の同僚で同校の卒業生に連れていってもらったことがある。向こうの階段のかげから、モモがでてきそうな雰囲気のすてきな空間だった。当時にしては珍しくビオトープもあった。環境問題をいかに解決するか興味をもった生徒といっしょに教師がつくったにちがいない。

★同僚も自由人で、大学時代もそれ以降も、米国を歩き回ったようだ。世界を見るというよりは、世界は自分が考え活動することによって映し出される。たしかにそこに世界はあるが、そこに現れていない世界は自分の中にある。しかし、その世界は習慣化された世界の内には現れることはない。もし現れたとしたら、それは習慣化された現象世界に何かがおこっているからに違いない。

★それは何であるか?かつての同僚の果てしない旅の物語は続いているのだろう。もちろん、それは自分探しなんかではない。世界とコミュニケーションして自分のうちに現れる世界によって自分の枠を超える体験なのだと思う。

★世界の限界は言語の限界であるが、その限界は果たしない旅の物語という思考がぶち破る。その自由さ。決して校則がないとか、授業にでないで、外でギターの練習をすることを選ぶとか、そんなことではない。自由の森学園と同じことを一般の高校で行っても、そうはうまくいかないだろう。

★今の世界にカウンターでぶつかる自由は、次へのプロセスではあるが、自由の森学園の卒業生は、そこから先がある。長い時間かかるかもしれないけれど、こだわりのあるバーを経営したり、編集者になったり、公立学校の助っ人になったり、歌手になったり、タレントになったり、画家になったり、作家になったり・・・・・・、有名無名は関係ない。

★基本はノーロゴでナチュラルなシチズンシップを発揮していきていくのだろう。そんな中で、星野源さんの音楽や彼が出演したドラマがヒットして、彼のアーティスティックな発想や生き方を決定づけた青春時代はどこにあったのかと。すると、自由の森学園出身ということで、そこはどこだと話題になり、知れば知るほど、たしかにここなら星野さんのようなアーティストが生まれると、それが本当にそうなのかどうかは、そう単純ではないと思うが、ともあれ話題になった。

首都圏模試センターの「倍率速報」によると、自由の森学園の1月の中学入試Aの出願者は34名。定員が70名強だから、多くはない。しかし、前年は23名、一昨年は27名である。多いとは言えないが、前年対比148%。日本のGDPの成長率を圧倒する結果だ。

★今後の21世紀社会はAI社会で、その土台は、クリエイティブ資本主義の時代ではないかと言われている。クリエイティビティ、オリジナリティ、ホスピタリティ(柔らかい人間関係をつくるマインド)が必要だといわれている。

★しかし、その3要素は、放っておいてできるわけではない。ではどうやってトレーニングするのか。

★そのヒントの1つは、星野源さんをはじめ、いろいろな分野でクリエイターを輩出している自由の森学園にあると思う。では、同学園には創造力養成プログラムは存在しているのか?もちろん、存在している。ただし、それは現象としてあるわけではない。だから、校則がないとか、テストがないとか・・・いうところにヒントがあるわけではないのだ。

★では、どこか目に見えないところに隠されているのか。いや、それも違う。同学園で学びたいと飛び込んだ生徒の内側に現れる世界。それはその都度膨らむし、萎むこともある。内側の世界の疾風怒濤の歴史が生まれる。

★その生まれ出ずる内側の世界が、現象としての世界の限界をぶち破るとき、創造性は生まれる。したがって、その内側の世界のプロフィールをつくる自由な環境が保守されることによって、一人ひとりのトレーニングプログラムが自生するのである。そう「自生」。

★おそらく新実体論者マルクス。ガブリエルが自由の森学園を訪れたなら、それを鋭く洞察することだろう。世界の最前線の新しい哲学。20世紀社会の土台「世界内存在」発想をぶち壊す時代の最前線に立ち臨む学びの環境が自由の森学園そのものなのかもしれない。

★そして、その「世界内存在に現れない世界の存在」について思いを馳せるのは、自由の森学園一つではない。一人ひとりのトレーニングプログラムの自生環境は、今後はもっと多様になるだろう。もし自由の森学園一つしかないというのならば、世界の内に現れるその世界にもまた限界が訪れるからである。同学園が、今後注目を浴び続けることは極まりなく重要である。そのようなジャーナリズムの脱習慣化が、新しい学びの環境を、世界の内にそろそろ現れようとしている世界が欲求するトリガーになるからである。

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